Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

Jackpot

2015-12-29 01:00:00 | 雪3年4部(賭け~温かな痕跡)
「ん?」



振り返った黒木典が見たのは、糸井直美の後ろ姿だった。

キョロキョロと、辺りを窺うような仕草をしている。

何してんだろ?

 

直美は人目が無いことを確認し、図書館の方へと歩いて行った。

典は彼女に見つからないように、少し離れて直美の後をつけて行く。




図書館の裏で、直美は立ち止まった。

そしてそこに置かれているゴミ箱の前で、自身の鞄をゴソゴソする。



すると直美は、鞄から何かを取り出した。

典が目を凝らして見たところ、それはプリントのようだ。



典は直美に向かって声を掛けようと、一歩踏み出した。

「え?直美さ‥」



その時だった。

ビリッ!ビリッ!



直美は持っていたプリントをビリビリと破くと、そのままゴミ箱に全て捨てた。

そして足早にそこを去ったのだ。



直美の姿が見えなくなるのを確認してから、典はゴミ箱の方へと駆け寄った。

大量のゴミの上に、先ほど直美が捨てたプリントが乗っている。

 

典はその中の一片を取り出し、そこに書かれた文章を読んでみた。

そこには「決定変数」や「生産調整」など、どこかで目にした言葉が並んでいる。



思わず典の片眉が上がった。

「これは‥?」



このプリントにまつわる記憶が脳裏に浮かぶ。

あたし達が蛍光ペンでチェックした過去問じゃない?海が居た時の‥

どうして直美さんが自分のコピーを持ってるの‥?




まず感じたのは、そんな違和感だった。

しかしそのプリントの紙片を見れば見るほど、別の違和感が広がって行く。

「あれ‥?これって‥」

 

典はゴミ箱に手を入れ、別の紙片を何枚か取り出し、その全てに目を通した。

感じた違和感が、だんだんとある確証へと変わって行く。

「やっぱり、直美さんの字じゃない!」



それが違和感の根源だった。

これは、直美さんの字じゃない。

となると、別の人間が持っていた物ということになる。

「え、どういうこと?ありえないんだけど」



紙片をめくる手が、微かに震えていた。

心の中にある直美の姿が、だんだんとぼやけていく。

「そんな人だったの?」



ビリビリに破かれたプリントのように、直美への信頼が千切れて行く。

そして今まさに起こったこの出来事は、雪が仕掛けた勝負の結末だった。

時々ジャックポット‥大当たりが出ることもある。



勿論、それが全ての人に該当するわけじゃない。



同じ頃、河村亮は電話を受けているところだった。

社長吉川は、濁声を響かせながら亮に向かって釘を刺す。

「コンクールの準備は順調か?つーかその賞金って鼻クソ程度なんだってなぁ。

あぁ、冗談だよ。俺ぁお前と一緒に行くことにしたからよ、お前の金には手は出さねぇよ」




私達はいつも



亮の視線の先には、ピアノの鍵盤があった。

昔は夢も希望もその全てがそこにあり、その先に未来が広がっていた。

「お前が一体どうやって金稼げるってんだよ?俺と一緒に行くしかねぇだろ?

ヒッヒッヒッ‥」




無謀な勝負をしたことを後悔する時があり、

挑戦すらせずに未練が残る場合もあるから




低い声が、ビリビリとノイズを鳴らす。

亮は電話を切ると、ただその場で沈黙した。

「‥‥‥‥」



同じくあの人も、あの時は‥




現れたジャックポット。

笑うのは、一体誰?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<Jackpot>でした。

遂に犯人が明らかに‥!

そして直美はなぜ学校で捨てたのか‥。ツメが甘すぎますね


次回は<無茶な要求>です。

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