ゆきちゃん通信++日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日を
母親(tomi)の目を通してお伝えします。

遠足の絵

2002年04月23日 | ゆきちゃんの日記
昨日教室へお迎えに行ったら、
この絵が貼ってありました。




『先生が手伝ってくださったんですか?』

と、聞いたら

『いいえ!口は出しましたが、手は出していませんよ!』

うれしい答えでした。

この前、自分の全身の絵が書けるようになったと、
喜んだばかりだったのに・・・。

封印されていた物が噴き出してくるような
由紀子の成長に驚きの連続です。


海の色使いがきれいです。

手を振っているのはお友だちです。

腰をかがめてカメを作っているのが由紀子・・・。

今まで粘土を使わせても
「へびさん」しか作らなかった由紀子が
砂で作ったという「かめ」も見たかった・・・。

よくばりな母は思うのでした。

もう一つ・・・。

今回は由紀子の頭のてっぺんにも
ちゃんと髪の毛が生えてました。(笑)


横に作文が書いてあります。


『うみに行きました。
うみにはいりました。
ようふくがぬれました。
すなでかめをつくりました。
たのしかったです。』


=END=
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クモの巣

2002年04月22日 | ゆきちゃんの日記
朝学校へ行こうとしたら外はすごい霧でした。

家の横の坂から、
いつもは見える小学校も全く見えませんでした。

由紀子が『学校がない!』(笑)


まずは朝からボケを一発!

これは霧なんだよ!

と話ながら下っていくと後ろから、
由紀子が『きれい!』と言いました。


何も見えないはずなのにと
振り返るとそこには大きなクモの巣がありました。

霧の雫がくもの巣について
その形をはっきりと浮かび上がらせていました。

とても大きなクモの巣でした。

均等に張られた糸がとてもステキな模様を作り上げていました。

同じ道を歩いていたのに
私にはそのクモの巣は見えませんでした。

心のゆとりの違いなのでしょうか?

それからも学校に行く途中にたくさんのクモの巣を発見。

こんな所にも・・・・と思うような場所にもたくさんあったのです。


学校の送り迎えは大変ですが 
由紀子と道を歩く楽しさは格別です。



=END=
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遠 足

2002年04月19日 | ゆきちゃんの日記


この日は恒例の歓迎遠足。

いつもは我家のすぐそばの公園が目的地だったのが
今年から少しはなれた海岸になりました。

由紀子は海が大すき!

でも、由紀子にはその変更がよくわかっていない!

大好きな海に行くなんて思ってもいないみたい・・・。

ただただ、お弁当の事で頭がいっぱいなのです。


母には一つ心配なことがありました。

それは由紀子が海に行くと必ず全身ずぶぬれになる事・・・。

『ちょっと足だけ入っていい?』

『おひざぐらいまではいい?』

『手をついてもいい?』

『あー!お腹が濡れちゃった。
もう全部浸かってもいいでしょう?』

ざぶ~ん!!!


言葉ではなく表情で訴えながら
じわじわと海の中へと沈んでいくのが常なのです。


遠足の朝、
担任の先生方にその心配を伝えました。

すると交流学級の担任の先生

「つっぱっとですか?」
(方言で・・・「溝にはまった」を「溝につっぱた!」という。それと同じ意味)


(´▽`*)アハハ「はい!つっぱります。」


担任の先生もびっくり
恐がりだから海にも近づかないと思っていたみたいです。


全ての着替えを持って出発した由紀子。

きっと先生方の監視がきびしかったことでしょう・・・・。


みんなよりも20分も遅れて戻ってきた由紀子の姿は
出発の時とは全く違った姿で・・・
舐めたら塩味がしそうな姿でした。

でも、無事に戻ってきてよかった!よかった

=END=
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初めてのおつかい・・・。

2002年04月15日 | ゆきちゃんの日記
由紀子にはどうしても入る事のできないスーパーがあります。

「サティ」・・・以前は休みのたびに遊びに行っていたスーパーです。

でも、半年ほど前突然、中に入れなくなりました。

原因はよくわからないのですが、
無理につれて入ると緊張でパニック状態になります。

日曜日の事です。

安売りのチラシに誘われて
母は一人でサティへ買い物に行く事にしました。

母  「ゆきちゃん!お母さんサティに行って来るね!一緒に行く?」

ゆき 「やだ!!!!!・・・・本を見てくるね!」 
            
母  「???・・・本って?」
                       
ゆき 「おじゃ魔女ゴーゴー!お母さん買ってくるね!」
        
母  「お母さんにその本を買ってきて欲しいの?」
          
ゆき 「うん!」                               



思い出しました。

数日前、由紀子は雑誌に載っていた
「おじゃ魔女ゴーゴー」の本が欲しいと言っていました。

その時、私が
「サティに行かなくちゃその本は買えないよ!」
と、言ったのです。

それにしても、
こんなにはっきり私に自分の希望を伝えてきたのは初めてでした。

自分が欲しいことを表現するだけではなく
人に買い物を依頼する・・・

これはとても難しい事です。

また一つ、由紀子の中でコミュニケーションの扉が開いたようです。


題名の「初めてのおつかい・・・。」は

私がはじめて由紀子のおつかいをしたってことです。(笑)

うれしい、おつかいでした。


=END=
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ゆきちゃん通信 No16 その2

2002年04月15日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。

2001年12月24日発行


ゆきちゃん通信No15

その2


私が今年転勤を希望していた理由の一つに
このたくさんのお別れがありました。

どうして、今年は
こんなに由紀子に深くかかわってくださった先生方が
揃って移動されるのか・・・。

私は由紀子がたった一人
学校に取り残されるような気になっていました。

でも、その心配はまたもや私の取り越し苦労だったようです。

始業式の前日、
新しい担任の先生にご挨拶するために
福小へ行った時の事ことです。

2週間ぶりの学校・・・。

学校に行きたくてたまらなかった由紀子が
大きな声で話しながら廊下を進んでいくと、
あちらこちらの教室で新学期の準備をしていた先生方が
次々に顔を出して

『ゆきちゃん!こんにちは!』、

と、声をかけてくださったのです。

大きな荷物を運んでいた先生方も
わざわざ足を止めて声をかけてくださいました。

その度に由紀子の顔がどんどん明るくなっていきます。

由紀子をささえてくださっていたのは
お別れした先生方だけではなく、
学校中の先生方が由紀子をずっと見守ってくださっていた事を
私は忘れていました。

もう大丈夫です。

さぁ!ここからは由紀子の新しい生活をご紹介します。



お引越しをしました。

今まで大津の官舎アパートに住んでいましたが、
商業高校のすぐ側の官舎へお引越しをしました。

今度は一戸建てでお庭もあります。

外遊びが苦手な由紀子がこのお庭で
少しでも外遊びの楽しさを感じてくれたらと思っています。

坂の上に立っている家の横からは福江の街が一望できます。

毎日坂を下って学校へ行くのですが、
今までよりも登校が楽しそうな由紀子です。

ただ、居間から遠くなったトイレが恐いのが由紀子の悩み。

毎回全力疾走で戻ってきます。(笑)


新しい担任先生


新しく5組を受け持ってくださったのはまさ子先生。

今年長崎から転勤していらっしゃいました。

前任のY田先生が
『お母さん安心して大丈夫!』と、
太鼓判を押していかれた通りの先生で、
私はすっかり安心して由紀子をお任せしています。

いつも、ゆったりとした目線で由紀子を見てくださり、
由紀子と勉強していると楽しいと言ってくださいます。

「子どもは子どもの中で育つ部分が大きい」と
交流学級での時間にも力を入れてくださっています。

4年3組の終わりの会でみんなと同じように、
自分で連絡帳を書いてくるのが今の由紀子の自慢です。

毎晩その連絡帳の時間割を見ながら
教科書を用意する姿が、
成長を感じさせてくれます。

以前は軽かったカバンがズシッと重くなりましたが
毎朝元気に坂を下っていきます。

先生と一緒に過ごして2週間。

『学校は楽しい?』の問いかけに

『まさ子先生やさしいの!
まさ子先生すき!』

と答えた由紀子です。


※5組には1年生のとしきくんが入級してきました。
由紀子もいよいよお姉さんです。がんばれ!



新学期のハプニング!

特殊学級で上級生となった由紀子のお仕事に
健康観察カードを保健室に持っていく・・・。
というのがあります。

といっても、保健室は教室の隣なのですが・・・。

今日は1 年生のとしきくんが熱を出してお休みでした。

まさ子先生は由紀子に二つの用事を言いつけました。

①遅くなってすみませんでした・・・といって渡す。

②「としきさんは熱でお休みです。」と、先生に伝える。

戻ってきた由紀子に確認すると
②を忘れてきたようです。

「もう一度行ってきなさい」と促されて
再び教室を出た由紀子は、
なぜか保健室ではなくそのとなりの2年1組へ・・・。

2年1 組の担任は3年生の時に
音楽を教えていただいたT津先生です。


一方、まさ子先生はなかなか帰ってこない
由紀子を心配して保健室へ・・・。

そこで見たのは・・・。

養護の先生とT津先生が由紀子の事を心配している姿でした。

何があったのでしょう?

なんと由紀子は授業中のT津先生に向かって廊下から

『お熱があるの・・・。』

と一言だけ言ったのだそうです。

びっくりしたT津先生は由紀子を連れて
保健室へ行ったというわけでした。

私の想像ですが、
もしかしたら由紀子は何をどうしたらいいのかわからないまま
教室を出たのかもしれません。

そして、去年とてもお世話になったT津先生の所に
相談に行ったのではないでしょうか?

それにしてもその一言だけではみなさんびっくりしますよね。

=END=
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