翌日発信 炎上上等 ドラゴン通信
「「男性大河ファン」の直感的で素直な感想」
今週の一言:大河ドラマって、ほんとうに、いい人生のための、アイテムのひとつですね。!
●最終回は、男性大河的ドラマ表現だった!ドガシャーンに意味がある!「秘すれば華!」の日本的伝統表現!さらば龍馬、ありがとう龍馬伝!
「よかった」
最終回の「龍馬伝」には、この言葉を送りましょう。
暴れるかと思ったお龍さんは、表情だけの演技で、さわやかに、しっかりとすべてを理解して悔いのない人生を生きて行く想いを表現していたし、
どうも、龍馬はいつも、そのそばにいるみたいだし(笑)。最後のお龍さんの表現、ほんとに、よかったですね。
最終回は、龍馬がどうこう・・・というより、無言の軍団、見回り組の回でしたね。
セリフの表現でなく、あり方でみせるから、表現が無限大だったりするわけですよ。
言葉にしてしまうと、表現が狭められてしまうけれど、表情だったり、あり方であれば、視聴者の想いによるから、どれだけだって表現できる。
無言でたっているだけで、立ち上る感情というものが、見えるわけですね。
それだけ、彼らの想いの濃さが見える。そこにカピ様の渾身のセリフ、
「坂本龍馬は我らのすべてを無にしたんだ」
という言葉が映える。そこにすべての想いが集中している。それ以上でも、それ以下でもない。
そのセリフが彼らのあり方について、さらに説得力を加えたわけですねー。
あれこそ、
「ひとつの男のあり方」
です。そして、もちろん、自分の役割をしっかりと見極めその役割を周りを恐れずに果たした龍馬も、
「男」
です。暗殺されるほど、大きなことを成し遂げた・・・暗殺というのは、要は負けた、自分の守っていたものを壊されてしまったから、
その想いをぶつけなければならなかったから・・・ということになるんですね。つまり、それは、先制攻撃を受けて一瞬にして守っていたものを
灰にされたことと一緒なんですよ。そういう意味では、あれは、報復なんですね。建設的でもなく、日本のためでない、彼ら幕府側のサムライの
報復なんです。でも、彼らとしては、やらないでは、おれなかった。
世間からのゆり返しを受けた、ということになりますね。
世間を動かす程大きなことを成し遂げたからこその、世間からのゆり返し・・・それがあの暗殺だったと見るべきでしょうね。
あの藤吉をはじめとした近江屋の人々の夜を恐れる感じが、よかったですね。
龍馬をかくまっているから、夜を恐れて・・・中岡さんは、よかったけど、その次は・・・。藤吉死んじゃったらしいし・・そういうあたり全然やらなかったのが
よかったですね。
音だけ
「どがしゃーん!」
と、させておいて、
「ほたえな」
から、
「龍馬、いかん!」
の中岡さんの声が終わらない内に、すさまじい剣戟の音が先に来る。
映像は、すべてを見せずに手ぶれしているかのよう。時折見える映像に映る、血だらけの龍馬と中岡。
そして、斬撃のすさまじい音ともに、
「もうよい」
と、去っていく男達。カピ様の目が印象的でしたねー。
容赦なく、龍馬を斬ったカピ様達が、あまりにもかっこ良く見えました。僕にはね。
あの、近江屋のひとたちの夜への怯えが表現されていたからこそ、一気にドガシャーンにいく意味があるわけで、
いわゆる
「隠すことによる強調表現」
という奴です。高度な表現ですよね。まあ、日本の演劇表現では、それこそ、
「秘すれば華」
と、世阿弥が書いているくらいですから、伝統的な強調表現なんですよ。
見えさせないから、そこに視聴者側の想いが入って、ストーリーが説得力を生むという高度な形なんです。
だから、あの星野真里ちゃんのようなかわいい女性が、あの黒い男たちに無残に殺されちゃった・・・藤吉も、もちろん、無残に
あのかわいい藤吉が・・・という想いを生んで、
「うわあ、なんてこわいひとたちなんだ・・・」
という感情をつくるから、ドガシャーンに意味ができるわけです。
その上での、瞬殺シーンですから、さらに迫力が倍増するわけです。
作劇として、非常によかったと思いますね。見る側の感情の動きを、ちゃんと計算している。
何がなんでも映像にしてしまう女性大河的な表現とは、ちょっと別のモノですね。
そりゃあ、女性は映像に説得されるから、それは当たり前の手法なんですね。
それに対して男性は、ストーリーに説得される。見えないものに感情を持ち込む生物ですから、まさに、男性向けドラマ手法だったんです。
だから、見回り組も、無口だし、言葉はいらなかったんですねー。まさに「秘すれば華」です。
そして、最終回だからこそ、こういう、表現力が高い、視聴者にいろいろ考えさせる、男性向けドラマ手法をとったんだと思います。
龍馬暗殺の黒幕は特定しない。でも、誰、とでも考えることができる。
それをしたかったから、途中、弥太郎による、龍馬の敵リスト挙げがあったじゃないですか。
カピ様は、
「坂本龍馬は敵が多い」
的なセリフだけでしたから、あえてそれくらいに押しとどめている。まあ、どうとでも考えられるようにしたほうが、
ストーリーとしては、膨らみのあるいいストーリーになりますからね。だからこそ、周りは皆敵にみえるようにする必要があった。
ある意味、あそこで、カピ様に、
「坂本龍馬は敵が多い」
と言わせるために、周到に準備された、とも言えるわけで、まあ、だから、男大河的にセリフを抑え、視聴者側に考える余地を与えたと
言えるんじゃないでしょうかね。まあ、演技力で構成され、視聴者側の気持ちを周到に計算した、そして最後、爽やかに終わった、
非常に考えられた最終回になったと思います。
まあ、とにかく、負け犬サムライ軍団見回り組と、龍馬の物語。それに加わった弥太郎物語。
最終回、ほんとうに、よかった「龍馬伝」でした。
●俺は全力で言ったんだ!周りが黙っていないぞ龍馬!龍馬を殺さんといてくれ!そして俺の龍馬を返してくれー!俺は龍馬を愛していたんだ!それは俺も同じだった!
最後の最後、龍馬に関わった弥太郎ということになりましたね。
弥太郎の目から見た龍馬の姿・・・それが、「龍馬伝」なわけですから、最後知らんさんも出てきて、弥太郎の最後まで見せて、
弥太郎伝も、完成しちゃったわけですけど、最後の死に姿は、いかにも弥太郎的葛藤が出ていて、よかったですね。
っていうか、最後の最後まで笑かしてくれた、弥太郎ということですかね。
弥太郎は、ドラゴン通信の最初の方でも、書きましたが、龍馬が大好きなんですよね。
それでいて、表現としては、ツンデレになる。
確か二人で、いやピエールもいたな、3人で江戸に出るとき、龍馬が嫌いだ嫌いだ、言いながら、別れの時、全力で手を振っていた・・・、
あの時、僕はツンデレ表現だ、と書きましたが、今回も同じ構図。いや最後に、
「俺の龍馬を返してくれ!」
と、ラブを全力で告白していましたからね。
「俺の龍馬」
だったんだーということです。弥太郎の中ではねー。
表現は弥太郎風でしたが、結局、龍馬に
「周りが黙っていないぞ」
と、警告していて、自分の身を守るように話しているし、わざわざ金を返しに行ったのだって、ある意味、龍馬にお金を渡そうとしたことに変わりはないし。
なんだかんだ、嫌いだー嫌いだー、言いながら、そのあり方は、龍馬のためになるようなあり方なんですよね。
そう。見回り組と正反対の立場だってことに気づくわけです。
弥太郎と、カピ様が、同じような要素を持った顔をしながら、対峙する。
おもしろかったですね。
龍馬ラブと龍馬憎しの勢力ですからね。
弥太郎は、
「龍馬を斬らないでくれ!」
と、頼みこみ、カピ様は、無言で引き上げる。
そして、次に会った時には、カピ様達は、血だらけで、そのカピ様達のあり様だけで、すべてを知る弥太郎。
そこがよかった。言葉で何かを説明するとか、映像的に龍馬の死を知らせるのではなく、
雰囲気で知らせたところで、たくさんのことが、伝わってよかったですね。
その時の弥太郎の表情が、泣き崩れていく弥太郎の表情が、深く深く龍馬を愛していたことを物語って・・・非常に心に響きました。
そして、僕も、涙を流しましたねー。
口ではいろいろ言っていながら、こころの中には、龍馬の姿があったのかもしれません。
それは、まるで、弥太郎と同じ(笑)。
48回も、愚痴を言ってきたのは、最後に弥太郎と同じ気持ちになるためだったか、と改めて大河ドラマの奥深さに触れた感じですね。
好きだからこそのツンデレ表現。嫌い嫌いというのは、龍馬に心があることをわからせないための防波堤。
それは、あの江戸ゆきで、途中、龍馬達を助けたあの頃とまったく変わっていなかったんですねー。
そして、弥太郎が泣き崩れた時、はじめて、こころが動きました。
「ああ。もう、龍馬は、死んでしまったのか。この世のものでは、無くなってしまったのか」
と。
あの龍馬が死んだ映像でなく、あの弥太郎の深い嘆きの言葉に、それが説得されたんですね。同じ想いを持つ男の嘆きだからこそ、感情が動いた。
「それでこそ、大河ドラマだ・・・」
僕は、そこで、はじめて、
「ありがとう、龍馬伝」
という想いに至りました。
最後の最後、龍馬に対する感情が動いたのは、弥太郎によってだった。
龍馬と弥太郎をずーーーーーーーっと見てきたかい、が、最後にあったんです。それが証明されたんです。
よかったよ、弥太郎。
最後、弥太郎に与える言葉は、それしかないでしょう。
そして、さようなら、弥太郎。
数分後、全然違う、のぼさんを見て、
「俳優ってすげえな・・・」
と、舌を巻きましたー。
●幕末のチャンバラとは、こういうものさ!これからどうなるかはわからねえ!でもチャンバラだったら最後にやってやる!の近藤さんです!
最終回で、華やかなチャンバラを見せてくれた新選組近藤さんです。まあ、龍馬とだと、主人公補正が出ちゃってどうやっても勝てないんで、
んなら、中岡さんで・・・ということで、中岡さんVS近藤さん、という非常に華のある役者さんによるチャンバラが見れて、非常に満足でしたね。
こう、上川さんって、ものすごく目で芝居するから、非常に演技力が高い・・・というか、その鬼気迫る気迫が非常に伝わる。
「やばい逃げなきゃ」
ってな気持ちもわかるし、男として相手をする決意も伝わってくる。
それは、近藤さんも同じで、このひと、顔の形をちょっと変えたりして、想いを伝えてくるから、こちらも演技力高くて、ビンビンその闘志が伝わるんですね。
そういうメッセージの出し合い、演技のやりあいが、非常に高度で、見ていて思い切り堪能したチャンバラになりました。
あの噛んじゃうあたりとか、
「痛い」
と思わず声に出す中岡さんあたりの芝居は、非常に引き込まれましたねー。
そして、
「もう、こんなものが役にたたない世がそこまできているんだ!」
と、刀を投げ捨ててましたが、
「それじゃ斬られちゃうじゃん」
と思っちゃいました。まあ、相手の気迫に負けた近藤というあたりなんでしょうけどね。
前回、勝に言い負かされて無言で、消えていった近藤でしたが、最後に、舞台を与えてくれてありがたかったです。そして、
「今後については、よくわからん」
と、あの龍馬伝の近藤らしい鷹揚さが見えて、とても満足でした。
この近藤さんと新選組で、外伝やってくれたらなあ、スピンオフお願いしたいなあ、とまで、思いますよ。
最後の殺陣、ものすごく、最終回が、引き締まったと思います。
ほんと、よかったよ、近藤さん!
●演技力だったら、誰にも負けん!思ったことがつい顔に出ちゃう!その真面目さが売り!「いかん龍馬!」が重かった!中岡さんです!
とにかく、大河の主役さえ、経験している中岡さんですから、その演技力の高さは折り紙つき、というか、ものすごくメッセージ性の高い演技をしますね、このひとは。
「お前、坂本龍馬と一緒にいた奴だろ」
と近藤さんに言われるわけですけど、そりゃそーですよ。
龍馬が陽之助と一緒に新選組に囲まれて困っていたところに、正義の味方的に、
「わしは、こーゆーの大好きなんじゃ!」
と言って現れてあまつさえ、新選組をまいちゃうわけですからねー。
藤吉もあん時初登場だったもんね。
まあ、そういう過去があるわけですから、そりゃ、近藤さんも顔を覚えてますよ。
まあ、その殺陣も素晴らしかったですが、やはり、このひとは、表情に気持ちをみなぎらせるところが、すごいですね。
あの、薩摩藩邸で決断したあたりの表情や、近江屋2階に来て、龍馬を見つめる表情なんて、
「こいつ、やる気だ」
って、わかっちゃう。まあ、龍馬にも、
「殺すのは、それを読んでからでもいいだろう」
というセリフがあったぐらいですから、まあ、わかりやすく顔に出ちゃう質なんですね。悪く言えば、ですけどね。
とにかく目だけでなく、全体の演技力が秀逸で、メッセージがバンバン伝わりますから、見ていて、ガンガン説得される。
ほんと、このひとは、渾身の役者です。
まあ、外で新選組と戦ってきたばっかりですからね。見回り組の襲撃にいち早く気づき、
「いかん、龍馬!」
と言ったセリフが重い。もっとも、そのあたりでは、もう、どうなるか、予測しているわけですけど、
そこからは、もう、音、音、音。
ザク、グフ、ドム的な音の嵐で、
「あー、これは、ひどいやられかただ・・・」
と、まず音で感じさせたのが、よかったですね。
中岡さん、死に方もうまいですからね。
いやあ、蛮幽鬼見ておいてよかった・・・上川さんの演技力の高さ、改めて理解することになった「龍馬伝」でした。
●もう、思い残すことは何も無い!私は自由に生きていける!なぜなら、龍馬さんがいつもそばにいるから!そんなことを思わしてくれた自由な表情のお龍さんでした!
最後、海を見つめ、「うーみ」とほほえみ、遠くへ向けて歩いていったお龍さんでした。
龍馬の死を知って、暴れなかった・・というか、絶対どっかで暴れてるぜ(笑)。
あのシーンは、すべてが終わって、土佐に来て、龍馬の家族にも会って・・・その後ですね。
表情だけで、その最後を演じきりましたねー。
あーいうのが、いろいろ伝わるんですよー。
お龍の万感の思いが、伝わりましたねー。
そして、最後、さわやかな表情もしていた。すべては、龍馬に、出会うことができたから・・・それに、お龍さんのいくところ、どこにでも龍馬はついてくる、
そんな表現で終わっていました。シュールな龍馬表現もよかったと思います。
最後、さわやかに、無言。
これが、お龍に、よく似あっていました。
素晴らしい最後になったと思います。
●男達の思いは、重い!強い思いがあるから、無口!言葉など必要ない、表情だけで十分伝わる!サムライとは、こうあるものさ!全力でそれを表現したカピ様&見回り組でした!
男たちの想い。
これを最後に表現した、カピ様&見回り組になりました。
彼らも、渾身の想いを持っているんですね。
そういう強い想いを心の内に秘め、無言で、仕事をしている。
その重い想いが、彼らの無言の表情で、伝わってきました。
そして、その無口さが、強烈な想いであることを示唆していましたねー。
そういう中に、
「坂本龍馬は我らのすべてを無にしたんだ」
というセリフがある。そういう背景にこういうシンプルなセリフがあるから、力を宿すわけですよ。
そこが、強烈なメッセージとして、カピ様の演技力も相まって、こちらに強く伝わりましたねー。
ずーっと抑えた演技でしたから、ほんと、強く強く、伝わりました。
だから、最後、龍馬暗殺のシーンで、惨殺な感じの音やシーンがあっても、説得されたわけでね。
そして、血刀をさげた、返り血をあびたカピ様のビジュアルに、説得されるわけでね。
だから、弥太郎が泣くわけですよ。龍馬を返せーって、そのあたり、メッセージが思い切り伝わりました。
自分たちの想いを成し遂げた人間の放心。
そんなのが、あの返り血のカピ様で表現されていましたねー。
幕末、命をかけて、オトコたちが葛藤していた。
その一シーンを切り取ったかのような、今回のカピ様&見回り組になったと思います。すごくよかった。
それだけは、言えますね!
今週の愚痴
さて、とにかく、最後の最後、龍馬伝の中でも、本当に最も傑作だった回になった、最終回だったと思います。
土佐勤王党のシーンの中でも未だに大好きな、皆での演武のシーン。
あれが、以蔵や、武市さんで、再現されていたわけですかあ、そりゃもう・・・ってうれしくなっちゃいました。
「龍馬よくやったなあ。あともう少しじゃ」
と皆から言われる、というシーンは、本当に最終回の最後にあるかな、って思っていたんで、それを導入部に使うとは、
つかみはオッケーな感じでしたねー。最後に武市さんに会えて、ほんとうに、よかった。洋ちゃんもいたしね。
しかし、やっぱり、春嶽公のところへ行ったかーって感じですね。まあ、あの場合、もう、あのひとくらいしか会ってくれそうな
ひといないもんね。そして、弥太郎の上京・・・って、そういえば、後藤様も、容堂公も出なかったねー。
いやあ、最後、何もなかったとは・・・前回で、終りだったんだねー。もう少し見たかったなあ、このひとたちは・・・。
そして、またしてもキーになったのか?弥太郎から、龍馬の情報が漏れるかと思ったら、全然違いましたね。
これは、中岡さんから、と見た方が自然。まあ、その前に、弥太郎とカピ様の一悶着なわけですけど、
このあたり、見回り組の不気味さが全面に出ていてよかったですね。ほとんどしゃべらない。無口。
それでいて、面魂が多くを語っている。
まあ、本来、見回り組は、武家の次男三男といったあたりで、あまり使い物にならなかったみたいですけど、
ここの見回り組は、ちょっとそういう系とは、違う感じで、迫力あって笑いました。以前出ていた見回り組より
さらにパワーアップしていた感じで、そのどす黒さがよかったですね。
そして、一瞬にしての突撃、斬撃、激しい斬撃音、映像で断片的にしかみせない、見せないことによる雰囲気強調効果。
時折見える血だらけの龍馬、中岡。そして、さらなる斬撃音。
「もういい」
と、消える見回り組と、目でモノを語る今井。
このあたりの瞬間的な暗殺シーン、ものすごくよかったですね。中岡との話し合いが、殺すか殺されるかの緊張から入って、
どうやら、和解に入り、
「わしは泳げんがじゃ」
という中岡の秘密バラシにまで、言って笑いが・・・というところへの斬撃ですからねー。
緩急自在というか、すばらしいの一言でした。
その前後に、弥太郎が重要な役目をしているんですね。
「龍馬を殺さんといてくれ」
と今井に頼んでいる。そして、血をしたたらせた今井を見て、
「俺の龍馬を返してくれ」
と、泣く。
龍馬の死を、弥太郎の言葉によって、表現しているんですね。映像でなく。弥太郎の言葉で。
それが、非常な説得力を生みましたねー。
あの時に、僕も、
「ああ、龍馬、死んじゃったのねー」
と、思いましたしねー。
そして、僕も弥太郎と同じ胸中だったんだ、と初めて知りました。嫌いだ嫌いだと言いながら、龍馬を愛していた弥太郎。
愚痴を毎週言いながら、「龍馬伝」を愛していた自分。
「同じだったか、弥太郎」
そう思いながら、龍馬伝の最終回を堪能しました。
最後、お龍さんのシーン、さわやかで、よかったですね。
涙も見せず、「うーみ」と笑顔になって、歩いて去っていくお龍。それを半分不安気に半分うれしそうに、見送る龍馬の兄と姉。
哀しみが見えなかったのが、よかった。そこへ、シュールに龍馬もいたしね(笑)。
いい、最終回になったと思います。
最終回は、まごうことなく、言葉でなく、演技で行動で見せた男性大河になっていました。
こういう大河ドラマが見たかった。
最後にそういって、このドラゴン通信も終りにしましょう。
長い間、見て頂いてありがとうございました。
このドラゴン通信がきっかけで、いろいろなことがありましたが、すべて見て頂いたみなさんのおかげです。
いい経験になりました。いい勉強をさせてもらいました。炎上もしたし、温かい言葉をいただくこともありました。
本当にありがとうございました。
大河ドラマって、ほんとうに、いい人生のための、アイテムのひとつですね。
それを実感して、最後のドラゴン通信を締めたいと、思います。
みなさん、ほんとうに、ありがとうございました。
今週の評価ポイント
全部!全部!全部!
「「男性大河ファン」の直感的で素直な感想」
今週の一言:大河ドラマって、ほんとうに、いい人生のための、アイテムのひとつですね。!
●最終回は、男性大河的ドラマ表現だった!ドガシャーンに意味がある!「秘すれば華!」の日本的伝統表現!さらば龍馬、ありがとう龍馬伝!
「よかった」
最終回の「龍馬伝」には、この言葉を送りましょう。
暴れるかと思ったお龍さんは、表情だけの演技で、さわやかに、しっかりとすべてを理解して悔いのない人生を生きて行く想いを表現していたし、
どうも、龍馬はいつも、そのそばにいるみたいだし(笑)。最後のお龍さんの表現、ほんとに、よかったですね。
最終回は、龍馬がどうこう・・・というより、無言の軍団、見回り組の回でしたね。
セリフの表現でなく、あり方でみせるから、表現が無限大だったりするわけですよ。
言葉にしてしまうと、表現が狭められてしまうけれど、表情だったり、あり方であれば、視聴者の想いによるから、どれだけだって表現できる。
無言でたっているだけで、立ち上る感情というものが、見えるわけですね。
それだけ、彼らの想いの濃さが見える。そこにカピ様の渾身のセリフ、
「坂本龍馬は我らのすべてを無にしたんだ」
という言葉が映える。そこにすべての想いが集中している。それ以上でも、それ以下でもない。
そのセリフが彼らのあり方について、さらに説得力を加えたわけですねー。
あれこそ、
「ひとつの男のあり方」
です。そして、もちろん、自分の役割をしっかりと見極めその役割を周りを恐れずに果たした龍馬も、
「男」
です。暗殺されるほど、大きなことを成し遂げた・・・暗殺というのは、要は負けた、自分の守っていたものを壊されてしまったから、
その想いをぶつけなければならなかったから・・・ということになるんですね。つまり、それは、先制攻撃を受けて一瞬にして守っていたものを
灰にされたことと一緒なんですよ。そういう意味では、あれは、報復なんですね。建設的でもなく、日本のためでない、彼ら幕府側のサムライの
報復なんです。でも、彼らとしては、やらないでは、おれなかった。
世間からのゆり返しを受けた、ということになりますね。
世間を動かす程大きなことを成し遂げたからこその、世間からのゆり返し・・・それがあの暗殺だったと見るべきでしょうね。
あの藤吉をはじめとした近江屋の人々の夜を恐れる感じが、よかったですね。
龍馬をかくまっているから、夜を恐れて・・・中岡さんは、よかったけど、その次は・・・。藤吉死んじゃったらしいし・・そういうあたり全然やらなかったのが
よかったですね。
音だけ
「どがしゃーん!」
と、させておいて、
「ほたえな」
から、
「龍馬、いかん!」
の中岡さんの声が終わらない内に、すさまじい剣戟の音が先に来る。
映像は、すべてを見せずに手ぶれしているかのよう。時折見える映像に映る、血だらけの龍馬と中岡。
そして、斬撃のすさまじい音ともに、
「もうよい」
と、去っていく男達。カピ様の目が印象的でしたねー。
容赦なく、龍馬を斬ったカピ様達が、あまりにもかっこ良く見えました。僕にはね。
あの、近江屋のひとたちの夜への怯えが表現されていたからこそ、一気にドガシャーンにいく意味があるわけで、
いわゆる
「隠すことによる強調表現」
という奴です。高度な表現ですよね。まあ、日本の演劇表現では、それこそ、
「秘すれば華」
と、世阿弥が書いているくらいですから、伝統的な強調表現なんですよ。
見えさせないから、そこに視聴者側の想いが入って、ストーリーが説得力を生むという高度な形なんです。
だから、あの星野真里ちゃんのようなかわいい女性が、あの黒い男たちに無残に殺されちゃった・・・藤吉も、もちろん、無残に
あのかわいい藤吉が・・・という想いを生んで、
「うわあ、なんてこわいひとたちなんだ・・・」
という感情をつくるから、ドガシャーンに意味ができるわけです。
その上での、瞬殺シーンですから、さらに迫力が倍増するわけです。
作劇として、非常によかったと思いますね。見る側の感情の動きを、ちゃんと計算している。
何がなんでも映像にしてしまう女性大河的な表現とは、ちょっと別のモノですね。
そりゃあ、女性は映像に説得されるから、それは当たり前の手法なんですね。
それに対して男性は、ストーリーに説得される。見えないものに感情を持ち込む生物ですから、まさに、男性向けドラマ手法だったんです。
だから、見回り組も、無口だし、言葉はいらなかったんですねー。まさに「秘すれば華」です。
そして、最終回だからこそ、こういう、表現力が高い、視聴者にいろいろ考えさせる、男性向けドラマ手法をとったんだと思います。
龍馬暗殺の黒幕は特定しない。でも、誰、とでも考えることができる。
それをしたかったから、途中、弥太郎による、龍馬の敵リスト挙げがあったじゃないですか。
カピ様は、
「坂本龍馬は敵が多い」
的なセリフだけでしたから、あえてそれくらいに押しとどめている。まあ、どうとでも考えられるようにしたほうが、
ストーリーとしては、膨らみのあるいいストーリーになりますからね。だからこそ、周りは皆敵にみえるようにする必要があった。
ある意味、あそこで、カピ様に、
「坂本龍馬は敵が多い」
と言わせるために、周到に準備された、とも言えるわけで、まあ、だから、男大河的にセリフを抑え、視聴者側に考える余地を与えたと
言えるんじゃないでしょうかね。まあ、演技力で構成され、視聴者側の気持ちを周到に計算した、そして最後、爽やかに終わった、
非常に考えられた最終回になったと思います。
まあ、とにかく、負け犬サムライ軍団見回り組と、龍馬の物語。それに加わった弥太郎物語。
最終回、ほんとうに、よかった「龍馬伝」でした。
●俺は全力で言ったんだ!周りが黙っていないぞ龍馬!龍馬を殺さんといてくれ!そして俺の龍馬を返してくれー!俺は龍馬を愛していたんだ!それは俺も同じだった!
最後の最後、龍馬に関わった弥太郎ということになりましたね。
弥太郎の目から見た龍馬の姿・・・それが、「龍馬伝」なわけですから、最後知らんさんも出てきて、弥太郎の最後まで見せて、
弥太郎伝も、完成しちゃったわけですけど、最後の死に姿は、いかにも弥太郎的葛藤が出ていて、よかったですね。
っていうか、最後の最後まで笑かしてくれた、弥太郎ということですかね。
弥太郎は、ドラゴン通信の最初の方でも、書きましたが、龍馬が大好きなんですよね。
それでいて、表現としては、ツンデレになる。
確か二人で、いやピエールもいたな、3人で江戸に出るとき、龍馬が嫌いだ嫌いだ、言いながら、別れの時、全力で手を振っていた・・・、
あの時、僕はツンデレ表現だ、と書きましたが、今回も同じ構図。いや最後に、
「俺の龍馬を返してくれ!」
と、ラブを全力で告白していましたからね。
「俺の龍馬」
だったんだーということです。弥太郎の中ではねー。
表現は弥太郎風でしたが、結局、龍馬に
「周りが黙っていないぞ」
と、警告していて、自分の身を守るように話しているし、わざわざ金を返しに行ったのだって、ある意味、龍馬にお金を渡そうとしたことに変わりはないし。
なんだかんだ、嫌いだー嫌いだー、言いながら、そのあり方は、龍馬のためになるようなあり方なんですよね。
そう。見回り組と正反対の立場だってことに気づくわけです。
弥太郎と、カピ様が、同じような要素を持った顔をしながら、対峙する。
おもしろかったですね。
龍馬ラブと龍馬憎しの勢力ですからね。
弥太郎は、
「龍馬を斬らないでくれ!」
と、頼みこみ、カピ様は、無言で引き上げる。
そして、次に会った時には、カピ様達は、血だらけで、そのカピ様達のあり様だけで、すべてを知る弥太郎。
そこがよかった。言葉で何かを説明するとか、映像的に龍馬の死を知らせるのではなく、
雰囲気で知らせたところで、たくさんのことが、伝わってよかったですね。
その時の弥太郎の表情が、泣き崩れていく弥太郎の表情が、深く深く龍馬を愛していたことを物語って・・・非常に心に響きました。
そして、僕も、涙を流しましたねー。
口ではいろいろ言っていながら、こころの中には、龍馬の姿があったのかもしれません。
それは、まるで、弥太郎と同じ(笑)。
48回も、愚痴を言ってきたのは、最後に弥太郎と同じ気持ちになるためだったか、と改めて大河ドラマの奥深さに触れた感じですね。
好きだからこそのツンデレ表現。嫌い嫌いというのは、龍馬に心があることをわからせないための防波堤。
それは、あの江戸ゆきで、途中、龍馬達を助けたあの頃とまったく変わっていなかったんですねー。
そして、弥太郎が泣き崩れた時、はじめて、こころが動きました。
「ああ。もう、龍馬は、死んでしまったのか。この世のものでは、無くなってしまったのか」
と。
あの龍馬が死んだ映像でなく、あの弥太郎の深い嘆きの言葉に、それが説得されたんですね。同じ想いを持つ男の嘆きだからこそ、感情が動いた。
「それでこそ、大河ドラマだ・・・」
僕は、そこで、はじめて、
「ありがとう、龍馬伝」
という想いに至りました。
最後の最後、龍馬に対する感情が動いたのは、弥太郎によってだった。
龍馬と弥太郎をずーーーーーーーっと見てきたかい、が、最後にあったんです。それが証明されたんです。
よかったよ、弥太郎。
最後、弥太郎に与える言葉は、それしかないでしょう。
そして、さようなら、弥太郎。
数分後、全然違う、のぼさんを見て、
「俳優ってすげえな・・・」
と、舌を巻きましたー。
●幕末のチャンバラとは、こういうものさ!これからどうなるかはわからねえ!でもチャンバラだったら最後にやってやる!の近藤さんです!
最終回で、華やかなチャンバラを見せてくれた新選組近藤さんです。まあ、龍馬とだと、主人公補正が出ちゃってどうやっても勝てないんで、
んなら、中岡さんで・・・ということで、中岡さんVS近藤さん、という非常に華のある役者さんによるチャンバラが見れて、非常に満足でしたね。
こう、上川さんって、ものすごく目で芝居するから、非常に演技力が高い・・・というか、その鬼気迫る気迫が非常に伝わる。
「やばい逃げなきゃ」
ってな気持ちもわかるし、男として相手をする決意も伝わってくる。
それは、近藤さんも同じで、このひと、顔の形をちょっと変えたりして、想いを伝えてくるから、こちらも演技力高くて、ビンビンその闘志が伝わるんですね。
そういうメッセージの出し合い、演技のやりあいが、非常に高度で、見ていて思い切り堪能したチャンバラになりました。
あの噛んじゃうあたりとか、
「痛い」
と思わず声に出す中岡さんあたりの芝居は、非常に引き込まれましたねー。
そして、
「もう、こんなものが役にたたない世がそこまできているんだ!」
と、刀を投げ捨ててましたが、
「それじゃ斬られちゃうじゃん」
と思っちゃいました。まあ、相手の気迫に負けた近藤というあたりなんでしょうけどね。
前回、勝に言い負かされて無言で、消えていった近藤でしたが、最後に、舞台を与えてくれてありがたかったです。そして、
「今後については、よくわからん」
と、あの龍馬伝の近藤らしい鷹揚さが見えて、とても満足でした。
この近藤さんと新選組で、外伝やってくれたらなあ、スピンオフお願いしたいなあ、とまで、思いますよ。
最後の殺陣、ものすごく、最終回が、引き締まったと思います。
ほんと、よかったよ、近藤さん!
●演技力だったら、誰にも負けん!思ったことがつい顔に出ちゃう!その真面目さが売り!「いかん龍馬!」が重かった!中岡さんです!
とにかく、大河の主役さえ、経験している中岡さんですから、その演技力の高さは折り紙つき、というか、ものすごくメッセージ性の高い演技をしますね、このひとは。
「お前、坂本龍馬と一緒にいた奴だろ」
と近藤さんに言われるわけですけど、そりゃそーですよ。
龍馬が陽之助と一緒に新選組に囲まれて困っていたところに、正義の味方的に、
「わしは、こーゆーの大好きなんじゃ!」
と言って現れてあまつさえ、新選組をまいちゃうわけですからねー。
藤吉もあん時初登場だったもんね。
まあ、そういう過去があるわけですから、そりゃ、近藤さんも顔を覚えてますよ。
まあ、その殺陣も素晴らしかったですが、やはり、このひとは、表情に気持ちをみなぎらせるところが、すごいですね。
あの、薩摩藩邸で決断したあたりの表情や、近江屋2階に来て、龍馬を見つめる表情なんて、
「こいつ、やる気だ」
って、わかっちゃう。まあ、龍馬にも、
「殺すのは、それを読んでからでもいいだろう」
というセリフがあったぐらいですから、まあ、わかりやすく顔に出ちゃう質なんですね。悪く言えば、ですけどね。
とにかく目だけでなく、全体の演技力が秀逸で、メッセージがバンバン伝わりますから、見ていて、ガンガン説得される。
ほんと、このひとは、渾身の役者です。
まあ、外で新選組と戦ってきたばっかりですからね。見回り組の襲撃にいち早く気づき、
「いかん、龍馬!」
と言ったセリフが重い。もっとも、そのあたりでは、もう、どうなるか、予測しているわけですけど、
そこからは、もう、音、音、音。
ザク、グフ、ドム的な音の嵐で、
「あー、これは、ひどいやられかただ・・・」
と、まず音で感じさせたのが、よかったですね。
中岡さん、死に方もうまいですからね。
いやあ、蛮幽鬼見ておいてよかった・・・上川さんの演技力の高さ、改めて理解することになった「龍馬伝」でした。
●もう、思い残すことは何も無い!私は自由に生きていける!なぜなら、龍馬さんがいつもそばにいるから!そんなことを思わしてくれた自由な表情のお龍さんでした!
最後、海を見つめ、「うーみ」とほほえみ、遠くへ向けて歩いていったお龍さんでした。
龍馬の死を知って、暴れなかった・・というか、絶対どっかで暴れてるぜ(笑)。
あのシーンは、すべてが終わって、土佐に来て、龍馬の家族にも会って・・・その後ですね。
表情だけで、その最後を演じきりましたねー。
あーいうのが、いろいろ伝わるんですよー。
お龍の万感の思いが、伝わりましたねー。
そして、最後、さわやかな表情もしていた。すべては、龍馬に、出会うことができたから・・・それに、お龍さんのいくところ、どこにでも龍馬はついてくる、
そんな表現で終わっていました。シュールな龍馬表現もよかったと思います。
最後、さわやかに、無言。
これが、お龍に、よく似あっていました。
素晴らしい最後になったと思います。
●男達の思いは、重い!強い思いがあるから、無口!言葉など必要ない、表情だけで十分伝わる!サムライとは、こうあるものさ!全力でそれを表現したカピ様&見回り組でした!
男たちの想い。
これを最後に表現した、カピ様&見回り組になりました。
彼らも、渾身の想いを持っているんですね。
そういう強い想いを心の内に秘め、無言で、仕事をしている。
その重い想いが、彼らの無言の表情で、伝わってきました。
そして、その無口さが、強烈な想いであることを示唆していましたねー。
そういう中に、
「坂本龍馬は我らのすべてを無にしたんだ」
というセリフがある。そういう背景にこういうシンプルなセリフがあるから、力を宿すわけですよ。
そこが、強烈なメッセージとして、カピ様の演技力も相まって、こちらに強く伝わりましたねー。
ずーっと抑えた演技でしたから、ほんと、強く強く、伝わりました。
だから、最後、龍馬暗殺のシーンで、惨殺な感じの音やシーンがあっても、説得されたわけでね。
そして、血刀をさげた、返り血をあびたカピ様のビジュアルに、説得されるわけでね。
だから、弥太郎が泣くわけですよ。龍馬を返せーって、そのあたり、メッセージが思い切り伝わりました。
自分たちの想いを成し遂げた人間の放心。
そんなのが、あの返り血のカピ様で表現されていましたねー。
幕末、命をかけて、オトコたちが葛藤していた。
その一シーンを切り取ったかのような、今回のカピ様&見回り組になったと思います。すごくよかった。
それだけは、言えますね!
今週の愚痴
さて、とにかく、最後の最後、龍馬伝の中でも、本当に最も傑作だった回になった、最終回だったと思います。
土佐勤王党のシーンの中でも未だに大好きな、皆での演武のシーン。
あれが、以蔵や、武市さんで、再現されていたわけですかあ、そりゃもう・・・ってうれしくなっちゃいました。
「龍馬よくやったなあ。あともう少しじゃ」
と皆から言われる、というシーンは、本当に最終回の最後にあるかな、って思っていたんで、それを導入部に使うとは、
つかみはオッケーな感じでしたねー。最後に武市さんに会えて、ほんとうに、よかった。洋ちゃんもいたしね。
しかし、やっぱり、春嶽公のところへ行ったかーって感じですね。まあ、あの場合、もう、あのひとくらいしか会ってくれそうな
ひといないもんね。そして、弥太郎の上京・・・って、そういえば、後藤様も、容堂公も出なかったねー。
いやあ、最後、何もなかったとは・・・前回で、終りだったんだねー。もう少し見たかったなあ、このひとたちは・・・。
そして、またしてもキーになったのか?弥太郎から、龍馬の情報が漏れるかと思ったら、全然違いましたね。
これは、中岡さんから、と見た方が自然。まあ、その前に、弥太郎とカピ様の一悶着なわけですけど、
このあたり、見回り組の不気味さが全面に出ていてよかったですね。ほとんどしゃべらない。無口。
それでいて、面魂が多くを語っている。
まあ、本来、見回り組は、武家の次男三男といったあたりで、あまり使い物にならなかったみたいですけど、
ここの見回り組は、ちょっとそういう系とは、違う感じで、迫力あって笑いました。以前出ていた見回り組より
さらにパワーアップしていた感じで、そのどす黒さがよかったですね。
そして、一瞬にしての突撃、斬撃、激しい斬撃音、映像で断片的にしかみせない、見せないことによる雰囲気強調効果。
時折見える血だらけの龍馬、中岡。そして、さらなる斬撃音。
「もういい」
と、消える見回り組と、目でモノを語る今井。
このあたりの瞬間的な暗殺シーン、ものすごくよかったですね。中岡との話し合いが、殺すか殺されるかの緊張から入って、
どうやら、和解に入り、
「わしは泳げんがじゃ」
という中岡の秘密バラシにまで、言って笑いが・・・というところへの斬撃ですからねー。
緩急自在というか、すばらしいの一言でした。
その前後に、弥太郎が重要な役目をしているんですね。
「龍馬を殺さんといてくれ」
と今井に頼んでいる。そして、血をしたたらせた今井を見て、
「俺の龍馬を返してくれ」
と、泣く。
龍馬の死を、弥太郎の言葉によって、表現しているんですね。映像でなく。弥太郎の言葉で。
それが、非常な説得力を生みましたねー。
あの時に、僕も、
「ああ、龍馬、死んじゃったのねー」
と、思いましたしねー。
そして、僕も弥太郎と同じ胸中だったんだ、と初めて知りました。嫌いだ嫌いだと言いながら、龍馬を愛していた弥太郎。
愚痴を毎週言いながら、「龍馬伝」を愛していた自分。
「同じだったか、弥太郎」
そう思いながら、龍馬伝の最終回を堪能しました。
最後、お龍さんのシーン、さわやかで、よかったですね。
涙も見せず、「うーみ」と笑顔になって、歩いて去っていくお龍。それを半分不安気に半分うれしそうに、見送る龍馬の兄と姉。
哀しみが見えなかったのが、よかった。そこへ、シュールに龍馬もいたしね(笑)。
いい、最終回になったと思います。
最終回は、まごうことなく、言葉でなく、演技で行動で見せた男性大河になっていました。
こういう大河ドラマが見たかった。
最後にそういって、このドラゴン通信も終りにしましょう。
長い間、見て頂いてありがとうございました。
このドラゴン通信がきっかけで、いろいろなことがありましたが、すべて見て頂いたみなさんのおかげです。
いい経験になりました。いい勉強をさせてもらいました。炎上もしたし、温かい言葉をいただくこともありました。
本当にありがとうございました。
大河ドラマって、ほんとうに、いい人生のための、アイテムのひとつですね。
それを実感して、最後のドラゴン通信を締めたいと、思います。
みなさん、ほんとうに、ありがとうございました。
今週の評価ポイント
全部!全部!全部!