ただの現金輸送専門会社とは思えない厳しい入社試験を課す警備会社の門をたたく一人の男。合格点ギリギリの点数で社員になり、Hと呼ばれ、キャッシュトラックに乗り込む事になったその男は、トラブル回避に途轍もないスキルを見せる。
警備会社の強者の集まりの中でも、佇まいだけで只者ではないことを見せるHを演じるのはジェイソン・ステイサム。
目立たないように入社しておきながら、その実力を隠すわけでもない。
そしてHの入社前に起こった大きな事故の事が、社内で何度も語られるのは何故なのか。
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現金を持っている事を皆に宣伝するような現金輸送専門会社の仕事。狩り場に放たれる獲物のように四方八方から狙われる仕事に就き、兵士、戦士という言葉でお互いを呼び合うような職場だ。過去の事件と現在の事件が交差し、その職場が戦場になるのは当然の成り行きだ。Hの目的がなんなのかは、WRATH OF MANという原題が教えてくれる。
誰が敵で誰が味方なのか。誰が裏切るのか。そしてどうやって逃げ切るのか・・・そして警察はスワットチームはどうやって動く・・・銃弾が飛び交い混乱する中、なかなか新鮮な手法ででスッキリと話がまとめられて描かれる。それでも最後に残るのは何とも言えない切なさのみだ。。。。
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とにかく寡黙だったフランス映画@ブルー・レクイエムが、ジェイソン・ステイサムとガイ・リッチーによって、雰囲気の違ったフィルム・ノワールに仕上がっている。 ジェフリー・ドノヴァン、スコット・イーストウッドそしてポスト・マローンまで・・・ノワール映画好きにはそのちょっと違った雰囲気を体感出来るのも楽しい。ジョシュ・ハートネットも出演しているのだが、その存在のあまりの軽さにちょっと驚く。