さて、その時、僕とイケメン貴島くん(29)、若い池澤くん(24)、社長の御島さん(31)、辛辣姫ユキちゃん(28)とで、
中華料理店の個室で、お酒を飲みながら、楽しい夕食会を開いていました。
そうです。まだまだ、続いているんです。
「いやあ、紹興酒って、案外美味しいモノなんですね」
「僕、真面目に味わった事が今までなかったから」
と、池澤くんは少し酔っ払っているようです。
・・・と、そこへ。
「遅くなりました・・・会社での仕事、やっと片付けて・・・」
と、部屋に入ってきたのは、まだ、サラリーマンなミユウちゃん(25)です。
「あ、遅かったっすね、ミユウさん」
と、池澤くん。
「池澤くんは、半分、御島さんの所へ出向みたいなカタチだからいいけど」
「わたしは、会社での仕事を抱えているんですからね・・・あまり自由に動けないのよ」
と、ミユウちゃん。
「あ、あの生ビール、ジョッキで一杯・・・」
と、ミユウちゃんは、すぐさまお酒を注文しています。
「・・・そうですか。素敵な男性の条件・・・なるほど・・・やっぱり、それは「ヒカルの君の目」を持った男性って」
「事になるでしょうね」
と、ビールを飲みながら一息ついたミユウちゃんが言葉にしています。
「だとしたら、逆に聞きたいんですけど、こういう男性だけは結婚相手にしちゃダメって男性の条件を教えて貰えませんか?」
と、ミユウちゃんは言葉にする。
「そうね。結婚相手にしちゃダメな男性ねえ・・・」
と、御島さんはすぐに反応している。
「わたしは・・・まあ、わたしの元の職場の男性達の事にもなるんですけど・・・」
と、辛辣姫は語りだす。
「まず、オトコって仕事だと思うんですよね。だって、社会に出たら、やっぱり、その男性がどんな仕事をしているのかって」
「それが本人の価値ってなりますから。だけど、ダメだなあって思う男性って、まず、自分の仕事についてネガティブな」
「発言しかしませんよね」
と、ユキちゃん。
「えーと、それは具体的に言うと、どんな感じになるの?」
と、僕。
「なんか、言い訳が多いんですよね。そして、すぐ他人のせいにする。「あそこでああなっていなければ」」
「「いや、あいつさえ、ああだったら、俺は今頃、こうだったのに」的な?ダメな理由、他人のせい、僕は悪くない」
「悪いのは、あいつだ的な・・・そういう言動が多いって言うか・・・」
と、ユキちゃん。
「自分の仕事嫌いな男性も多いですよね。なんか、貰えるカネが安いとか、仕事が辛いとか・・・そんな事、言うんだったら」
「転職しろって感じですもん」
と、ミユウちゃん。
「だいたい、自分の仕事って、自分で決められるんですよね。つまり、自分の人生って、全部、自分で決めたイエス・ノーで」
「出来ているんですよ。だから、わたしは、よく「オトコは四十歳を過ぎたら、顔に責任を持て」って言われますけど」
「わたし的には「30歳になったら、オトコは外見に人生がすべて出る」って考えているんですよね」
と、辛辣姫。
「30歳ですか。結構、早いんですね」
と、池澤くん。
「それって、結局、10代、20代をどう過ごしてきたか・・・という話になるわけね」
「まあ、10代は、大人になる為の準備で一杯一杯だろうけど・・・オトコの20代って大事よね」
「高卒だったら、18歳から社会に出るんだし、何を持って自分の仕事にするか・・・それを決めるのって、大変だもの・・・」
「でも、自分の仕事を自分で決めたら・・・そこに一直線って、言うオトコ・・・かっこいいと思うわ」
と、御島さん。
「そうなんですよね。結局、オトコって学歴じゃなくて、自分の仕事をしっかりと決められているかどうか」
「・・・ここに掛かってきているんですよね。カン違いしているオトコは多いけど」
と、辛辣姫。
「オトコのカン違いって、くだらなくて・・・学生時代って、教員の価値観を押し付けられている」
「言わば、価値観ハラスメントと言う事に気づいていない男性が多いんですよね」
と、辛辣姫。
「それって、どういう価値観ハラスメントなの?」
と、僕。
「教員からすれば、学生は「ルールを守り、勉強の出来る学生こそ、最良」って言う価値観なんですよ」
「で、学校は教員の支配の場所ですから・・・学生はその教員の価値観に染められてしまう・・・」
「だから、勉強の出来る学生が鼻高々になるけど・・・そんな価値観、学生の間だけの価値観なんですよね」
「社会に出たら、一切通用しない」
と、辛辣姫。
「なるほど・・・それは確かに言えるかもしれないね」
と、僕。
「わたし、ある大学教授に話を聞いた事があるんですけど、その男性、40歳を超えた今でも独身で・・・」
「「何故、未だに独身なんですか?」って聞いたら、「女性に悪いだろう」的な言葉が帰ってきたんですよ」
「その男性、大学から博士課程を卒業するまで、大学にいて・・・そこから、助手、准教授、教授の道を歩んだけど」
「ずっと大学にいて・・・ずっと大学内の価値観のままで、社会の価値観を一切見てこなかったんですね」
「だから、「女性と交際するなんて、もっての外」と言う、教員の価値観をずっと引き継いで来ちゃったんですね」
と、ユキちゃん。
「その価値観に逃げ込んでいる男性は多いわ。特にネットに逃げ込んでいる男性は、そういう価値観に逃げこんで」
「「女性は処女が一番だ」みたいな価値観に逃げ込んでいる。要は、自分に女性体験が無いモノだから」
「経験のある女性にバカにされるのが恐くて、「女性は処女が一番」と言う価値観に逃げ込んでいるに過ぎないの」
「あるいは自分より、年齢の低い少女に価値を置いているとかね・・・ま、女性は早く処女を捨てたいって言う」
「本音を男性達は知らないのよ」
と、御島さんは辛辣に言う。
「だとすると・・・学生時代に教員に押し付けられた、価値観ハラスメントに会ったオトコ達が、恋が出来ないのは」
「そういう教員達の価値の押し付けに拠るモノ・・・そういう考え方?」
と、僕。
「ま、そういう教員は、学生達の為になんて考えてはいないわ。すべて、自分の収入が上がるために・・・やっている事だもの」
「価値観ハラスメントで、学生達が不幸になろうと、そんなの初めから考えてはいないのよ」
「要は、この日本で他人を不幸にする人間は、自分の事しか考えない男女と言う事になるわね」
「そういう男女は、リアルライフで、誰からも相手にされないから・・・そういう現実になっているんだけどね」
と、御島さん。
「他人に愛される男女は、まず、自分より相手のしあわせを考えるから・・・周囲の人間をしあわせにするし」
「そういう人間だからこそ、周囲の男女に愛される・・・そういう結果を生んでいるけど」
「・・・自分の事しか考えない男女は、そういう人間だからこそ、周囲の男女から、一切相手にされてない」
「・・・だから、他人を不幸にする・・・そういう話ですか」
と、池澤くん。
「そういう事。結局、自分の振る舞いが、他人をしあわせにするか、不幸にするか・・・その結果が自分に戻ってくると言う単純な事なのね」
と、御島さん。
「わたし・・・結局、オトコって、女性と二人きりで飲んだ時に、女性を笑顔に出来るかどうかだって思っているんです」
「まあ、もちろん、わたしだって、選り好みはしますから・・・興味の無いオトコとは、さし飲みなんて、絶対にしませんけどね」
と、ユキちゃん。
「それはそうね。女性はその気のない男性とは、二人きりなんかで飲む事は絶対に無いもの」
「サラリーマン時代って、たまに職場の親睦を兼ねて、職場の男女で飲み会をする事があるけど」
「あれだって本当は女性は嫌なのね。嫌々、そういう職場の飲み会に出ているっていうか・・・」
と、御島さん。
「なのに、何かをカン違いした、オヤジ達が、しゃべりかけてくる・・・嫌な瞬間ですよね」
「こっちとしては、たまたま、職場が一緒で、たまたま、先輩だって言うだけで・・・話したくもないオヤジ達に」
「話しかけられて・・・不快を通りこして、気持ち悪いって感じがしますもの・・・」
と、ミユウちゃん。
「へ。すごいな。この話、オヤジ達が聞いたら、どんな顔をするかな」
と、僕。
「いーんです。別に、オヤジ達なんて、わたしの人生に一切関わり、無いんだし」
と、ミユウちゃんは、少し顔が赤くなっています。
「で、話を戻しますけど・・・まあ、わたしが男性と二人きりで、飲んだとするじゃないですか」
「それは興味があるから、二人きりで飲むんですけど・・・それだけで、一杯一杯になってるオトコっているんですよね」
「多分、妄想膨らましちゃって、現実で対応出来なくなるタイプって言うか・・・」
と、辛辣姫。
「あんな事とか、こんな事とか、考えちゃってるパターン?」
と、笑顔で、御島さん。
「やあだ。考え過ぎですよね。でも、いい感じだったら、当然、それもあるけど・・・」
と、ミユウちゃん。
「最初の二人きりの飲み会から、それは無いんじゃない?」
「まあ、でも、とにかく、最初の飲み会は、相手を見切る機会だと思うんですよ・・・」
と、辛辣姫。
「なるほど・・・最初は、相手の本質を見極める機会なんだね?」
と、僕。
「ええ。わたしは、そう思っていますけどね・・・」
「で、飲んだとして・・・大事なのは、女性をどう盛り上げるかって事だと思うんですよ」
「その盛り上げ具合で、楽しかったら、次の事も考えるっていうか・・・」
「これがダメな男性って、二人きりになれただけで満足して、自分の事ばかり、話してくる傾向が多いんですよね」
「自分を理解して欲しいみたいな感情が筒抜けになると言うか」
と、辛辣姫。
「ああ・・・それ、あるある。それってマザコンの症状じゃない?」
「自分の事を理解して、自分をあるがままに、受け止めて、自分を好きになって・・・みたいなワガママナルシストにして」
「マザコン坊や・・・エヴァとか、好きな奴に多いのよ、そのタイプ。ま、ヲタクのマザコン坊やって言う」
「リアルライフでは、全然ダメなタイプよね、そういうオトコ」
と、御島さん。
「ヲタクってさー、自分の価値観を押し付けてくる、モラルハラスメントなオトコ達なのよね」
「「このキハXXってタイプの車両は、さー」とか、女性にとっていらない情報をわざと押し付けてきて」
「そんなの女性からしたら、つまらないクズネタでしょ?ま、家に帰って、ママにお乳飲ませてもらえばって言う程度の」
「対応絶対不可の男たちって事よね・・・」
と、御島さん。
「御島さんは、評価出来ないオトコ達には、辛辣ですからね」
と、貴島くんが笑う。
「そこは、ね・・・しっかり白黒つけないと、オトコって、妙に勝手に盛り上がる癖があるから・・・」
「絶対に甘い顔しちゃ、いけないの」
と、御島さん。
「で、ユキさん的にオーケーなオトコは、二人きりになった時、どんな対応をしてくれるんですか?」
と、ミユウちゃん。
「そこはもちろん、話の主人公をわたしにしてくれる事よね」
「二人きりになった時、オトコは女性を主人公にした、楽しい話をしてくれる・・・わたしはそう思っているの」
「ほら、父親って、娘と二人きりになった時、必ず、娘の今を聞いてくれるでしょ?そして、やさしく話を聞いてくれて」
「笑顔で、暖かく、いろいろな話をしてくれる。それはすべてわたしの為だわ・・・暖かい笑顔で、わたしを包んでくれて」
「やさしい笑顔で、いろいろなアドバイスをくれる。たくさんの人生経験があるから、その経験を話してくれて」
「納得のいくアドバイスをくれて・・・時には、知的に、笑わしてくれて、やさしく抱きしめてくれる・・・」
「それが男女の話し合いの理想じゃない?」
と、辛辣姫。
「そうですね。いずれにしろ、ココロが暖かくなったり、ココロから楽しめたり・・・そういう時間が必要ですよね」
と、ミユウちゃん。
「結局、そういう話が出来る男性って、経験知をたくさん持った、経験豊富な人間性の大きい男性って事になるわよね」
「っていうか、笑顔が暖かい男性よ、そういう男性は」
と、御島さん。
「経験の少ない、器の小さい、怖がりの男性・・・では無いことは確かですね」
と、ミユウちゃん。
「おい、池澤、何か言われてるぞ」
と、笑いながら、貴島くん。
「え、いやあ・・・僕はまだまだ、大人としての経験が少ないですから・・・そこは認めざるを得ませんよ」
と、池澤くんは、頭を掻いている。
「結局、経験がモノを言うのね・・・ほら、仕事が出来るから、とか、いい会社にいるからとか、官僚だから、とか」
「いい大学を出たから・・・とか、そんな肩書で、自分は偉いとカン違いしている「俺偉い病」のオトコが多いけど」
「・・・そういうオトコ程、女性から嫌われている・・・ううん、徹底無視されているって現実があるのを知らない男性も多いのよね」
と、御島さん。
「でも、わたし思うんですけど、肩書程度に騙される女性は、その程度の女性だって思うんですよね。永久にしあわせになれないって言うか・・・」
「本当に出来るオンナは、肩書なんかに関係なく、いい男をチョイスしますよ」
と、ユキちゃん。
「じゃあ、ユキさんに聞きますけど・・・いいオトコの条件って、何ですか?」
と、池澤くん。
「そうね。まずは、自分の仕事が本気で好きで、毎日、自分の仕事を追求する事に並々ならぬ気合をいれている人なんじゃ無いかしら」
「その仕事を出来る事に悦びを感じて、毎秒追求する人生・・・それがその彼のしあわせそのものになっている男性こそが」
「素敵な男性だと思うわ。要は、そのチョイス力と、その仕事をゲット出来た、ゲット力って言うか・・・そういう目のつけどころを」
「持っている男性と行動力?・・・それを持っている事こそ、いいオトコの条件になると思う」
と、辛辣姫。
「なるほど・・・チョイス力と行動力ですか」
と、池澤くん。
「そして、当然、そういうオトコは、常に成し遂げるべき目標を持っているわ。それは近い将来も、遠い将来についても」
と、ユキちゃん。
「そういうオトコの人生をサポート出来たら・・・それが自分の悦びになるのだったら」
「女性として、それが一番って感じもしますよね」
と、ミユウちゃん。
「目標の無いオトコはダメですか?」
と、池澤くん。
「ダメね。わたしが嫌いなのは、目標も無く、毎日に流されている男性だもの」
と、ユキちゃん。
「そして、醜い男性も嫌い・・・そうでしたよね」
「30過ぎたら、男性は外見にすべて出る・・・それはユキさんの口癖でもあるし」
と、ミユウちゃん。
「そういう事。そして、素敵な男性は目がキラキラしている。ダメな男性は「死んだ魚の目」って言う事かしらね」
と、辛辣姫。
「ま、わたしから、すれば、女性とサシ飲み出来ない・・・女性を笑顔に出来る、そういう会話の出来ない男性ってだけで」
「バツだけどね・・・」
と、御島さんも言葉にした。
「聞いたか、池澤。おまえも、これから、よーく、がんばるんだぞ」
と、貴島くんが言葉にした。
「はい。がんばるっす、俺。皆さんが、僕を鍛えてくれているうちに!」
と、池澤くんは、拳を固めるように言葉にした。
(おしまい)