ささやんの天邪鬼 座右の迷言

世にはばかる名言をまな板にのせて、迷言を吐くエッセイ風のブログです。

国家問題としての環境問題

2020-01-17 11:51:33 | 日記
環境問題は単に環境だけの問題ではなく、(国家の行く末をも左右しかねない)大きな経済問題であり、その意味で、これは国をあげての対応を要する喫緊の国家的問題である。環境問題への取り組みは、ひとり環境省の専管事項ではなく、財務省、経産省が共に連携して考えなければならない問題だということである。

それだけ私も長生きしたということなのだろう。私の子供のころには考えられなかったことだが、自然災害は(大げさに言えば)地球規模の問題に、(控えめに言えば)日本国土規模の問題にまで増大してしまったのだ。

そんなことを思ったのは、次のニュースを聞いたときである。

「今年度(令和元年度)、災害廃棄物の処理にかかる費用は国の補助金だけで620億円を超える見込みとなりました。甚大な被害が出た台風19号など各地で災害が相次いだことから、東日本大震災を除いて、この10年で2番目に多くなります。
災害で使えなくなった瓦や家具などの災害廃棄物の処理や、被災した家屋の解体にかかる費用は、原則として半分を国が自治体に補助しています。
環境省は毎年度、2億円を当初予算に計上していますが、台風や豪雨などの災害が相次ぎ、当初予算で対応しきれない年が続いています。
今年度は8月の九州北部の大雨や、千葉県で大規模な停電が発生した台風15号、それに各地で川の氾濫や土砂災害を引き起こした台風19号などで甚大な被害が出たことから、補正予算や予備費を充てて、国の補助金だけでおよそ624億円に上る見込みとなっています。
これは、復興特別会計で対応した東日本大震災を除き、熊本地震などが起きた平成28年度に次いでこの10年で2番目に多いということです。
小泉環境大臣は、10日の閣議後の会見で『台風19号の災害廃棄物はいまだに生活圏から撤去できていない地域もあるほか、最終処理については今後、数年かかる地域もあるので、最後までしっかりと取り組んでいきたい。毎年、台風の規模が拡大し、被害も大きくなっている。気候変動と防災を分けて考える時代ではなくなっており、対策を進めていきたい』と述べました。」
(NHK NEWS WEB 1月13日配信)

災害対策は予算がらみの問題だから我が省(環境省)の手に余る問題だ、と嘆くだけで済まされる問題ではなくなっている。自然災害の規模の増大と、被害の拡大の、その原因が地球の温暖化にあるとすれば、(もう手遅れだとしても)地球温暖化問題への取り組みは、政府にとっては急務の課題になる。これは「思い過ごしさ、アホらしい」では済まされない問題なのだ。

それにつけても思い起こされるのは、きのう本ブログで取りあげた「世紀の大発明」である。我が日本が今、どんな状況におかれているか、簡単にふり返ってみよう。日本は今、石炭火力発電に頼り、地球温暖化物質のCO2を大量に排出することで、国際社会からの非難にさらされている。この非難をかわすには、石炭火力発電を止めなければならないが、その場合、突き当たるのが、代替のエネルギー源をではどこに求めたら良いか、という問題である。原子力発電、という答えがちらつくが、これはこれで事故対策のコストがかさむ上に、いまだ未解決の(「核のゴミ」の処分という)重大な問題をかかえている。

では太陽光や風力などの再生可能エネルギーはどうか。これは電力供給の安定性に難があり、普及には今一歩というのが現状である。

八方ふさがりのこういう現状を考えれば、私が例の「世紀の大発明」に希望をつなぐ理由もお解りいただけるだろう。この発明は「水を電気分解して得られる水素と、発電所から回収したCO2から燃料を合成する」という考え方をベースにしている。この発明が可能にする発電方式は、CO2を削減することに貢献し、しかも新たなCO2を排出しない。CO2はあり余るほどあるから、この発電方式では、燃料にする資源が枯渇する心配もないのである。

いかがだろうか、グレタさん。この件について、あんたにもひとこと言って欲しいものだ。
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