「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

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「彼は恋される経験をシビアにたくさんしたから歌が上手くなった」在原業平さん!

2014年03月14日 | 夜の日本学


一人の髪の毛の長い背の高い細身の女性が机に座り、ノートパソコンを叩いています。

彼女の名はレイカ(31)・・・とある雑誌の取材記者です。

「えー、それでは、タケルさん、夜の日本学「歌入門編」・・・お願いします。ええと、歌入門編の日は、割りと楽しくやっていこうということでしたよね?」

と、レイカはノートパソコンを叩きながら、赤縁のメガネを手で直し、こちらを見つめます。

「そうそう。日本においては「歌の前の平等」という事が言われているから、まずは入門して、あれこれ語りながら、理解を深める感じかな」

と、タケルは話します。

「ということなら、私も楽しく参加させて頂きますわ。じゃあ、ミルクティーなど飲みながら、のんびり始めていきましょう」

と、レイカはミルクティーを用意しています。

「ま、金曜日だし、のんびり行きたいね」

と、タケルは笑顔になりながら、言葉にするのでした。


今日の「夜の日本学」はじまり、はじまりー・・・・。


「さて前回は在原業平について語って頂きましたが、随分と恋の歌が多くて、楽しかったことを覚えています」

と、レイカが言葉にします。

「うん。そうだったね。「光るの君の目」を絶対的に持っていた在原業平さん・・・やはり恋の歌は楽しいよ。歌える人は限られているだけに、ね」

と、タケルは言葉にする。

「まだ、もう少し在原業平の歌が残っているから、今回もそれを鑑賞していこうか。楽しい時間を過ごそう」

と、タケル。

「いいですね。大賛成です!」

と、レイカも笑顔になる。


「かきくらす 心の闇に 惑ひにき 夢うつつとは 世人さだめよ」

(昨夜のことは、真っ暗な心の闇に惑ったばかりで確かなことは言えません、夢だったのか現実だったのかそれは世の人に決めさせましょう)


「これはある女性から、贈られた歌に対する返しの歌なんだけど、ちょっと駆け引き入っているよね。まあ、男性は好きな女性の前ではいろいろ言うもんだし」

と、タケルは言う。

「女性にすれば・・・え?なんで?あんなに素敵な事を言ってくれたのに・・・ってなりますね。より女性の気持ちを引っ張りたい業平の裏の思いが透けてます」

と、レイカ。

「なるほど、業平には、絶対の自信があるんだね。その女性が自分を捨てないという・・・むしろ、愛情がさらに深くなるように一歩引いた・・・愛の策士だね」

と、タケル。

「ほんと・・・だから、女性はメロメロにされちゃうんでしょうね。業平に・・・」

と、レイカは笑顔になる。


「かずかずに 思ひ思はず とひがたみ 身を知る雨は 降りぞまされる」

(いろいろと、あなたが私のことを思っているのかそうでないのかと悩んでも、あなたに直接聞くわけにもいかないので)

(この雨にきけば、ますます降って 「お前は思われていない」と知らせているようです)


「この歌はある男に懸想され、恋の歌を贈られた女性に代わって、業平が代作した歌だそうだ。ま、やんわりと男の思いを断っている歌だね」

と、タケルは言う。

「こういう言い方をされたら・・・男性だって、二の足を踏むでしょうね」

と、レイカ。

「しかし、歌を贈り合って、相手の真意を測る・・・なんて素敵な文化なんだろ。こういう歌のやりとりをすれば、お互い傷つかずに済むわけだから」

「「和を以て貴しとなす」が最高正義の日本だからこそ、出来た風習なんだね。さらに相手の「知恵」の程度も知れるし、一石二鳥だね」

と、タケルは感激気味。

「ほんと、素敵な風習です。文化の香りが高い」

と、レイカ。


「おほぬさと 名にこそたてれ 流れても つひによる瀬は ありてふものを」

(この自分は大幣などと言われているが、大幣でも川に流れても最後にたどりつく瀬はあるのだけれど)


「この歌は業平が女性に恋の歌を贈られて・・・その返しの歌なんだね。「最後には、どっかに辿り着くんだろうけどさ」っていう意味だから、答えをぼかしているわけよ」

と、タケル。

「これも、業平の手練手管ですね。答えをぼかすことで、さらに女性に愛の炎を燃やさせようと言う魂胆。まあ、それは女性もわかっているんでしょうけど」

「そういう手練手管に弱いのが女性ですから・・・まあ、業平を好きになってしまっているわけですから、愛の炎は燃えちゃう・・・そういうことですね」

と、レイカ。

「慣れているんだろうな、業平は、恋をされるのに・・・」

と、タケル。

「そうですね。ますます好きになりました、業平が」

と、レイカ。

「時代を越えて、レイカちゃんすら、恋に落とす業平さんか・・・すごい手練だ」

と、タケルは笑う。


「行きかへり 空にのみして ふることは 我がゐる山の 風はやみなり」

(行ったり来たりして、ただうわの空で過ごしているのは、住んでいる場所の風当たりが強いからだよ)


「これは要は昼間はうわの空でいるけど、夜になれば、君のところへ現れるのさ・・・くらいの歌になるんだろうね。わざと言いたい事は言わずに隠して強調しているね」

と、タケル。

「そうですね。業平は、あらゆる手練手管を使って女性を口説くんですね。当時の女性はメロメロだったでしょうね。外見も美しいのに、この手練手管ですもの」

と、レイカ。

レイカは、もう完全に業平ファンだ。


「さて、次からは、恋の歌以外の業平の歌を鑑賞してみよう。ま、業平の歌で有名とすれば、この歌かな。落語にも使われているくらいだから」

と、タケルは言葉にする。


「ちはやぶる 神世もきかず 竜田川 唐紅に 水くくるとは」

(神世の話にも聞いたことがない、竜田川がこのように濃く鮮やかな紅色に水を括り染めにするとは)


「これ詞書を読まないと理解出来ないよね」

と、タケルは言う。


「二条のきさきの春宮の御息所と申しける時に、御屏風に竜田川にもみぢ流れたるかたをかけりけるを題にてよめる」


「ということで、竜田川に紅葉が流れる様を詠んだ歌なんだね。非常に印象的な風景をビビットに描写している感じだね」

と、タケル。

「なるほど・・・わたしは、落語の方を先に知っていたので、落語の方の奇天烈な訳の方を覚えていたので、今、この訳が新鮮に感じます」

と、レイカ。

「でも、美しい歌だし、業平の実力が存分に発揮されていると見た方がいいだろうね」

と、タケルは言葉にする。

「はい。わたしもそう思います」

と、レイカ。


「 桜花 散りかひくもれ 老いらくの 来むと言ふなる 道まがふがに」

(桜花よ、散り交い曇れ、老いというものが来るという、その道がわからなくなるほどに)


「この歌は、業平が、あるお偉いさんが40歳になった事を賀して歌った歌なんだね。平安時代の40歳は、もう、老いと見られていたんだねー」

と、タケル。

「まあ、時代が違いますもの・・・でも、ある意味繊細でありながら、豪快な歌でもありますね」

と、レイカ。

「うん、確かに・・・業平は本当に歌が上手いよ」

と、タケル。

「そう思います。わたしも」

と、レイカ。


「唐衣 きつつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ」

(着慣れた唐衣のように親しんだ妻を都に置いてきたので、この美しい花を見るとそれが思い出され、はるばる来た旅路の遠さをしみじみと感じる)


「僕は業平と言えば、この歌を最初に学んだんだね。中学時代の国語の教科書で見かけたんだね。東国に旅に出た一行の中にいたある偉い人が川のほとりに咲いていた」

「「かきつばた」に興が乗り、「かきつばた」をそれぞれの言葉の最初にして、歌を読んでくれと業平に頼んで出来た歌なんだよね、これ」

と、タケル。

「確かに「かきつばた」が読み込んでありますね。しかも旅にある自分の思いをちゃんと歌っている。業平すごいですね」

と、レイカ。

「本当の風流人だよ、業平は」

と、タケルは舌を巻く。


「名にしおはば いざ言問はむ みやこ鳥 我が思ふ人は ありやなしやと」

(そのような名を持っているのならば、さあ聞いてみようか、都鳥よ、私が思う人は元気かどうかと)


「これも同じ旅の中での歌なんだよね。都鳥を見つけた業平は、やっぱり好きな女性の話になるわけで・・・筋金入りのプレイボーイだね。業平は」

と、タケル。

「やはり、女性が気になるんですね。というか、女性に愛されないと気が済まない・・・そういう男性なんでしょうね」

と、レイカ。


「詞書は次のようになってるね」

と、タケル。


「やまひして弱くなりにける時よめる」

「つひにゆく 道とはかねて 聞きしかど 昨日今日とは 思はざりしを」

(最後には皆行く道と聞いてはいたが、昨日今日にも行くかとは思わなかった)


「まあ、男としてはその心情がよくわかる歌だなあ。特に独身オトコの僕には身につまされる歌だねえ」

と、タケル。

「そうですね。でも女性も同じですよ。死を前にすれば誰でもが思うこと・・・業平らしく素直に歌っていて、いい感じです」

と、レイカ。


「うん。今日も業平さんのすごさを勉強出来たね・・・まあ、「光るの君の目」を持っている上にこの歌の上手さ・・・それは女性にモテるよね」

と、タケル。

「というか、女性にモテたから、歌を作る経験がシビアに増えて・・・それで歌が上手くなったという、そういうパターンの気がするね」

と、タケル。

「わたしもそうだと思います。経験があるからこそ、人は成長する。逆に経験しない人は成長しないまま、いつしか劣化していく・・・怖いことだと思いますね」

と、レイカ。

「それが結論だね」

と、タケルは笑顔になった。


「ま、勉強は始まったばかり・・・焦らずのんびり、言葉にしていこう」

と、タケルは言うと、

「さ、レイカちゃん、飲みに行こうか」

と、タケルは机の上を片付け始める。

「はい。お伴します」

と、レイカはメガネを取り、髪を解いた。


(おしまい)


金曜日の夜・・・まあ、こういう日は楽しく飲むに限りますね。

焼き肉なんかやりながら、ビール。

ま、レイカちゃんと楽しく飲んじゃお!ってなところで、

週末に繰り込んでいく感じですかねー。


ではでは。

3月14日 感謝の気持ちは、ネガティブを経験するからこそ、自然に。

2014年03月14日 | 毎日のしあわせの為の知恵


おはようございます。

今日はホワイトデーですね。

ま、バレンタインデーに比べると、なんとなく盛り上がりに欠ける今日ですが、

まあ、大人の美しい女性の笑顔は、この世の宝ですからね。

自分なりのまごころをカタチにして、甘いスィーツをお世話になった方々にお返ししてきましょう。

チョコ美味しかったしね(笑)。


大人の美しい女性を自然と笑顔にして、なんぼなのが、大人の男性ですから。

まごころをカタチにして、贈るのも基本なんじゃないのかな。

そんな気になる、今日此の頃なのでした。


さて、先日、都内の打ち合わせ上がりで、仕事仲間とお酒を飲んできました。

仕事仲間のユミちゃん(27)です。

「しかし、久しぶりだねー、ユミちゃん。半年ぶりくらい?」

と、僕。

「ええ。新しいプロジェクト任されちゃって・・・そこに注力していたものですから・・・やっと開放されて」

と、ユミちゃんは笑顔。

「で・・・なんで、今回のおしゃべりから、ブログに書くことを解禁してくれたわけ?ユミちゃんは」

と、僕は聞きます。

「ゆるちょさんのブログを毎日見てたら・・・わたしもここに載りたいなって、なんとなく思えて来て・・・それでです」

と、ユミちゃん。

「そういや、僕とユミちゃんが出会って・・・もう4年くらいになるものね。というか、この業界ではユミちゃんと一番最初くらいに出会ったんだもんね」

と、僕。

「あの頃はまだわたしも会社入って2年目で、いっぱいいっぱいだったんですよ」

と、ユミちゃん。

「それに恥ずかしがり屋でもあったもんね。「わたしとのおしゃべりはブログに載せないでください。恥ずかしいから」って言われたし」

と、僕。

「まあ、ゆるちょさんはやさしいから、その約束をずっと守ってくださって・・・わたし、ありがたかったです。ほんとに」

と、ユミちゃん。

「ま、僕は約束は守る人間だからね・・・それは人間として基本中の基本の事だと思うし」

と、僕。

「ま、いずれにしろ、ユミちゃんとの会話も載せていいとなれば、ネタが増えるわけだから、僕としては御の字だねー」

と、僕。日本酒を飲んでいる。

「でも、ゆるちょさん、ほんとに女性に人気ですよね。ま、わたし、ゆるちょさんに出会って、人生変わりましたもん、ほんとに」

と、ユミちゃん。

「え?そうなの?立教大の美人コンテスト女子のユミちゃんが?立教大時代、すごくモテてたって、言ってたじゃん、自分で」

と、僕。

「まあ、それって今から考えれば・・・相手のレベルが低いっていうか・・・中身すっかすかの外見だけ男ばっかりだったから」

と、ユミちゃん。

「わたし、23歳でゆるちょさんに出会って・・・大人の男性の魅力を知りました。暖かくてやさしくて笑顔がチャーミングで、それでいて知恵が深くて・・・」

「いつもわたしを笑顔にしてくれて、話も楽しい話ばかり・・・人間性がデカくて、何より一緒にいるだけで、わたしが自然に笑顔になれる・・・」

と、ユミちゃん。

「芦川ユミの人生の中で・・・そういう魅力的な大人の男性に出会ったことが無かったから・・・ゆるちょさんを知って、わたしの男性の価値観がガラッと変わったんです」

と、ユミちゃん。

「まあ、そういう風に言葉にしてくれると、僕もありがたいと思うよ。僕もまあ、いろいろ修行してきた甲斐があるというもんさ」

と、僕。

「まあ、僕の25歳から、30歳の暗黒時代は、それはひどいもんだったからね」

と、僕。

「そんなにひどい時代があったんですか?」

と、ユミちゃん。

「まあ、当時は会社に入ったばかりで、とりあえずは一人前のシステムエンジニアにならなければいけなかったから、将来への不安もあったし、ストレス太りしちゃってね」

と、僕。

「身長163センチで89キロだもん・・・ま、女性からは嫌われるよね。「近くに寄らないで」って、女性たちの目が言ってたよ。当時は、ね」

と、僕。

「それに人生に不安を覚えていたから、目も死んでいたろうし、男性としての魅力はゼロというより女性にとって、不快なおっさんだったんだよ。その時の僕は」

と、僕。

「自分自身、そういう自分の姿を見るのが嫌で・・・まあ、よく言うけど、ステンレス車両に映る自分の姿を見る度に落ち込んでいた・・・その時期は、ね・・・」

と、僕。

「ゆるちょさんにさえ、そういう時期があったんですね」

と、ユミちゃん。

「まあ、当時、女性にいろいろな仕打ちを受けたけど・・・よく覚えているのは、ある時、友人夫婦が夕食会を開いてくれて、そこに女性を呼んでくれたんだよね」

と、僕。

「まあ、恋人のいない僕に恋人を作ってやろうという、友達夫婦なりの親心だったんだろうけどさ・・・」

と、僕。

「その女性がさ・・・「え、誰、このおばさん」って感じの女性で、ね・・・」

と、僕。

「まあ、好意はありがたかったけど、「俺ってこんな女性としかバランスとれないのか・・・」って、その瞬間、かなり傷ついた事を覚えているよ」

と、僕。

「まあ、その夕食会は無難に過ごし、帰り、暗くなっていたから車で送れば・・・ということになってさ。ま、酒は飲んでなかったし」

と、僕。

「まあ、車で送ったんだけど、途中でそのおばさんが、少し怯えたような表情をして、「ここで結構です!!!」って大声だしたんで、急ブレーキかけて止まってさ」

と、僕。

「そしたら、大慌てで降りていった・・・「ありがとう」の一言も無くね・・・まあ、それはいいんだけど・・・その後、家に向かうべく走っていて気づいたんだ」

と、僕。

「彼女は自分の住んでる場所を知られたくなくて、それでああいう行為に出たということを・・・それを、理解したわけ」

と、僕。

「その場所を知ったら、僕がストーカーになりかねない・・・それくらい、女性に縁の無い・・・そういう、オタク系なおっさんな外見をしていたんだよ、きっと」

と、僕。

「それを理解した時にさらに落ち込んだね・・・そんなおばさんにそんな風に思われたのかと思うとね・・・ま、後で知ったことだけど、彼女の方が年下だったんだけどね」

と、僕。

「最悪ですね。その女性・・・自意識過剰にも程があるわ」

と、ユミちゃんは割りとマジ怒り。

「いや、女性は正直だと言うことだ。メガネをかけた、肥ったおっさんなら、女性なら、誰でもそういう反応になるだろう。仕方の無いことさ」

と、僕。

「というか、それが女性のリトマス試験紙的反応だよ・・・シビアに試験結果が出て、僕的には、よかったんだ。僕の人生的に、ね」

と、僕。

「でも、ゆるちょさんって、大学時代、国公立のマドンナ、リアルお姫様の名雪さんに恋されたくらいの男子だったんですよね?」

と、ユミちゃん。

「そうさ。だけれども、男子の外見は、それだけ説得力を持つということだ。「人間中身だ・・・」なんて言葉に逃げ込んでいては、ダメということさ」

と、僕。

「まあ、それがいい経験になったよ。僕はそれもあって、思い切り反発した。何苦楚と思って、体重を23キロ落として、スポーツマンに成長した」

と、僕。

「何事も、そういうネガティブな経験をするから、何苦楚と思って、超反発して、そこからポジティブに進化出来るんだ。それを僕は理解したんだ」

と、僕。

「それと同時に外見が如何に重要か・・・僕はそのことにも気づいた。「人間の外見は中身以上にコミュニケーションの能力として大切だ」という知恵も学んだ」

と、僕。

「だから、僕は今、中身以上に外見に気を使う人間になっている・・・それはそういうネガティブな経験をしているからなんだよ」

と、僕。

「さらに言えば、そういうネガティブな時代があったから・・・ユミちゃんみたいな美しい女性にサシ飲みの相手になってもらえることに素直に感謝の気持ちを持てるんだ」

と、僕。

「そうなんですよね。ゆるちょさんの素敵なところって、いつも真摯な気持ちで生きているし、例えばわたしのような女性でも、一緒に飲むと感謝してくれる。そこです」

と、ユミちゃん。

「でも、それは当たり前だよ。そういうネガティブな過去があるからこそ、人は感謝の気持ちを素直に持てる。そういうことだよ」

と、僕。

「僕は若い頃から、大きな病気もたくさんしてるし、怪我もたくさんしてる。だから、毎日、健康的に美味しくお酒が飲めることにも感謝している」

と、僕。

「だからこそ、日々、健康に気を使っているし、ウォーキングも毎日実施している。カロリーコントロールもしっかりやっているから、体脂肪率も管理出来ている」

と、僕。

「すべてはネガティブな時代を経験しているからこそ、今を大事にしているし、真摯な気持ちで、日々生きていられる。感謝の気持ちも素直に湧いてくるんだ」

と、僕は言葉にした。


「実は、それ絡みで・・・とある離婚経験のある女性に話を聞いたことがあるんだけど・・・その話、していいかな?」

と、僕は言う。

「もちろん、いいですよ。そういう話は同じ女性として、興味ありますから」

と、ユミちゃん。

「そうだな、その女性仮名アイちゃんにしようか。アイちゃんは、会社に入って3年目で結婚した女性なんだけど、相手は5歳年上の一流企業のサラリーマンの男性だった」

と、僕。

「収入はいいし、スポーツマンだし、男前のその男性にアイちゃんは夢中になって、出会って半年くらいで結婚してしまったそうなんだ」

と、僕。

「その後、3年が経過し・・・とある日曜日、彼女は朝から体調を崩し、寝込んでいたんだそうだ」

と、僕。

「ちなみにそれぞれ自分の部屋を持っていた二人はそこに寝ていたんだそうだ。エッチする時は彼が彼女の部屋にやってくる・・・そういうシステムだったんだそうだ」

と、僕。

「その理由は超潔癖症の旦那が・・・夜一緒に寝るのに耐えられなかったそうだが・・・ま、そのあたりから、なんとなく匂うものがあるけどねー」

と、僕。

「自分勝手・・・な匂いがしますね」

と、ユミちゃん。

「まあ、それは後々話すとして・・・日曜日、朝から寝込んでいた彼女に対して・・・昼前になって起きた旦那は、彼女の部屋に不機嫌な様子でやってきたんだそうだ」

と、僕。

「で、寝込んで苦しそうにしている彼女に向かっていった言葉が「僕のお昼はどうすんの?週末くらい真面目に働いてよ」って言葉だったらしい・・・」

と、僕。

「ひどい・・・やさしさのかけらも無いじゃないですか」

と、ユミちゃん。

「まあ、女性なら、当然そう思うよねー。まあ、彼女と旦那は結婚生活を楽しむ為に、「子供を作るのはまだ先」と決めていたんだそうだ」

と、僕。

「だから、彼女は共働きが出来ていたし、さらに平日は旦那がお酒飲んで帰ってくることが多いから、「平日は夕食いらない」という約束になっていたんだそうだ」

と、僕。

「彼女はその2つの約束について「共働きをして頑張っている、やさしい旦那の、自分への応援というやさしさ」だと思っていたんだそうだけどね・・・」

と、僕。

「彼女はその言葉を聞いてからは、決定的に旦那に不信感を持ったそうだ・・・その時も結局、昼飯も強制的に作らされたし、夕飯すら用意させられて、強い不信感を持った」

と、僕。

「それは同じ女性として、わかります・・・なんだか、旦那のやさしさと思っていたモノが・・・「実は違う!」みたいな、そういう女の勘が働きますよ」

と、ユミちゃん。

「彼女も同じ事を言ってた・・・それ以来、彼女はある推測を立てたんだが・・・まあ、それが証明されてしまう出来事がそれから、割りとすぐにやってきたんだそうだ」

と、僕。

「へー、興味あるー、それー」

と、ユミちゃん。

「それから数週間後、旦那の友達の結婚式があったんだそうだ。アイちゃん夫婦はもちろん、招待されていて、当然のように旦那がスピーチに立った・・・」

と、僕。

「なんか、ドキドキしますねー、それ」

と、ユミちゃん。

「で、旦那がスピーチを始めて「彼と僕とは会社に入社して以来の親友でして、本当に今回はおめでとうございます・・・」なんて感じで、ゆるやかにスピーチは始まった」

と、僕。

「で、ひとしきり自己紹介と祝福の挨拶を終えた旦那は、ポロリと言ってしまった言葉があったんだ・・・」

と、僕。

「うわ・・・どんな言葉なんです?それ」

と、ユミちゃん。

「「ちなみにわたしも結婚の方は3年前に済ましております」・・・この言葉さ」

と、僕。

「「すましております」???」

と、ユミちゃん。

「そこでアイちゃんは決定的な事に気づいてしまった・・・「旦那は結婚とは人生のアガリだと考えている。もう僕はアガリだ。何故ならセックス付家政婦を確保したから」」

「という旦那の浅い思いに気づいてしまったんだなあ・・・」

と、僕。

「えー、それ男として最悪・・・」

と、ユミちゃん。

「アイちゃんは、「結婚とは、二人のしあわせの始まり。結婚とは二人の真心を積み上げドンドンしあわせになる始まりに過ぎないの」という思いだったそうだ」

と、僕。

「それはそうですよ。わたしも結婚に対する意識はそれですもん・・・アガリなんてはずがありません・・・」

と、ユミちゃん。

「そこで彼女は旦那からは、「セックス付家政婦」としか見られていない自分に気づくんだね。一度そういう思いに至った彼女はそういう目で彼の行動を見始めた」

と、僕。

「そう思いながら、旦那の行動を見たら、ほぼそういう意識だということがわかったんだそうだ。アイちゃんには、ね」

と、僕。

「平日、酒を飲んで帰るのは、セックスを断る言い訳に過ぎなかった・・・さらに、子供を当分作らないというのも、実は彼は弱い人間で」

「子供を持つという責任から逃げてただけだとわかった・・・つまり、彼からすれば」

「「あとは子供を作る責任から逃げ続け、家政婦さんに生活の面倒を見てもらいながら、仕事で出世していけばそれでいい・・・」そういう意識だったんだね」

と、僕。

「彼女はそれをすべて見抜き・・・当然離婚を選択した・・・当たり前だ、子供を作る責任すら取れない弱い人間と生きる意味などないと確信したんだからね」

と、僕。

「それは正しい行為だと思います。女性として当然の選択ですよ」

と、ユミちゃんは怒っている。

「僕はアイちゃんに彼の経歴を聞いたんだけどね。興味があったから・・・そしたら、彼は現役で早稲田大学に入学し、卒業後、その一流企業に入り」

「出世もトントン拍子・・・だったんだそうだ。しかし、旦那が出世するにつれ、夫婦の会話は減り、いつしか、冷たい家庭になっていたんだそうだ」

「「めし、風呂、寝る」・・・これくらいが日常会話・・・典型的な「サラリーマン型俺偉い病」の症状だよ」

と、僕。

「どうして、そんな風になっちゃうんですかね。そういう男性って」

と、ユミちゃんが不思議そうに聞く。

「だって、しあわせって、夫婦が愛しあって尊敬しあって、お互いを視界に入れると自然と笑顔になる・・・そういうことなんじゃないんですか?」

と、ユミちゃん。

「まあ、ユミちゃんは僕のブログをしっかり見ていてくれているから、話が通じやすいんだけど、実際はそうだよ。それは僕の目指しているところでもある」

と、僕。

「でも、多分、「サラリーマン型俺偉い病」の人間は、何の挫折もなくトントン拍子で出世したりすると、いつの間にか「自分は偉い」という幻想に取り憑かれちゃうんだ」

と、僕。

「例えば、よく「日本人の男性は感謝の気持ちを言葉にしない。「愛してる」と言葉にしてくれない」っていう女性の不平不満を聞くじゃない?」

と、僕。

「あれの原因がここにあると思っているんだ。ネガティブを人生で一度も経験していない「サラリーマン型俺偉い病」の人間・・・」

「要は彼らは挫折を知らないから、周囲に感謝する気持ちにも一切ならないし、むしろ「自分は偉い」と確信しているから、かみさんを家政婦扱いするんだよ」

「だから、「愛している」なんて絶対に言わないんだ。なぜなら、もう愛は冷めているから」

と、僕。

「かみさんの方にしても、相手の愛が無いことはわかっているから、給料配達人くらいの意識しかない。だから、愛情すらない。冷めた夫婦の出来上がりだ」

と、僕。

「そうやって、冷めた夫婦が出来上がるんですね。怖いな「サラリーマン型俺偉い病」」

と、ユミちゃんは言葉にする。

「人はネガティブを経験するからこそ、感謝もするし、結婚してくれた女性に感謝の気持ちを持ちながら「愛している」と言えるんだよ」

「挫折を経験せずにサラリーマンとして仕事が評価される人間は仕事中毒になり、「サラリーマン型俺偉い病」になる」

「結果、仕事の話しか出来ない「つまらない大人」が出来上がる。女性を笑顔に出来ない典型的な「ダメ男」だよ」

と、僕は言う。

「それ、先日経験してきました」

と、ユミちゃんは笑う。

「先日・・・初めて仕事した先輩の男性と打ち上げ的に飲みに行ったんですよ。サシ飲みでしたけど。まあ、社内の先輩だったし、つきあいで・・・」

と、ユミちゃんは言葉にする。

「飲み屋に入って、その男性、乾杯した後は、「自分がどれくらい仕事が出来るのか」をテーマに永遠、自慢話ばかり続き、あげく」

「「君はここをこうした方がいい。そうすれば、きっともっと仕事が出来るようになる」的ないらないアドバイスまでしてくる始末で・・・」

「わたし、20分もせずに「用事を思い出したので」って言って、アホらしくて途中で帰っちゃいました」

と、ユミちゃんは言葉にする。

「それは正しい対応だ。そんな男、ほっておけばいいのさ」

と、僕はしれっと言う。

「どうして、サラリーマンの男って、ああいう「ダメ男」ばっかなんでしょう?全然意味がわからない」

と、ユミちゃん。

「だから、ゆるちょさんとばかり、サシ飲みすることになるんですよー」

と、ユミちゃん。

「まあ、ゆるちょさんには、ソフィーがいるから、自制はしますけどね。彼女も重要な書き手だし」

と、ユミちゃん。

「そっか。ユミちゃんは、ソフィーと仕事したことあるんだったね」

と、僕。

「ま、ソフィーの動きは、ゆるちょさんのブログでわかりますから、あれですけど・・・でも、わたしとも、たまには飲んでくださいね。お願いします」

と、ユミちゃん。

「ああ、それはわかってるよ。僕にとってもユミちゃんは大事なクライアントなんだから」

と、僕。

「それに二人は古い友だちだろ。この業界の中では」

と、僕はしれっと言う。

「ええ・・・そういう気持ちでいてくださるなら・・・ゆるちょさんは、本当に女性の気持ちに配慮が効いてるんだから」

と、ユミちゃんは笑顔で言う。

僕はその言葉に満足そうに笑顔になる。

「ゆるちょさんのその笑顔・・・そのやさしい笑顔に女性たちはやられるんですよ・・・」

と、ポッと赤くなるユミちゃんなのでした。


都会の夕方はのんびりと暮れていくのでした。


(おしまい)


もう、3月も14日・・・あと2週間ちょいで、4月っすよー。

春は少しずつ近づいているんですね。

なんだか、毎日がほんのり、しあわせです。

春って、やっぱ、好きだな。


ではでは。