これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。
2001年12月24日発行
ゆきちゃん通信No15
その2
私が今年転勤を希望していた理由の一つに
このたくさんのお別れがありました。
どうして、今年は
こんなに由紀子に深くかかわってくださった先生方が
揃って移動されるのか・・・。
私は由紀子がたった一人
学校に取り残されるような気になっていました。
でも、その心配はまたもや私の取り越し苦労だったようです。
始業式の前日、
新しい担任の先生にご挨拶するために
福小へ行った時の事ことです。
2週間ぶりの学校・・・。
学校に行きたくてたまらなかった由紀子が
大きな声で話しながら廊下を進んでいくと、
あちらこちらの教室で新学期の準備をしていた先生方が
次々に顔を出して
『ゆきちゃん!こんにちは!』、
と、声をかけてくださったのです。
大きな荷物を運んでいた先生方も
わざわざ足を止めて声をかけてくださいました。
その度に由紀子の顔がどんどん明るくなっていきます。
由紀子をささえてくださっていたのは
お別れした先生方だけではなく、
学校中の先生方が由紀子をずっと見守ってくださっていた事を
私は忘れていました。
もう大丈夫です。
さぁ!ここからは由紀子の新しい生活をご紹介します。
お引越しをしました。
今まで大津の官舎アパートに住んでいましたが、
商業高校のすぐ側の官舎へお引越しをしました。
今度は一戸建てでお庭もあります。
外遊びが苦手な由紀子がこのお庭で
少しでも外遊びの楽しさを感じてくれたらと思っています。
坂の上に立っている家の横からは福江の街が一望できます。
毎日坂を下って学校へ行くのですが、
今までよりも登校が楽しそうな由紀子です。
ただ、居間から遠くなったトイレが恐いのが由紀子の悩み。
毎回全力疾走で戻ってきます。(笑)
新しい担任先生
新しく5組を受け持ってくださったのはまさ子先生。
今年長崎から転勤していらっしゃいました。
前任のY田先生が
『お母さん安心して大丈夫!』と、
太鼓判を押していかれた通りの先生で、
私はすっかり安心して由紀子をお任せしています。
いつも、ゆったりとした目線で由紀子を見てくださり、
由紀子と勉強していると楽しいと言ってくださいます。
「子どもは子どもの中で育つ部分が大きい」と
交流学級での時間にも力を入れてくださっています。
4年3組の終わりの会でみんなと同じように、
自分で連絡帳を書いてくるのが今の由紀子の自慢です。
毎晩その連絡帳の時間割を見ながら
教科書を用意する姿が、
成長を感じさせてくれます。
以前は軽かったカバンがズシッと重くなりましたが
毎朝元気に坂を下っていきます。
先生と一緒に過ごして2週間。
『学校は楽しい?』の問いかけに
『まさ子先生やさしいの!
まさ子先生すき!』
と答えた由紀子です。
※5組には1年生のとしきくんが入級してきました。
由紀子もいよいよお姉さんです。がんばれ!
新学期のハプニング!
特殊学級で上級生となった由紀子のお仕事に
健康観察カードを保健室に持っていく・・・。
というのがあります。
といっても、保健室は教室の隣なのですが・・・。
今日は1 年生のとしきくんが熱を出してお休みでした。
まさ子先生は由紀子に二つの用事を言いつけました。
①遅くなってすみませんでした・・・といって渡す。
②「としきさんは熱でお休みです。」と、先生に伝える。
戻ってきた由紀子に確認すると
②を忘れてきたようです。
「もう一度行ってきなさい」と促されて
再び教室を出た由紀子は、
なぜか保健室ではなくそのとなりの2年1組へ・・・。
2年1 組の担任は3年生の時に
音楽を教えていただいたT津先生です。
一方、まさ子先生はなかなか帰ってこない
由紀子を心配して保健室へ・・・。
そこで見たのは・・・。
養護の先生とT津先生が由紀子の事を心配している姿でした。
何があったのでしょう?
なんと由紀子は授業中のT津先生に向かって廊下から
『お熱があるの・・・。』
と一言だけ言ったのだそうです。
びっくりしたT津先生は由紀子を連れて
保健室へ行ったというわけでした。
私の想像ですが、
もしかしたら由紀子は何をどうしたらいいのかわからないまま
教室を出たのかもしれません。
そして、去年とてもお世話になったT津先生の所に
相談に行ったのではないでしょうか?
それにしてもその一言だけではみなさんびっくりしますよね。
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