御島さん(31)と、辛辣姫ユキちゃん(28)、若いミユウちゃん(25)、
そして、イケメン貴島くん(29)と、僕は楽しく飲み食いしていました。
「結局、わたし達って何を話しているかって言うと、結婚相手にはどういう男性を選べばいいかって」
「そういう指標みたいなモノはないかって話に行き着いちゃうんですよね」
と、ミユウちゃん。
「でも、それは仕方ないんじゃない?女性ってやっぱり、どういう男性を人生のパートナーに選ぶかで」
「だいぶ違ってきちゃうもの・・・選んだ男性によってしあわせになれるか、そうでないかが決まる」
「そう言っても過言じゃないじゃない?」
「ただでさえ、女性は「命短し恋せよ乙女」なんだし・・・」
と、辛辣姫。
「それはそうかもしれないわね。オバサンになんか、なっちゃったら、なんか人生終わりって感じがするもの」
と、御島さん。
「ねえ、女性陣に逆に聞きたいんだけど、オバサンってさ。中身がオバサン化するから、外見もオバサンになるような」
「気がしているんだけど、そのあたりは、どう思う」
と、僕。
「それは本質を突いていると思いますよ。っていうか、オバサンになると、基本、魅力的なオトコには、誰にも相手にされなく」
「なっちゃって・・・「もう、自分の人生には、恋は訪れない」とハッキリわかるから」
「女性らしさを失って・・・おっさん風なおばさんになっちゃうような気がします。相手の事なんて考えずにまず自分・・・」
「急にワガママになって周囲の事なんてお構いなし・・・そして、オバサン同志で、お茶飲んで」
「誰かの悪口を言い合って、馬鹿笑いする・・・そして、どこまでも図々しくなる・・・それがオバサンの本質ですよね」
と、ミユウちゃん。
「なるほど・・・もう恋の季節が自分に来ないと・・・そう見極めた瞬間、女性はワガママに振る舞うようになる」
「それが女性のオバサン化するスイッチになるんだ」
と、僕。
「確かに、そうね。女性は男性に恋されるから、自分を美しくしようとしたり、誰かを気遣ったり」
「愛する旦那や子供がいるから、旦那や子供達を愛して、愛されて・・・相手の事をまず先に考えるようになるから」
「小さなしあわせを感じながら、素敵に生きていける・・・そんな感じだものね」
と、御島さん。
「そうなんですよ。女性には、恋愛が必要なんです。それが無くなってしまったら、何の楽しみも無くなってしまう」
「そうなるから、自暴自棄になって、図々しくなるんだと思います」
「そして、それに釣られて外見のケアも怠るから、急速に外見もオバサン化するんだと思います」
と、辛辣姫が答えている。
「あとは、結婚して子供が生まれて、子育てでイッパイイッパイになるって言う理由もあるわよね」
「でも、それはしあわせのひとつのカタチ・・・子供って可愛いものね」
「その場合は、オバサン化するんじゃなくて、お母さん化かしら」
「化粧とかしている時間もなくなるって言うから・・・でも、これはオバサン化とは明らかに違うわね」
と、御島さん。
「オバサン化って・・・子育ても終わって、子供達も巣立って・・・旦那と二人きりになって」
「そこから先の生き方で現れるパターンかもね。旦那は枯れちゃってて・・・男性には、全く相手にされなくなった女性がオバサン化するパターン」
と、辛辣姫。
「ふーん、いずれにしろ、恋の出来なくなった個体が、オバサン化、おっさん化するのか・・・」
と、僕。
「でも、それは男性も同じなんじゃないですか?」
「結婚したサラリーマンの男性って・・・巷の女性に全く興味を無くすし・・・自分の仕事と家庭の事しか考えないから」
「急速に女性とのコミュニケーションが取れなくなっていく・・・だいたい目の前の女性が今何を考えているかすら見抜けなくて」
「女性を腫れもののように扱いだす。妻が自分をどう感じているかとか、思春期の娘が何を考えているかなんて」
「わかるはずもない・・・女性と男性って、ちょっとは違うけど、異性とのコミュニケーションを放棄する意味では」
「同じなんじゃないかって思うんですよね」
と、ミユウちゃん。
「異性とのコミュニケーションを放棄するから、外見のケアもしなくなって」
「女性はオバサン化、男性はおっさん化するって言う事?」
と、貴島くん。
「それは厳密に言うと、違うわ」
「ゆるちょくんの受け売りになるけど、女性にしろ、男性にしろ、本来、日本人としてフルスペック化するなら」
「つまり、正しい最終成長状態に行き着くには、多くの人に注目を浴びた結果、装備する・・・女性なら「ヒカルの姫の目」」
「男性なら、「ヒカルの君の目」を持って、外形が完成する八百比丘尼化・・・外見も脳もストップエイジングすること」
「・・・そこに行き着かなきゃいけないのね。そこに行き着けば、外見も脳の中身も若いまま」
「年齢を重ねる事になるわ・・・例えば、女性なら、吉永小百合さんや、柴咲コウさんがそのいい例ね」
と、御島さん。
「男性だと・・・中村雅俊さんや上川隆也さんがいい例だってゆるちょさんは言ってましたね」
と、ユキちゃん。
「つまり、それが「リアル・ニュータイプ」って言う事になるんだけど」
「そこに行きつけなかった女性や男性がどうなるかと言えば、まあ、これは体内の「ハッピーエナジー」が枯渇した個体に」
「起こる現象だけど・・・「緩慢な死のスイッチ」が押され、外見メンテナンス電源が落ち、脳も急速に劣化していく」
「もちろん、外見のメンテナンス電源が落ちたのだから、外見が急速に劣化していく。まあ、言わば、今一般に言われている」
「「老化」と言う現象が起こるわけよね」
と、御島さん。
「それがおっさん化、おばさん化と言う事・・・と言う事は、体内から「ハッピーエナジー」が枯渇すると」
「「老化の開始スイッチ」が押されると言う事だから・・・異性の視界に入れられなくなったら」
「つまり、異性から興味を持たれなくなったら・・・おっさん化、おばさん化が始まると言う事?」
と、辛辣姫。
「そうよ。だから、厳密に言うと、異性に興味を持たれなくなったら、人生の終わりが始まったと言う事になるの」
と、御島さん。
「え、それって十代で既に異性に興味を持たれなくなる個体っているけど?」
と、僕。
「だって、巷には、若くして、おっさん化、おばさん化している男女っているじゃない。外見的にも、ね」
「その原因が異性に興味を持たれない事なの。つまり、異性に興味を持たれないって事は、それだけ怖い事なのよ」
と、御島さんが言葉にする。
「最近の統計で、20代、30代の男性の4割が恋愛は面倒臭いと言ってるみたいですよ」
と、辛辣姫が報告する。
「それはどうせ、恋愛の出来ない人間たちが言い訳しているに過ぎないわよ」
「そんな事言ってたら、すぐにおっさん化、おばさん化して、恋愛をしたくても出来ない身体になっちゃうわ」
と、御島さん。
「でも、そういう人間が増えたら、また、この日本の出生率が低くなりますよね?」
と、ミユウちゃん。
「大丈夫。我々リアル・ニュータイプがガンガン恋愛をして、ガンガン子供を作ればいいだけの話」
「そういう意味で言うと、恋愛出来て子供をガンガン産める個体こそ、種として、優秀だし」
「繁栄するチカラを持つ遺伝子の一群と言う事になるわね」
と、御島さん。
「それってつまり、日本人の生き方として、「ヒカルの君の目」「ヒカルの姫の目」を持つ八百比丘尼化した」
「「リアル・ニュータイプ」になる事こそ、正しい生き方で」
「「八百比丘尼化」出来ずに、おっさん化、おばさん化した個体は、死に至るステージに落ち込んでしまった」
「「オールドタイプ」の生き方って事なる?」
と、僕。
「そ。失敗した生き方なの、それは。植物に例えれば、花をつける前に、しおれ始めたって事になるのよ・・・」
と、御島さん。
「だから、人生の生き方自体・・・「リアル・ニュータイプ」が生まれてきた事で」
「大きく変わってきていると見るべきなのよ」
と、御島さん。
「大きく言えば、この世は、恋愛が出来る個体こそが、優遇される世の中なの」
と、御島さんは言う。
「え?それってどういう事ですか?」
と、ミユウちゃん。
「だって、恋愛が出来る個体と言うのは、異性の視界にいれられる個体と言う事になるでしょう?」
「有り体に言えば、その女性や男性を異性が見る・・・魅力的だから・・・となるわよね?」
と、御島さん。
「はい、それはわかります」
と、ミユウちゃん。
「見られると言う事は、その女性なり、男性の目から直接「ハッピーエナジー」を照射される事だから」
「その恋愛の出来る個体には、「ハッピーエナジー」がたくさん溜まっていく事になるでしょう?」
と、御島さん。
「なるほど。「ハッピーエナジー」がたくさん溜まれば、ある時点で、「八百比丘尼化」し、女性なら、「ヒカルの姫の目」」
「男性なら、「ヒカルの君の目」を備えた、日本人の最終形・・・日本人のフルスペックになれるから・・・」
「外見と脳は若いまま、いつまでも仕事が出来るとこういうわけになって・・・確かに優遇されてますね」
と、ミユウちゃん。
「なるほど・・・その逆に、恋愛が出来ない個体は、異性の視界に入れられないから「ハッピーエナジー」が」
「体内に溜まるはずも無く・・・目も「死んだ魚の目」のままだから、本能的魅力も作れず」
「いつしか「老化」が始まってしまう・・・そういう人生なんだ・・・」
と、貴島くん。
「なるほど、恋の出来る個体は優遇され、恋の出来ない個体は、すぐに老化が始まる・・・」
「怖いな、それ・・・」
と、僕。
「だから、結婚や恋愛を考えるなら・・・「リアル・ニュータイプ」を選びなさいと言う事よ」
「その方が女性は男性をサポートする甲斐があると言う事になるでしょう?基本的に、「不老長寿」って事なんだから」
「「リアル・ニュータイプ」は」
と、御島さん。
「体内にたくさん「ハッピーエナジー」を溜めている個体こそ、長生きで・・・なにしろ「ハッピーエナジー」こそ、長生きのエネルギー」
「言わば、「やる気」エネルギーだからと言う事ですよね。だから、定年退職後、妻に先立たれた夫は、萎れるように死んでしまう」
「・・・それは妻と言う「ハッピーエナジー」の供給源がいなくなり、「ハッピーエナジー」を貰えなくなったから・・・そういう説明ですね」
と、貴島くん。
「まあ、そういう事よね・・・」
と、御島さんは言葉にする。
「わたし、生き方と言う事で、言えば・・・男性はなにより仕事だって思っているんですよね」
と、辛辣姫。
「ま、確かにそうだけど・・・」
と、僕。
「わたし、いろいろな男性の仕事に関して見ていて・・・ある結論に至っているんですけど」
「男性の人生って・・・例えば、ヤンキースのマー君なんか見ていると、「自分を追求する人生」に入れた男性こそ」
「その男性をサポートする女性をも、しあわせにするって思っているんです」
と、辛辣姫。
「なるほど・・・里田まいさん、しあわせそうですもんね」
と、ミユウちゃん。
「マー君は、ヤンキースのピッチャーとして、日々自分を追求する人生に入れている。彼が勝てば、里田まいさんだけでなく」
「彼のたくさんのファンをしあわせに出来ます。しかも、ここで重要なのは、マー君は野球、特にピッチャーをやる事が」
「本当に好きだから、多分、毎日、ずーっと野球の事を考えている。わたし、ここが重要なんだと思うんですよね」
「つまり、毎秒、自分を追求する生活に入れている事・・・ここまで行くことが日本人の仕事のフルスペックだと思うんです」
と、辛辣姫。
「ほう。日本人の仕事のフルスペックか。それは新しい概念だね」
と、僕。
「マー君は、投げて勝利を獲れば、ファンの皆にしあわせを与える事が出来る。するとファンから笑顔が返ってくるから」
「マー君も、里田まいさんもしあわせを感じる事が出来る。この構図がまず大事で、そのしあわせを感じたいが為に」
「彼はピッチャーと言う職業において、自分を追求する生活に入れている」
「そして、マー君には、大きな目標がある。それはリーグ優勝だし、ワールドシリーズ制覇だし」
「この「人生に大きな目標がある」と言うのも大事だと思っているんです」
「これらの構図が成り立つ事で、人生は良くなるとわたしは思っているんですね」
と、辛辣姫。
「それって他の例はある?」
と、御島さん。
「例えば、職人さんなんかもその一例だと思うんですけど・・・わかりやすく言えば、ラーメン屋さんなんかもそうですね」
「職人さんが、美味しいラーメンを出す事が出来れば、そのラーメン屋さんのファンは皆喜びますし」
「その職人さんの奥さんは、旦那さんが密かに作っている大きな目標、例えば、江東区制覇でもいいし」
「東京制覇でもいいし、日本制覇でもいい・・・同じ目線で目標を見つめながら、旦那のサポートをしているはずですよね」
と、辛辣姫。
「ほう。旦那の人生に目標がある事。その目標を同じ目線で見つめ、目標達成の為に旦那のサポートをする妻の存在」
「そして、そのタッグがお客さんにしあわせを与え、そのお客さんの笑顔が旦那と妻のしあわせそのものとなる」
「そういう構図だね」
と、僕。
「そして、旦那の仕事は、自身を追求する仕事になっている・・・ここが最大のポイントでしょうか?」
と、ミユウちゃん。
「そう。そういう事になるの。自身を追求する仕事なら、毎秒、その仕事に邁進するように努力するでしょ?」
「そして、ドンドン自分を成長させる事が出来る・・・なにしろ、この日本で最も大事な事は「毎秒の自身の成長」ですもの・・・」
と、ユキちゃん。
「人生って、何にその時間を使ったか?と言う話になるものね」
「サラリーマンだと、会社の為に、自分の時間をたくさん使わなければいけない・・・と言うか、会社にいる間は」
「24時間、会社の為に使わなければいけないから・・・わた的には損しているような感じだわ」
「だって時間と言うのは、ユキちゃんの言うように、自分の成長の為に使うモノだもの!」
と、御島さん。
「でも、まあ、サラリーマンでも、自己を追求出来る環境にあれば・・・自己を追求する仕事になって」
「毎秒の成長が図れる個体もいるんじゃないですか?」
と、ミユウちゃん。、
「いずれにしろ、自己を追求出来る、毎秒の成長の図れる個体が重要だと言いたいんだね、ユキちゃんは」
と、僕。
「ええ、そうなんです。だから、自己を追求出来る・・・そういう仕事に就いた時がすべての始まりだとわたしは思うんです」
と、ユキちゃん。
「人生には、いくつかの過程があると思うんです。最初は、自己を追求する準備の時間で・・・これは学生時代だったり」
「わたし達で言えば、脱サラする前のサラリーマン時代・・・これはやっぱり大いなるモラトリアム期間だと」
「思うべきだと思うんです。そして、何よりも「好きこそ物の上手なれ」で自分の仕事を選んで・・・」
「もちろん、それは仕事選びの前提で、もっとも大事な事は、「この仕事はわたしにしか出来ない」」
「「この仕事は僕にしか出来ない」「そして、世界で一番になれる」と言う自然な自負と読みのある職業を選ぶ事」
「だから、マー君も、ラーメン屋さんも、自信を持って、「世界一」を追求出来るんだと思います」
「そこが一番大事なんです」
と、ユキちゃん。
「つまり、人生には、「自己を作る準備期間」「自分の職業を選ぶモラトリアム期間」」
「そして、「自己を追求する本番の時間」があると言いたいんだね」
と、僕。
「そうです。「自己を追求する本番の時間」・・・ここに辿り着いた男性こそが、サポートの対象になり得るし」
「同じ目標を見つめて、ファンの為にどこまでも自己を追求する旦那と素敵に人生を歩けるとわたしは思うんです」
と、辛辣姫。
「それが日本人の仕事のフルスペック・・・いい事言うわね、ユキちゃんも」
と、御島さん。
「それって、大事なのは、たったひとりで社会と向き合える人間にならないといけないと言う事ですね」
「マー君だって試合に負ければ、悪く言われるリスクを背負っている。ラーメン屋さんだって」
「商品が悪ければ、すぐに倒産の危機にも見舞われる。つまり、その本人の技量次第・・・腕次第って事ですね」
「それってやっぱり、カッコイイ生き方ですよ。それこそが、確かに日本人の仕事のフルスペックですね」
「成功すれば、確かにカッコイイし・・・」
と、ミユウちゃん。
「ふふ。いいわね。妻がカッコイイと惚れなおしてくれるところまで行けるじゃない」
「うん。そういうオトコだからこそ、妻に、サポートしたいと思わせるのよね。まあ、オトコは、カッコイイ生き方のオトコの方がいいわけだし」
と、御島さん。
「やっぱり、妻におんぶに抱っこじゃ、いやですもん。そんなオトコ」
と、辛辣姫。
「・・・で、わたしが言いたいのは、ここにいる脱サラした男子は・・・ゆるちょさんも、貴島さんも・・・皆、そういう自分を毎秒追求している仕事のカタチになっている」
「・・・そういう事です」
と、辛辣姫。
「そういやあ、瀬名の奴も同じカタチになっているな」
と、僕は口の中でつぶやく。
「うん、この話、面白いわね。「日本人の仕事のフルスペック」。さらにもっと深く追求していきましょう」
「長い時間をかけて、ね・・・」
と、御島さんは言葉にすると、肉の欠片を口の仲に放り込んだ。
(おしまい)