
東北新幹線・はやぶさ60号に爆発物が仕掛けられ、犯人からの要求は1000億円。更に列車が時速100キロ以下になると爆弾が爆発する事が分かる。停まる事もかなわずに走り続けるはやぶさ60号と、対策を講じる事になる新幹線総合指令所。
1000億円というあり得ない要求額からも、犯人の目的が金ではない事がはっきり分かる。愉快犯なら苦労して爆弾を設置するわけなどない。苦労して爆弾を設置しておきながら、何が目的なのかさっぱり分からない犯罪の恐ろしさ。目的が分かれば、それに対処する事は可能なのに、目的が何か分からないまま、ただただ走り続けなければならないのだ。
犯罪を起こす意図がはっきりしないため、犯人の姿はそこには見えない。走り続ける新幹線の中で見えるのは草彅剛演じる車掌やのんが演じる運転士の「お客様を安全に目的地まで送り届ける」という仕事に対する思いだし、救出作戦を考える新幹線総合指令所でも「車両を安全に走行させることが鉄道人としての使命」という熱い思いが交錯する。
相手が見えない中で戦わねばならない時に人は何を拠り所にして行動するのか・・・という思いを考えながら鑑賞。