戦争により領土を奪われたものの、敵と休戦を結んだことで平和を手に入れた王。領土奪還を願う一派は王の言葉に背き敵将に手合わせを申し込み、王の怒りを買うことになってしまう。
領土奪還の話ではあるが、ストーリーは領土奪還を願う将軍が自らの影武者にその任を負わせるという点に注力して進む。自らの衰えを感じ更には自らの身を守るために影武者を育てる将軍と、同じように生きる為に影武者にならねばならなかった男。
雨が降り続く戦場も、王が自ら書いた書が掲げられた王宮も、影武者が将軍の妻と過ごす寝室もどこもかしこも墨の濃淡を感じさせる水墨画の世界だ。水墨画の世界の中、将軍と妻が奏でる琴の音も激しく、敵将との手合わせも激しく降り続く雨の中で行われる。
ストーリーはまぁいい。とにかくビジュアル重視の場面が続くのが楽しい。賛否両論あると思うが、刀と傘を合わせた武器を持ち、敵の陣地に進軍するシーンなども、気持ちのいい位見栄えにこだわった戦闘シーンだ。
とにかく、水墨画の雰囲気を思いっきり堪能するに限る。