子どもの頃、日曜の昼は、近所の製麺所で買ってきた生うどんを自宅で茹で、野菜や油揚げ、豚肉を入れた暖かいつけ汁でよく食べた。
冷たいうどんと暖かい汁の組み合わせで、歯ごたえのあるうどんを食べるのがうどんが身近にあるうどんだった。
そんな小麦の味がしっかりして歯ごたえがあり、醤油の味が強いつけ汁で食べるうどんの事を、武蔵野うどんと呼んだり、うどんと一緒に茹でた野菜(ほうれん草等が多かったように思う)と一緒に食べるのを糧うどん(糧は付け合わせの野菜の事)と呼ぶと知ったのはずっと後の事で、子どもの頃は、うどんといえば濃い色をした歯ごたえたっぷりの物だと思っていた。
近所の製麺所が店じまいしてしまってからは歯ごたえのあるうどんを食べる機会が減ってしまい、いつからか口にすることが無くなってしまったのだが、ここ最近は又注目を浴びているようでうれしい。
ただ、武蔵野うどんのお店は、車で通う方が便利な街道沿いにある事が多い。このお店のようにエキナカにあり、買い物の途中に気軽に立ち寄れるのはとてもうれしい。その上とても美味しいのだ。麺の硬さも太さも、醤油の味が濃い汁も子どもの頃に慣れ親しんだ味と同じだ。
讃岐うどんも美味しいが、慣れ親しんだ味はやっぱりこちらだ。
ゴールデンウイークは遠出をする予定もない。
買い物帰りに入場券を買って駅構内に入り、うどんを食べるのが今から楽しみだ。