Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

箱の中の記憶

2015-07-29 01:00:00 | 雪3年3部(張子の虎~繋がり)
「雪っ!体調悪くないんなら、ちょっとは部屋片付けなさい!

あんたってばいい年して何なのこの部屋は?!ゴミ屋敷みたいじゃないの!

彼氏はあんたの部屋がこんなんだって知ってんの?!

恵ちゃんのお部屋は綺麗で花の香りが‥うんぬんかんぬん‥




家に帰った雪を待っていたのは、まるで荒天のような母からのお説教だった。

「もう大学三年にもなるのに全然変わんないじゃないの!無駄に年ばっか食って!」



ザッパンザッパンと荒ぶる波。帰宅して早々これでは堪らない。

雪はなんとか母を宥めようと、嵐の中に突っ込んで行く。

「分かったって!片付ける!片付けるから!」 「この前も人を呼んだ時片付けたのにー‥」

「もう!私にはこれが使い勝手が良いんだってば‥!」



雪はそう言って母を部屋から追い出し、ようやく嵐を遠ざけた。

しかしそう言い切ってしまった分、散らかった部屋を片付けなければいけなくなった‥。

「こんなことしてる間にレポート一つ書けるっつーの‥」



雪はブツブツ文句を言いつつ、顔を上げて改めて自分の部屋を眺めてみた。

「‥確かになんやかんや積み重なってるけどね‥」



全く部屋を片付ける必要はなくもない‥。

すると、積み重なったそれらを眺める雪の目に、あるものが留まった。

「ん?」



「これなんだっけ?」



本の下にある、青色のボックス。

雪はそれを手に取り、蓋を開けてみた。

「自分の部屋なのに知らない物が‥」



パカっと開けてみると、そこには画用紙やマーカーなど、

どこか見覚えのあるものが沢山入っている。



雪はそれが何なのかようやく思い出した。

あー‥去年の学祭の時に使った‥ガラクタ‥



カラフルな画用紙を手に取って、日常では全く使うことのないそれを眺めてみる。

私が処理しとくよって言って持ち帰って、ここに置いといたんだっけ‥。

これも”お人好しバカ”の一環だな‥




思い出した。学祭の後、皆が引き取りたがらなかったそれらを、去年雪は持ち帰ったのだ。

本当は持ち帰りたくなんてなかったけど、”お人好しバカ”の仮面を外すことが出来なくて。



箱の中に残った記憶は、去年の出来事を蘇らせる。

そうだ、また思い出した。



去年の学祭の時が、”お人好しバカ”の絶頂期だったな‥



特にあの時の先輩には‥



二人きりの教室で覚えたあの痛みも、味わった気まずさも、全て覚えていた。

雪は箱の中身を見つめながら、あの時のことを思い出す‥。






・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<箱の中の記憶>でした。

短めの記事で失礼しました。

雪ちゃんの部屋は散らかっているのですね~。わ、私も他人ごととは思えない‥(^^;)


さて次回は雪ちゃんの回想です。

時系列は去年の秋。学祭準備の為の話し合いだそうですよ。

カテゴリは<雪2年(学祭準備)>に入ります。(新カテゴリ追加しました!)


<雪と淳>開いた距離 です。

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