私の映画玉手箱(番外編)なんということは無い日常日記

なんということは無い日常の備忘録とあわせ、好きな映画、韓国ドラマ、そして
ソン・スンホンの事等を暢気に書いていく予定。

国家の品格

2006-04-06 21:23:18 | たまに読んだ本
本文にではなく、はじめにの中にこんな一文がある。

「現在進行中のグローバル化とは、世界を均質するものです。日本人はこの世界の趨勢に敢然と闘いを挑むべきと思います。普通の国となってはいけないのです。欧米支配下の野卑な世界にあって、「孤高の日本」でなければいけません。「孤高の日本」を取り戻し、世界に範をたれることこそが・・・・・」

グローバル化に敢然と闘いを挑むのはいいが、何故孤高でなくてはならず、何故普通の国であってはならず、何故世界に範をたれなくては行けないのか?そんなにオレ様な国でなくてはならないのか?

結局、作者がどんなオレ様の国を目指しているのかを確認するためだけにこの本を読むことになってしまった。

*******
正直なところ「各論賛成総論反対」としか思えなかった。

論理では説明出来ないことが沢山ある。(問答無用。悪いことは悪いのだ)
長い論理は危うい。(間違ったものが、何乗もされるととんでもないことになる)
自由と平等という概念の危うさ(自由と平等は両立しない)
愛国心ではなく祖国愛を(自分が生まれた国の文化、伝統、情緒、自然を愛することは大事だ)

こういうことには本当に頷くことが多い。その通りだと思う。
法律に違反していないことは何でもやっていいのか?許されるのか?と問う件は私もおおいに頷くところだ。

しかしそんな各論の行き着き先が、「ここ四世紀間ほど世界を支配した欧米の教義は、ようやく破綻を見せ始めました。世界は途方に暮れています。この世界を本格的に救えるのは、日本人しかいないと私は思うのです。」

こんなまとめでいいのだろうか?
武士道を書いた新渡戸稲造が欧米人から尊敬されたのは、違う常識を持つ国に対してもキチンと尊敬の念を持って接したからではないのか?

著者のいうところの祖国愛という言葉の裏に「オレ様」が見えるような気がしてならない。
更に武士道についてなにも知らない私は@武士道イコール問答無用と覚えてしまったが、それでよかったのか?武士道については新渡戸稲造の@武士道を読んで勉強したほうがいいかもしれない。

今朝の日経新聞に大きな広告が掲載されていたが、時間のない人は広告を読むだけでも十分なような気がする。

国家の品格

新潮社

このアイテムの詳細を見る


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
帯の宣伝文句 (ゆうこ)
2006-04-07 14:22:03
ゆみこさん今晩は。

以前のスレッドで目にした時「画期的日本論!」に惹かれ、買ってみようかなぁ~、でも読む本たまってるし、どうしようかと思っている所でした。 

端的で分かり易い感想どうもありがとうございました。

この手の本、鉛筆片手に、頷ける所にアンダーラインを引いたり、突っ込みを書いたりしながら読むのが好きなんですが、こちらの本はゆみこさんの感想を見る限り、最後まで読まないで終わってしまう類いだったと思われます。

です。
返信する
立ち読みでも (ゆみこ)
2006-04-07 22:47:16
この本は@講演の話をまとめたもののようで、非常に読みやすいものです。

ちょっと気合を入れれば、立ち読みや拾い読みでもいけるのではないかなと思っていますので、もしちょっとでも時間があったら、是非。アンダーラインはちょっと?ですが、突っ込みを入れる箇所は満載かと思います(笑)
返信する

コメントを投稿