Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

容疑者No.2

2015-12-11 01:00:00 | 雪3年4部(事件勃発~監視役)


授業が終わった。

雪は聡美に向かって話し掛ける。

「万が一を考えて、もう一回探してみていい?私が疑心暗鬼すぎるのかもだし

「んっ?!あっうん!」



ビクッと驚く聡美を見て、雪は(心ここにあらずだな‥)と感じるも、

もう一度教室内を探す為そこに残った。

無くなった過去問を見つける為である。

そんな雪に向かって、柳楓と佐藤広隆がそれぞれ声を掛けて来た。

「まだ見つかんない?」

「誰かが自分のプリントと勘違いしたんじゃないのか?」



どうやら今回の件では、柳は”探すスタンス”で、佐藤は”懐疑的スタンス”らしい。

「ただどこかに紛れ込んだだけかもしれないし‥、

健太先輩が大仰なリアクションだったからおかしな空気になったけど‥」


「そーか?まぁ探してみっか」



そう言って首を捻る佐藤の隣で、柳が雪の席の辺りを探し始める。

「引き出しは?」「引き出しなんて無いだろ‥

「ちょっと、雪ちゃん」



すると、とある人物が雪に向かって声を掛けた。

糸井直美である。

「はい?」

「過去問、本当に無くしたの?」



直美は幾分険しい表情でそう聞いてきた。

雪はその意味がよく分からず、怪訝そうな顔で肯定する。

「そうですけど‥?」



雪のその返しを受けて、直美は一瞬ぐっと言葉に詰まった。

しかし再びキッと雪を見据えると、強い口調でこう続ける。

「青田先輩がくれた過去問じゃなくて、海ちゃんから貰った過去問ってことだよね?」

「はい‥。それが何か‥?」



直美の真意が掴めなかったので、雪はそう質問した。

すると直美は顔を上げて居直ると、面白くなさそうにこう言ったのだった。

「いや、どうしてこんなに騒ぎ立てるのかなと思って」



「はい??」



雪は思わずあんぐりと口を開けた。今、遠回しにディスられたのである。

直美はさも自分が正しいと言わんばかりのスタンスで、雪に向かって言葉を続けた。

「過去問ごときで王様気取りってわけ?

あんたの持ち物が無くなったからって、皆を巻き込むつもりなの?もう止めてくれないかな。

雪ちゃんのせいで科がゴタゴタするの、もう何回目だと思ってるの?」


「いやその‥直美さん、私が自分の物を無くしたから探すってだけで‥てか事を大きくしたのは健太先輩‥



佐藤、柳、聡美は、そんな二人のやり取りを目を丸くして聞いていた。

直美は強い眼力を雪に向けたまま、正義の印籠を振りかざす。

「あたしは科の代表なの。こんな風に大事になって科の雰囲気が悪くなるの、本当に我慢出来ない。

雪ちゃん、あなた清水香織の時もそうだったけど、元は小さなことをだんだん大きな問題に発展させるよね。

少なくとも個人的な問題は、騒ぎにせずに解決に向かわせるのが懸命じゃないかな。

こんな風に公論化させないでよ。分かった?」




雪はそんな直美の言い分を、違和感を感じながらじっと聞いていた。

直美は暫し何も言わない雪を睨んでいたが、やがて息を吐くと、ふいと背を向けた。



直美の姿が遠ざかると、聡美が舌を出し、柳が口を開く。

「ご立派ですこと!」「糸井っち、今日ちょっとピリピリしてね?」



そして雪は直美が出て行った辺りに視線を遣りながら、思わず顔を顰めた。

あの人もなんだか変だ‥



自分の単位は気にするけど、科の雰囲気がどうだなんて気にする人じゃ無かったのに‥。

どこか気まずそうな顔して‥




どちらかと言えば、直美は先に噛み付いてくるようなタイプの人間だったはずだ。

清水香織の件の時も、そういう感じだった。

「雪ちゃんも大概ね。今度は何につっかかってるの?」



しかし今回は違う。

あんな風に”科の代表”を掲げて、意見するような人じゃなかったはずなのに‥。



しばし考えに耽っていると、後方から海が声を掛けて来た。

「雪ちゃん、もう探さなくていいよ。あたしもう一度コピーするし」

「え?本当?」「うん、だからもうあんまり気にしないで」



海はそう言うと、出口に向かって歩き始めた。

「先行ってるからコピー室の前でまた会お」

「OK。ありがとう」



出入り口付近には、まだ直美の姿がある。

数メートル離れた所に海が居た。



すると海は、直美の後ろ姿をじろりと睨んだ。

まるで何かを咎めるような、そんな目つきで。



ん‥?



何か引っ掛かるその表情。

心に残ったその違和感を、雪はコピー室の前で海にぶつけてみた。

「海ちゃん‥あのさ‥。

その‥こういう話をしたらちょっとアレかな‥?」




歯切れの悪い雪の言葉に、海は首を傾げる。

「え?何が?」



「その‥」

「大丈夫よ。話してみてよ」



言い淀む雪を、海は笑顔で懐柔した。

雪は一つ息を吐くと、正直にこう告白する。

「海ちゃんが近くに座ってたから‥

もしかしてと思うから聞いてみるけど‥」




「私が教室を出て行ってた間に、私の席の近くに誰かいたかどうか、

もしかしたら見てたりしてないかなぁと思って‥」




先程教室でした問いを、改めて雪は口にした。

あの時海は何かを言いかけて、口を噤んだ‥。

 

海は思い巡らせるように視線を上に遣りながら、あの時の記憶を辿る。

「うーん‥あたしも周りをずっと見てたわけじゃないからな‥課題してたから‥



しかし次の瞬間、海が目を見開いた。

「あ、そうだ」



「直美さんが‥直美さんが居たわ」「直美さん?」



直美の名を反復する雪に、海はあの時の状況を話し始めた。

「うん。直美さんが近くに来て座ったの。

直美さんが盗んだって意味じゃないけど‥」




「あたしが雪ちゃんに過去問を渡したことが、気に入らないって」



「直美さんが?」



新たなその情報に、雪は目を丸くした。

海は苦い表情で、あの時直美と交わした会話を思い出すーー‥。








「海ちゃん、ちょっと」



「何ですか?」

「あのね、あなたが雪ちゃんにあげた過去問のことよ」



直美は雪の座っていた席の近くに腰を下ろすと、咎めるような口調で話を続けた。

「内輪だけで回すつもりだったのに、青田先輩の過去問が見たいからって

あなた一人勝手な真似しちゃダメでしょう?ちょっと頑張れば手に入る過去問とは言ってもさぁ‥」




「ちょっと‥どうかと思うよ」







雪はじっと海の回想を聞いていた。

そして心の中にこう記したのだ。

容疑者No.2、糸井直美、と。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<容疑者No.2>でした。

容疑者2は直美でした。まぁ予想はしてましたが‥

この作品、嫌な人間の「自分を棚に上げて」感がすごいですよね。直美なんてまさにそう‥。

直美!もし自分の過去問が無くなったら大騒ぎするだろ!お前ぇぇ!(イライラの為言葉が荒れてます)


次回は<推理>です。

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