「嫌なんだけど」6月21日
『広がる「ペット婚」 当世結婚式 主役は嫌!?』という見出しの記事が掲載されました。『近ごろはペットを前面に押し出した「ペット婚」が定着しつつあるらしい。新郎新婦たちが「目立ちたくない」「主役になりたくない」と考えるためだとか(略)令和の結婚式事情を探ってみる』という趣旨の記事です。
私は犬も猫も大嫌いです。ペット婚など想像もできません。でもそれはここでは触れません。気になったのは次の記述です。『最近は「ゲスト全員が参加できるイベントがしたい」との声も多い。例えば、クイズだと、テーブルごとにチームを組んで対抗戦にするといった具合だ。新郎新婦とゲストとの距離を縮めるため、新郎新婦のメインテーブルをなくしてソファにすることもある(略)ウェルカムスペースで自撮りができるように鏡を置いたり、ゲストが一筆ずつ描いて完成させる絵画を準備したりと、ゲストの参加を促す取り組みが多い。インスタントカメラやレンズ付きフィルムをテーブルごとに準備して、周囲の様子を撮影してもらうことも珍しくない』。
最後に結婚式に出席したのは、もう15年ほど前になります。最近の結婚式事情は全く知りませんでした。私はこの記事を読み、こんな結婚式には招待されても出席したくないと思いました。
理由は、結婚式で何かさせられるのは嫌いだからです。私が教え子などの結婚式に呼ばれたころ、よくあったのが新郎新婦への寄せ書きでした。字が下手なこともあり、これが苦痛でした。気の利いた言葉を考え出すのも苦手でした。自意識過剰な面があることは否定しませんが、おかしなことを下手な字で書き、「先生」の権威を損ないたくなかったのかもしれません。
それなのに、今では、同じテーブルの初対面の人と一緒にクイズをするというのです。嫌ですね。周囲の写真を撮る、センスが問われそうです。嫌ですね。私は、静かに飲食しながら、「○○さん、卒業してからそんなことがあったのか」などと感慨にふけりたいのです。私にとってそれが良い結婚式なのです。
結婚式に関していえば、もう呼ばれることもないでしょうから、どうでもよいのですが、私は似たようなことが学校でも行われているのではないか、と考えました。授業参観日、我が子の様子を見て安心し、ホッとした気持ちで帰宅し、下校してきた我が子に「教は頑張っていたね」と声をかけ、夕食には少しごちそうを奮発する、そんな昔風の授業参観を好ましく感じる人はいるはずです。
しかし、せっかく保護者が来校したということで、親子で共に体験学習、などの企画をする学校が増えているように思います。子供をよく知ってもらいたい、家庭とは異なる学校における我が子の姿を見てほしい、学校の教育活動への理解を深めてほしい、そんな善意に基づく試みです。
でも、そんな配慮が裏目に出て、いろんなことをさせられるのなら授業参観は欠席しよう、と考える保護者もいるのではないでしょうか。授業参観に限らず、学校でも、保護者とともに活動という発想で、行事等が組まれることが増えています。それが、学校に行きづらいという意識を生んでしまうとしたら、本末転倒になります。
そんなことを考えるのは私だけでしょうか。思っていても言い出せない保護者はいると思うのですが。