Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

事件勃発

2015-12-07 01:00:00 | 雪3年4部(事件勃発~監視役)
「へっ?!太一が?!」



聡美から太一と萌菜のくだりを聞いた雪は、思わず目を剥いた。

聡美は相変わらずゲッソリしている。

「そんなまさか‥」

「いや‥マジみたい‥。気になってる人からもらったって‥あのピアスを‥」



萌菜が耳につけていたあのピアスが、聡美の脳裏から離れない。

あれは自分の目論見では、今頃告白と共に自分に贈られていたはずだったのに‥。



溜息を吐いて俯く聡美に、雪は首を傾げながら口を開く。

「てか私どっちからも聞いてないよ?!」

「それは‥ほら‥どっちも雪の友達だから、まだ大っぴらに言わないでいるんでしょ‥。

出会ってまだいくらも経ってないわけだし‥」




「ほえ‥」



そのあまりにも意外なカップル(?)に、雪はあんぐりと開けた口が閉まらない。

聡美は青い顔をしながら、頭を抱えて悶絶している。

「あああ‥!一体どんなリアクションすれば良いのかサッパリだよ!」

「いやでも‥さすがに違う‥と思うけど‥あの二人だよ‥?



雪はそう言ってフォローするが、聡美の耳には一向に入って行かないようだ。

「お祝いしなきゃ‥なのにね‥」



雪はというと、太一のことでこんなにも動揺している聡美を、

初めて目にした気がしていた。

なるほど‥頭ン中、そのことでいっぱいいっぱいなんだな‥



どこか微笑ましい気持ちになりながら、雪は聡美を優しく抱き留める。

「私、調べといてあげよっか」「ううん、ううんううん」



暗い表情のまま、首を横に振る聡美‥。







やがて雪と聡美は、肩を並べて教室へと戻って行った。

ずっと首を横に振っていた聡美も、どうやら雪の提案に乗ることにしたようだ。

「そ‥それじゃこっそり聞いてみてくれたら‥」

「うんうん」



そう言って席に就こうとした時だった。

「ん?」






マフラーが鞄の下敷きになって潰れている。

その光景を目にした時、まずそんな違和感を感じた。



胸を過る、ある種の予感。

けれど雪は確かな判断を下す前に、聡美にこう聞いてみる。

「聡美、私マフラーこんな風に置いたっけ?」「え?あ‥」



聡美はそう言って、雪の視線の先を追った。

鞄が置かれた椅子の下に、ボールペンが落ちている。






私のだ、と小さく呟きながら、

雪は鞄へと手を伸ばした。



バッと鞄の口を開けてみる。

聡美は何も言わず、雪の行動をじっと見ていた。







胸に過ぎった予感は、やがて確信へと変わった。

雪は鞄の中を見つめながら、ポツリとこう口にする。

「無い‥」「へっ?!何が無いの?!マジで?!」



「過去問‥」



鞄に入れておいたはずの、過去問が無くなっていた。

それを仕舞っていたファイルごとごっそりと。



雪は顔を上げ、教室内を見回してみた。

室内には、ザワザワと学生達の話す声が反響している。



まず視線の先に飛び込んで来たのは、柳達のグループだ。

佐藤をはじめとして、彼らと仲の良い学生が集まっている。



次に、健太とその仲間達。

誰もこちらを見る者は居ない。



そして最後に、直美と仲の良い女子達。

いつもの様にお喋りに興じている。






誰も雪の方を窺うような人間は居なかった。

けれど確かに居るのだ。この中に、過去問を盗んだ犯人が。

「はっ!」



思わず息を吐き捨てた。

予想外の事件の勃発。雪は頭を抱えて歯噛みする。

「雪‥どうする‥?」

 

そんな聡美の言葉に返事をする余裕も無く、雪はただただ俯いた。

彼女の意図の行き先が、ザワザワとした喧騒に溶けて行く‥。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<事件勃発>でした。

遂に盗難事件発生ですねーーなんて物騒な!

さてこの先、物語は推理モノへと変化して行きます‥(^^;)じっちゃんの名にかけて‥!


次回は<容疑者No.1>です。


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