私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男

2024-02-25 17:54:44 | 映画鑑賞

1963年8月28日、20万人以上が参加するも一人の逮捕者も出さず、マーティン・ルーサー・キングが「I Have a Dream」という演説を行い、アメリカにおける公民権運動の象徴となったワシントン大行進の実現に尽力したバイヤード・ラスティン。

アフリカ系市民を中心に人種差別の撤廃を求め、「自由と仕事を」というシンプルなテーマを掲げ平和的なアピールを目指す。黒人の各種団体も求めるものは一緒でも、そこに至るまでの理念や手法が必ずしも一致するわけではない。準備期間が少ないなかでトラブルを最小限に抑え10万人という参加者を集める事で最大限のアピールを目指す。寄付集めから移動手段、宿泊手段の調整。銃を使用せずに平和的な警備を目指す為の訓練。調整する事は山ほどある。出されたアイデアを精査し、実行に移し、トラブルがあればそれを潰して前に進む。

乗り越えなければならない差別が一つではない事が映画の中で描かれる。登壇者に女性が居ない事への疑問と不満。そして同性愛者であることを隠していなかったバイヤードに対する「イベントを推進する資格があるのか?」という心無い誹謗中傷。差別そのものに解消すべき優先順位のような物が生まれているのだ。

バイヤード達も自らの事をニグロと称していた時代から60年が過ぎた今、この映画を観て、差別についてどのように行動すればいいのか考える。差別に対する認識は大きく変わってきているとは思うが、差別そのものが細分化し複雑化しているようにも思えるのだ。



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