「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

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「天主」になった信長さんの自負!(すべては俺が成し遂げる!)

2014年03月27日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「戦国武将考察編」・・・お願いします。今日は誰について語ってくれるんですか?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「うん。そうだな・・・今日も前回の続きと行こう・・・「織田信長さん」を続けて見ていこうよ」

と、タケルは話し始めます・・・。


さて、今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「織田信長さんは、「天」という言葉が実に好きなんだよねー」

と、タケルは言葉にする。

「信長さんは自分を「知恵者」として、絶対的に意識していた。「知恵」を創りだすことがこの世で勝利していくことだと彼は絶対的に理解していたし」

「大義として「「和を以て貴しとなす」を実現出来る平和な国を取り戻す為の「日本平定」こそ、この世の絶対的正義」として「天下布武」を掲げていた」

「わけだから、やはり彼は「絶対の知恵者」だったんだよね」

と、タケルは言葉にする。

「だからこそ、彼は「「知恵者」こそ天下一の資格がある。天に認められる徳のある人間=中国の皇帝になれる資格こそ、「絶対の知恵者」なのでは?」という」

「そういう仮定に彼は辿り着いていたと見るのが、自然だろうと思うね」

と、タケルは言葉にする。

「その証拠みたいなモノはあるんですか?信長の生涯について」

と、レイカが聞く。

「信長さんって、危険な場所に率先して出て行ったのね。それは、彼が「この「日本平定」を遂げようとがんばっている間は俺は死なん。なぜなら天は」

「必要な人間は殺さないはずだからだ。天が皇帝を自ら選ぶのであれば「絶対の知恵者」であり、今時代が必要としている「日本平定」を率先して行っている」

「俺を殺すはずがなかろう。もちろん、もし、「天」という俺以上の「知恵者」が、本当に存在するのであれば、の話だがな」と思っていたからななんだよ」

と、タケルは説明する。

「彼はだから、自分以上の知恵者として「天」を意識していた・・・しかし、途中から、彼は自分こそ「天」ではないかと言う発想に進んでいくんだね」

と、タケルは言葉にする。

「絶対の知恵者である「自分」こそ・・・「天」そのものなのではないか・・・中国文化が言う「天」など実際は存在せず、「絶対の知恵者」である自分こそ」

「「天」そのものなのではないか・・・その発想に辿り着いちゃってたのが、実は信長さんなんだよね。だから、彼の創世した元号は「天正」になるわけよ」

と、タケルは言う。

「「天正」・・・この言葉に信長さんの意識が丸見えじゃない。「天」は俺が正す。今まで間違っていたすべての出来事を「絶対の知恵者」である自分こそが」

「正しくしてやる・・・信長さんには、「天」の正しい姿が見えていたんだね。だからこそ、「正す」という言葉が使えたんだよ」

と、タケルは言葉にする。

「そういう絶対の自信が信長さんにはあった・・・だから、比叡山焼き討ちも出来たし、毛利水軍も鉄甲船で破る事もできたし、一向一揆の「根切り」も」

「指令出来た・・・彼は大きな時代の流れを引っ張りながら、「天」を「正す」意識で絶対の自信を持ちながら、それを実行していったんだね」

と、タケルは言葉にする。

「信長さんは、自分こそ、「天」そのもの・・・その意識に辿り着いていたんですか・・・すごいですね。その自意識・・・」

と、レイカ。

「実際、彼に比肩し得る「知恵者」は少し落ちるところで「秀吉」しかいなかったからね。「秀吉」には信長程の絶対のカリスマ性はなかった」

「まあ、後年、その実力で持って、カリスマ性は生まれるけれど、信長さんの前では、4つも5つも落ちる感じだったのは、否めないだろう」

と、タケル。

「だから、彼は全国制覇の拠点を「安土」と定めるんだね。「天」の治めるのは「国土」だから、「日本平定」すなわち「国土を安んじる」の意識から」

「「安土」・・・「天」に対する言葉として「土」を安んじる意識があったと見るのが自然だよね。だから「安土城」という言葉に結実するんだね」

「ま、すべては俺が成し遂げる・・・国土も俺が安んじる・・・そういう意気込みというか、絶対の自負が信長さんにはあったんだねー」

と、タケル。

「そして、信長そのひとは、「天主閣」に住み、彼自身「天主」になった・・・もう、その思い、だだわかりじゃない。彼は「天主」・・・いわゆる「天」そのもの」

「になった意識だったんだよ。だからこそ、「天主閣」に住み「天主」として振る舞った・・・それは「天」そのものになったと自負する信長さんから」

「すれば、ごく当たり前の行動になるんだね」

と、タケル。

「でも、彼以後の城は「天守閣」と呼ばれ・・・「天主閣」という呼称は絶対に使われなかった。何故です?」

と、レイカ。

「まあ、当時の武将達は・・・信長さんは天罰によって死んだ・・・そう見たんだろう。「天主」をきどったから、本物の「天」から罰を受けた・・・そう感じたんだろうね」

と、タケル。

「だから、「天守閣」は作るものの・・・そこに住むこともしなかった・・・信長さんみたいにだけはなりたくなかったんだろう。あるいは信長さんは」

「あまりにすごすぎるから、その存在を敬い・・・モノマネはしちゃいけないと悟った人間達が多かった・・・そういうことだろうね」

と、タケル。

「野球の永久欠番みたいなものですか?」

と、レイカ。

「まあ、そうだろうね。実際、本物の信長さんとしゃべったことのある人間なら、「絶対の知恵者」である信長さんのすごさ怖さ恐ろしさは理解していただろうからね」

と、タケル。

「当然・・・崇拝する人間が多かった・・・そう見るべきだろうね」

と、タケル。

「信長さんは・・・安土城下で、相撲の開催をしきりにしていて・・・「天下一」の称号をあげているわけよ。ま、信長さんが「天主」なんだから」

「「天下一」の称号を与えるのも、当たり前なんだけどね」

と、タケル。

「そして、信長さんは、「総見寺」という信長さんがご本尊となる・・・言わば信長さんこそが「神」となる神社を創建するんだね。これもわかりやすい」

「意識の流れと言えるだろうね。だって彼はすでに「天主」なんだから・・・」

と、タケル。

「「総見寺」・・・この言葉も示唆があるね・・・すべてを見てきた人間・・・すべてを経験してきた人間・・・だからこそ体験から「知恵」を作り得る」

「だからこそ、神になれる・・・そういう発想だろうね」

と、タケル。


「信長さんの神の定義って・・・どうなっていたんでしょうね?」

と、レイカ。

「彼は非常に合理的と言える神の定義をしている。「仏僧達がやたらと来世利益を説いて民衆たちをたぶらかしているが、その来世利益を保証するのが仏や神ならば」

「家族を一つところに住まわせ、税金も安くし、民衆にしあわせを与えている、現世利益を保証する俺は神以上の存在だろう。だったら、俺の方が」

「神と呼ばれるに相応しい存在なんじゃね?」というのが、信長の神の論理なんだよね」

と、タケル。

「確かに、そう言われれば・・・信長さんの論理の方が正しいですね」

と、レイカ。

「そ。あくまでも、どこまでも、論理的なのが、信長さんなんだよね・・・もっとも合理的で、プレゼン好きな信長さんだからこその大失敗が彼を殺してしまうわけ」

と、タケルは言う。

「・・・と言うと?」

と、レイカ。

「「天主」となり、「神」となった、信長は、そうなった事を民衆に知らしめるべく・・・大極殿と同じ建物を安土城下に建てた・・・」

「そして、天皇をその大極殿に行幸させようと考えた・・・信長さんからすれば、「天主」になり「神」にもなったんだから、今の俺は実は「天皇」より上の存在」

「という意識になっているのは、当然・・・それを民衆にもプレゼンし、納得させよう・・・そう考えたんだね」

と、タケル。

「だけど・・・あれほどの「絶対の知恵者」信長さんでも、日本最大のタブーには気づけていなかった・・・日本最大のタブー・・・」

「それは「天皇の血筋には絶対に触れてはいけないこと」・・・「触れたら即死」というこの一条に気づけなかったんだよね」

と、タケル。

「で、結果、天皇を足蹴にし、自分を天皇以上の位置にいることを明確にプレゼンしてしまった信長さんに対して、激怒した明智光秀が」

「「天皇をないがしろにするものは生かしておけぬ。我、大楠公たらんと欲す」と決め、自らの滅亡も知りながら「本能寺の変」を起こすんだね」

と、タケル。

「ま、信長さんにすれば「ち、やっぱり「天」などこの世になかったか。やっぱ、俺がこの世で一番頭がよかったんじゃーん。それが証明出来たんじゃん」」

「「しかし、この俺を殺そうとするとは、明智光秀も、やっぱりアホだぜ。だって、あいつもすぐ死ぬのに」と思っただろうね」

「でも、信長さんは、死ぬ時でも「ま、やるだけやったし、後は秀吉あたりが、俺の素志を継いでくれるだろう。ま、楽しかったぜ、俺の人生」」

「「わが人生に一片の悔いなし」と拳を突き上げて死んでいったと思うね。実際」

と、タケル。

「そうですね。信長さんだからこそ、ここまでの事が出来た・・・空前絶後・・・信長さんの前には平清盛さんしかいないし・・・信長さんの後には秀吉、家康」

「そういう知恵者の系譜になるんですね」

と、レイカ。

「ああ・・・この日本は「知の王国」だからね。「知恵者」こそがその成功の果実を味わうことが出来るのがこの日本さ・・・」

と、タケル。

「信長さんって、やっぱり、すごいんですね。だって「天主」ですもの・・・」

と、レイカ。

「ま、僕もそれくらいの「絶対の知恵者」にはなりたいね」

と、タケルは言う。

「それが今日の結論ですか?タケルさんなりの」

と、レイカ。

「ま、そういうことになるかな」

と、タケルは言う。


「ま、結論も出た事だし・・・しかし、「絶対の知恵者」信長さんは、女性にモテただろうなあ。うらやましいなあ」

と、タケルは言葉にする。

「わかりました。タケルさん・・・その続きは、お酒を飲みながらにしませんか?わたしにモテるのも、わるくないんじゃないですか?タケルさん?」

と、レイカは言うと、赤縁のメガネを外し、髪を解いた。

「ふ。レイカちゃん、本気だね。じゃ、気合いれて飲もうか!」

と、笑顔のタケルは机を片付けだすのでした。


(おしまい)


信長さんの意識はそこまで高まっていた・・・そういう話になりますが、絶対の自信という自負があるからこそ、

「天主」になり得たんでしょうね。

ま、こういう「絶対の知恵者」は勉強になりますよ。

ほんと、その知恵は全部パクって、僕も楽しく生きていくことにしましょう。


さあ、楽しく飲みましょう!


ではでは。

3月27日 僕の人生を中2で決めた本!曽野綾子大先生の「太郎物語(大学編)」。

2014年03月27日 | 毎日のしあわせの為の知恵


僕は独立を指向し戦っている台湾のサムライ達にエールを送ります。

同時にダメ報道を繰り返している、日本のマスコミに遺憾の意を表します。以上。


おはようございます。

昨日は少し夕方、雨模様。

三寒四温の今のモードでは、一雨ごとの暖かさのようで、

春に向かって爆走モードの今ですねー。


さて、その時は、イケメン貴島くん(29)と既婚の御島さん(31)と飲んでいました。

「しかし、さ・・・少し時事ネタしゃべるけど、理研ってどういう組織なんだろうね。まあ、当人は問題外として、なんか共同研究者のひと事のようなしゃべりも不快」

と、僕。

「多分、研究者の多くが「俺偉い病」なんでしょうね。何をやっても、何をしても、何を言っても、自分だけは許されるみたいな間違った思い込みをしている気がします」

と、貴島くん。

「だろうね。ということは、理研は「俺偉い病」の巣窟か・・・仕事環境としては、最悪の組織じゃん。早く解体しちゃえばいいのに」

「だいたい日本文化は「俺偉い病」に超冷たいからね。それが顕になった段階で関係性は周囲から、ガンガンに切られる」

と、僕。

「あのリケジョの女性も、わかりやすい「俺偉い病」の馬鹿おんなですよね。日本文化においては「和を以て貴しとなす」が達成出来る場合にのみ嘘は「方便」として」

「許されるというのに、彼女は「和を以て貴しとなす」を破壊する方向でガンガン嘘をついている。というか、自分の為だけに嘘をつく馬鹿おんなですからね」

「廻りに多大な迷惑をかける結果になることくらい予見できそうなモノなのに、それでも、自分の為だけに嘘をつき続ける。浅い脳みその馬鹿おんな、そのものです」

「彼女は「天網恢恢疎にして漏らさず」ということわざを知らないのでしょうか?ほんと、同じ女として恥ずかしいです。その存在が」

と、けっこう辛辣に怒っている御島さん。まあ、同じ女性だから、怒りも大きいのでしょう。

「ま、そういうことだろう。「光るの姫の目」を持っていたから、自分の外見には自信があるのだろうし、それで天狗になっていたんだよ。「俺偉い病」そのものだよ」

と、僕。

「もう、今回、共同研究者に渡したマウスが「STAP細胞」のマウスでないことが明るみに出たので、これはもう意図的にあのリケジョの馬鹿おんなが」

「嘘をついていたことが証明されてしまいましたからね。チェックメイトですよ。もう、彼女は日本国民を意図的に騙していた馬鹿おんなということが」

「確定してしまったので・・・研究者としての将来は無くなりましたね。だって、彼女の説明はもう誰も一切信用しませんから」

と、貴島くん。

「僕は科学者を一切信用出来なくなったよ・・・ま、相手が人間的に「俺偉い病」か「逃げ込み者」か「傍観者」なのか、疑ってかかる必要が出来ちゃったね」

と、僕。

「結局、そうなんですよね。「自分の価値を毎秒真摯に追求する「求道者」と言う名の「知恵者」」であれば「絶対しあわせ者」になれますけど」

「それ以外は一切ダメですからね。日本人として」

と、御島さん。

「例のリケジョのおんなは「俺偉い病」のずさんな・・・いや、もはや人間じゃないね。ただの「狐狸の類」だ。「嘘つき馬鹿おんな」なんだから・・・」

と、僕。

「ま、言って見れば、胡散臭い「女狐」ってところでしょ。金輪際、一切信用しないに限りますね。視界にすら、いれたくないや」

と、貴島くん。

「それが結論でしょうね。ま、もう、一切相手にしないのが賢明でしょう。同じ女性としても吐き気がするくらい、嫌いな「リアル馬鹿おんな」です」

と、御島さんが結論づけた。

「さ、そんな話、忘れて楽しい話をしましょう」

と、御島さんが笑顔で言った。


「ゆるちょさんって、子供の頃から本の虫だったって言ってましたよね?」

と、御島さんが聞いてくる。

「うん。それって多分、僕が一人っ子だったから、母親が寂しくないか心配して、本を買い与えてくれたのがきっかけだったと思うよ」

と、僕。

「とにかく、たくさんの本を買ってくれた・・・まあ、母親も本を読むのが好きな人だったし、その遺伝もあるのかもね」

と、僕。

「僕が風邪を引いて寝込んだりすると・・・本を買ってきてくれたり・・・とにかく本を買うことには鷹揚だったね。母親は・・・」

と、僕。

「なるほど・・・お母さんの愛だったんですね。その本達は・・・亡くなられたんですよね。ゆるちょさんのお母さん」

と、御島さん。

「もう、10年近くになるよ。でも、亡くなった気はしない。多分、長い外国旅行に出ている・・・そんな気分でいる感じかな。僕自身は」

と、僕。

「母親が亡くなるなんて、想像出来ませんからね。男性は。絶対に・・・」

と、貴島くんが言ってくれる。

「ゆるちょさん・・・いろいろなネガティブに出会われたんですね・・・」

と、御島さんは、僕を見つめながら、しれっと、僕の手を握る。

「大丈夫。僕も大人の男だから・・・」

と、僕は糞真面目な表情で、御島さんを見る。


「でも・・・本をたくさん読んでたんですか。子供の頃から・・・なんだか、ゆるちょさんらしいですよ」

と、貴島くんが言ってくれる。

「そうだね。それがやがて本中毒と言われる程、毎日のように読書するようになり・・・小学生の頃は学校の図書室の本をすべて読みそうな勢いだったね」

と、僕。

「本当に本が好きだったんですね」

と、御島さん。

「まあ、本って要は大人の言葉だからね。大人の「知恵」とも言えるし・・・そういう「大人の知恵」が僕は好きだったのさ」

と、僕。

「そういう中、僕は中2の時にある本と運命的出会いをするんだな。その本は、曽野綾子大先生の書いた「太郎物語(大学編)」という本なんだ」

と、僕。

「へー、それはどういう本なんですか?」

と、御島さん。

「曽野綾子さんには、実際、太郎くんという息子さんがおられて・・・名古屋にある南山大学の文化人類学部にいたのね。それをモチーフにした作品なんだ」

と、僕。

「青春小説ですか、それ」

と、貴島くん。

「そ。太郎くんという主人公の個性的なキャンパスライフが描かれていた。僕はその太郎くんに非常に魅せられて「僕は太郎くんになる。よし大学へ行こう」」

「と、その時に決めちゃうんだね。何を勉強するかなんて二の次・・・とにかく、僕の人生の中で、太郎くんになる為に大学生活を送るのは必須と考えたんだね」

と、僕。

「まあ、今から考えれば、太郎くんはたくさんの「プロだけが知る「大人の知恵」」を持っていたんだ。それが子供の僕には、粋に見えたんだね」

「だから、僕はそういう「プロだけが知る「大人の知恵」」をたくさん持つ大人のオトコになりたかったんだ。その頃から」

と、僕。

「なるほど・・・今のゆるちょさん、そのものじゃないですか、そのあり方」

と、御島さんが言ってくれる。

「まあ、そうなんだよね。今の僕には「しあわせになる為の知恵」が溢れまくっている・・・要は自分のなりたい大人になれている・・・そういう現実なんだね」

と、僕。

「だから、僕はそこは満足して生きているし、それが自分の人生の自信になっている・・・そう言う生き方こそ「大器晩成」の正体だったんだね」

と、僕。

「まあ、話を戻そう。要はその「太郎物語」を通して、曽野綾子さんのプレゼンしてくれた「大人の価値観」という奴が僕を開花させてくれたと僕は今感謝してるんだね」

と、僕。

「ゆるちょさんを開花させた・・・そのお話にはどんなエピが載ってるんですか?」

と、貴島くん。

「様々なエピが僕を刺激した・・・もう、そういうエピが満載だったのが、「太郎物語」だったけどね・・・」

と、僕。

「例えば、仕事について・・・そこには太郎くんの知り合いの27、8歳のサラリーマンの仮名佐藤くんが登場してくる。その彼は彼女に捨てられた話をするんだね」

と、僕。

「佐藤くんは彼女の仮名池田さんにそれはそれは具体的に結婚した後の自分たちの生活について話していたんだそうだ。ローンは30歳になってから、25年組むとかね」

と、僕。

「それはそれは具体的に佐藤くんは話していたんだけど、ある時、池田さんはキレた。「あなたには夢がない。そんな人とは結婚出来ない」と銀行員の池田さんは言うの」

と、僕。

「なるほど・・・確かにそうですね。わたしもそういう男性はちょっと・・・ダメですね」

と、御島さん。

「佐藤くんからすれば、それは全然受け入れられない・・・っていうか、そういう池田さんを理解出来ないのが佐藤くんなんだね。「どこが悪いのそれの」的な反応」

と、僕。

「曽野綾子さんは、そういう男性が嫌いなんですね。そのエピを聞くと・・・それがわかりますね」

と、貴島くん。

「まあ、そういうことなんだろうね。でも、僕はそのエピに中2で出会ってたから・・・深層心理にその価値観が埋め込まれたのかもしれない。その時に」

と、僕。

「その佐藤くんの失恋を癒やすために太郎くんは、三浦半島にある彼の家の別荘に連れて行くの。夏にね・・・といったって平屋で4畳半と6畳の2間だけの家だけどね」

「でも、台所も風呂もついているから、まあ、若者の合宿所にはちょうどいいわけ」

と、僕。

「そういうのって楽しいですよね。夜、酒なんか飲んじゃって、わいわい騒ぎたい気分ですよ」

と、貴島くん。

「うん。僕もそう思うね。というか、学生の頃、似たような事をしていたよ。美術部の合宿とか、似たような感じだったし」

と、僕。

「で、そこで太郎くんがその別荘の裏にある魚屋の暮らしが素敵だって話をするわけよ」

と、僕。

「へー、魚屋さんの素敵な生活ですか・・・ちょっと興味深いですね。なにかのヒントになるかもしれない」

と、御島さん。

「朝、少し早く起きて漁をして、市場に行って出荷し、魚屋として売るものを買い揃えて・・・昼から魚屋として店を開けるわけ。もちろん、お客さんは古くからの顔なじみ」

と、僕。

「だから、毎日誰が買いにくるか、わかっているわけ。なじみの客用の魚も取り揃えているし、結構な数の客がいるから、結構儲かるしね」

と、僕。

「元々魚が好きだから漁師をやっているわけだから、毎日が楽しいわけ。それで顔なじみとも毎日おしゃべり出来るし、おまけなんかもするから、客受けもいい」

と、僕。

「それで夕方は好きな相撲を横目で見ながら、うわの空で魚を売って、7時には店じまいなわけ。好きなことをやってるから、疲れもしないわけよ」

と、僕。

「それはいいですよね。好きなことを仕事にするって、それはストレスもないし、なにより、自由に全部自分で決められるのがいいですね。魚屋さん」

と、貴島くん。

「そうなんだよね。で、夜は若い美人な奥さんと差し向かいで、美味しい料理をたべ、酒を飲む。僕はこの「若い美人な奥さん」ってところに食いついてさ」

「中2で、「おし、僕は若い美人な奥さんを貰えるようになってから、結婚するぞー」と決めてたからね。逆に言うと美人な奥さんが出来るまで」

「結婚しないと決めてたんだ。中2で・・・だから、この本は僕の人生を絶対的に決めた本でもあるんだよねー」

と、僕。

「で、夕飯はすごいの。なにしろ、目利きの魚屋さんだから、一番美味しいものは売らないで自分たちで食べるわけ。お味噌汁なんて、身の反り返ったアジなんかで」

「ダシを取って、その身は捨てちゃって、別の美味そうなアジを入れて、美味しい味噌汁作ったり、刺し身も一番いい魚を毎日食べてるから、高級な生活だよねー」

と、僕。

「確かに、毎日、いいモノ食べられそうですね。その生活」

と、御島さん。

「朝が早いから9時前には寝ちゃうんだけど、電気を消すと月明かりが胸の辺りに差してきて、浜からは海の音が静かに聞こえてきて・・・そういう中で眠りにつく生活」

「「どうだい?サラリーマンなんてやって窮屈な生活するより、全然しあわせな生活をしていると思わない?佐藤さん」と太郎くんが言うわけよ・・・」

と、僕。

「確かに・・・太郎くんの言うとおりですねー。僕もその太郎くんの思いに賛成ですねー」

と、貴島くん。

「なるほど、ゆるちょさんは、中2で、その価値観に辿りついていたんですね。だから・・・脱サラして、今の「求道者」の生活に入った・・・そこにつながりますね」

と、御島さん。

「そうなんだよ・・・この本との出会いが決定的に僕の人生を作ったと言っても過言じゃないでしょ?」

と、僕。

「そうですね。それってしあわせな出会いだったんですね」

と、御島さんは言ってくれる。


「まあ、もうひとつ仕事についての曽野綾子さんの価値観がプレゼンされているエピがあるんだ・・・それはあるお医者さんとの出会いエピにあるんだけどね」

と、僕。

「とある友人の女性・・・仮名武井さんとしようか。その武井さんのお父さんが「人を殺したくなかったから皮膚科の医者になった」と豪語する個性的なお医者さんなのね」

と、僕。

「イメージ的には40代中盤のその男性がまた個性的で面白いわけ。開業医なんだけど、12時に昼飯食ったら、午後3時まで、毎日昼寝するのが日課なのさ」

と、僕。

「僕もその頃は中2だったから「なんだか、ぐうたらだなあ」と思ってたりしたけど、最近、僕も家にいて仕事している時は12時から1時過ぎまで、とっぷり昼寝してる」

と、僕。

「それが気持ちよくてねー・・・自然に眠くなってきて、ぐっすりと昼寝する。そして身体が充分と感じたら、自然と目が覚める。僕はこれについて最近思っているのは」

「「身体が求めることを最大限与えてあげられる生活って、なんて健康的で、なんて贅沢なんだ」っていう考えなんだよね。それって素敵なことだと思うね。僕は」

と、僕。

「つまり、素敵な人生に対するそういう価値観が散りばめられているのが、この「太郎物語」だったんだ。僕はこの本にたくさん示唆されて」

「それを素敵だと実感はしていたんだけど、こうやって今まで実際生きてきたから、それが、より具体的な素敵な示唆だということがやっとわかったわけ」

と、僕。

「だから、僕の今のライフスタイルは、曽野綾子大先生がもう何十年も前に提供してくれた示唆に答えているカタチになっているんだね」

「朝は寝たいだけ寝て「もう充分」と感じて起きたその時から始まるし、それは深夜12時とか1時過ぎであってくれるし、仕事も好きなことを存分に追求する仕事だし」

「食事のカロリーは気を使っているけど、それなりに好きなモノを食べてるから満足だし、昼は好きなだけ昼寝してるし、夜は都内で飲むか、自宅で晩酌だし」

「それになにより大きいのは、若くて美人なかみさんが持てそうだ・・・という実感。僕の人生は「太郎物語」で提案された、しあわせ生活そのものになりつつある」

と、僕。

「そうやって聞いてくると・・・確かに、曽野綾子さんの提案にゆるちょさんが乗って、ひとつひとつ具体的に実現してきた感じなんですね」

と、御島さん。

「そうですね。なんだろう、本当に素敵な人間らしい生活がそこにはありますね。曽野綾子さんは、それに気づいていたから「太郎物語」にそれを託したんですね」

と、貴島くん。

「わたしも早くフリーになろう。ゆるちょさんに話を聞く度に、そう思いますね。・・・というか、ゆるちょさんこそ、素敵な生活プレゼンターなんですよ。わたしにとって」

と、御島さん。

「確かに、それはそうだな。ゆるちょさんがいつも平和な笑顔でたくさんの「知恵」をプレゼンしてくれるから・・・僕も早くフリーになります」

と、貴島くんは言った。


「人生を決める一冊って、本当にあるんですね」

と、御島さんは笑顔で僕の手を再度、握る。

「ああ。出会えてよかったよ」

と、僕は笑顔で言葉にする。

「僕らも、ゆるちょさんに出会えてよかったです」

と、貴島くんは見て見ぬふりをしながら、ブラッディ・マリーを飲み干した。


(おしまい)


「素敵な生活」・・・僕は中2の頃から、それを一心に求めて来たのかもしれません。

でも、それがリアル化して・・・日々しあわせを感じながら生きています。

こうやって、真っ暗なうちから仕事をしているのも、好きな音楽を聞きながら、一心不乱に言葉を出しているのも、

僕的には素敵な生活ですね。


さあ、春の一日、また、楽しんで行きましょう!


ではでは。