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Trapped in me.

韓国漫画「Cheese in the trap」の解釈ブログです。
*ネタバレ含みます&二次使用と転載禁止*

第二弾 赤山雪×青田淳

2013-11-14 01:00:00 | Movie
記事の方の「二人の始まり」を記念して、淳視点での雪を「つよがり」にのせて作ってみました!


Bluff 彼女の虚勢



第一弾よりはマシになった‥かな?

しかし動画制作楽しすぎて記事がなかなか進まない‥(^^;)困ったものです。。


*すいません「Cross road」の方は今のところ音源が無くて出来ずです‥。

気長に(よろしければ)お待ちください~~m(_ _)m


もう一度ここから

2013-11-14 01:00:00 | 雪3年2部(三者対面後~聡美父病院)


手術室の前に戻って来た雪が見たのは、

ぐっすりと眠り続けている青田先輩の姿だった。



雪は彼の前に立って、少しの間そこに佇んでいた。

静かな寝息が聞こえてくる。



全然起きない。

まさに爆睡と呼ぶに相応しい眠りっぷりだった。

彼の寝顔をじっと見ていると、口を開けたままどこか間抜けな表情をしている。



雪の中のイタズラ虫が騒ぎ出し、写メを撮ろうかと思い携帯を探ってワタワタした。

すると気配を察したように、先輩はフッと目を開ける。



雪は、エスパーさながらの彼のセンサーにビックリ仰天だ。

内心ビクビクながらも、雪は彼に今の状況を伝えた。

「お、起きました?聡美のお父さん無事手術成功して、リカバリールームに運ばれました」



それを聞いた彼は居住いを正し、いつの間にか寝てしまったと頭を掻いた。

しかし次の瞬間彼は微笑んだ。いつもの目尻の下がった笑顔で。

「とにかく、良かったよ」



雪はそのまま、先輩の隣に腰掛けた。

並んで座りながら、二人は目を合わす。



あの、と雪は口を開いた。

先輩は黙って彼女の言葉の続きを待つ。

「さっきは‥怒鳴ったりしてすみませんでした」



雪は頭を掻きながら、どこか決まり悪そうに乾いた笑いを立てた。

すると今度は先輩が、静かに口を開く。

「いや、悪いのは俺の方だ」



「雪ちゃんの言う通りだよ。俺がどうかしてた」

先輩は尚も言葉を続けた。

その謝罪に意外そうな顔をしている雪の隣で。

「亮のことは俺が口出しする問題じゃなかったのにな。雪ちゃんもそこら辺分かって行動してると思うし」



それに、と彼は雪の方をチラリと見て言った。



雪は真っ直ぐに先輩の方を見つめている。

「急に無視したり冷たくなったり、そういう行動、これからは気をつけるよ。

この前もそうだったよな」




二人の脳裏に、雪が合コンに行った次の日のやりとりが思い浮かぶ。

あの時も彼は雪を無視して、冷たい態度であしらった‥。




彼は珍しく幾分狼狽するような素振りで、言葉を続ける。

「どうして時々子供のようになってしまうのか、自分でも分からないんだ」



そんな彼の姿に、雪はその意外な一面を見る。



前に二人が和解した時も、そうだった。

それまで傲慢で堅苦しいと思っていた彼が素直に謝ったことで、雪は彼に対する印象が少し変わった‥。

  




雪は下を向きながら、その決心の全てを口にした。

「私も‥努力します。お互いに嫌なことがあったとしても全部忘れて‥」



「これからは失望することや不満に思うことがあれば、すぐに話し合って‥だから‥」

たどたどしく言葉を紡ぎながら、雪は先輩の方を見た。

口元に僅かな微笑みを湛える雪に、彼も柔らかく微笑んだ。

「‥私も、先輩も」  「ああ」




「俺、雪ちゃんを怒らせるようなこと絶対しないよ」 


「はは、本当ですか?約束ですよ?」


二人の間にある空気の温度が、ゆっくりと上がっていく。

そして次の瞬間、雪のお腹の虫が大きく鳴いた。



ぐうう、というその音に雪は赤面し、今日はろくに食べられなかったんですと言ってお腹を抑えた。

それもそのはず。もう時刻は深夜三時を回っており、二人は夕飯もまだだった。

すると先輩がブランケットの下から、ビニール袋を取り出して中を探る。



先ほど買ってきたのだが忘れていたと言いながら、中の物を取り出した。


「はい」




彼が取り出したのは、コンビニのおにぎりだった。

雪がきょとんとしてそれを目にする。





なんの変哲もない、コンビニのおにぎり。





けれど二人の間には、共通の記憶があった。


あのあまりにもぎこちない、コンビニでの食事。






しかしあのコンビニでのひとときこそが、今の二人を形作る出発点になった。




「バクダンは無かったよ」  「あれはレアですからね」












あの疑心と不信とぎこちなさでいっぱいだった雪の心は、

確かに前に進み、今彼と向かい合おうとしている。


彼もまた、雪を興味の対象としての存在から、

”彼女”として、特別な存在として、今彼女と向かい合おうとしている。








二人はもう一度ここから、二人を始めるのだ。











ジュースもあるから、と言って先輩は雪に袋の中身を勧めると、

自らおにぎりを剥き始めた。

あの時とはまるで違い、きれいなおにぎりが出来上がった。

「もう上手に剥けますね?」



そして彼は雪に向かって口を開く。

どこかで見たような表情で、どこかで聞いたようなその台詞を。

「俺に不可能なことがあると思う?」







夢の中の彼も、確かにそう言っていた。

あの時雪は何も言えなかった。

けれど今は、彼に向かって冗談も言える。


「見栄っ張り」 「え?俺がなにって?」




フフンと得意げな彼と、小さく吹き出す彼女と。





目を閉じて皮肉を返す彼女と、そんな彼女を横目で見ている彼と。







豪華な食事でもなければ、素敵な場所でもない、


ただのコンビニのおにぎりを、病院内の小さな椅子で。



そんな此処が彼氏と彼女としての、出発点となる。







二人は笑い合った。


消毒液の匂いに包まれた、温かな空気の中で。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

<もう一度ここから>でした。


さて今回の話は「二人の再出発」という感じですね。台詞の無い最後のカットがとても好きです。

そしてこの一日の中で雪の靴の色がコロコロ変わりました‥。気づいただけでも三回‥。(^^;)







二枚目のやつ、上履きみたい‥。


次回は<それぞれの関係>です。

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