ゆきちゃん通信++tomiの日記++

自閉症の娘、由紀子の毎日と
母の生活を綴っています。

ゆきちゃん通信 No25 その2

2008年05月31日 | 新聞 ゆきちゃん通信
これは由紀子が一年生になったのをきっかけに
お世話になった方たちに郵送していた新聞です。
それを日記風にアップしました。
もともとの新聞としてPDFで見ることもできます。


2008年5月11日発行

ゆきちゃん通信 NO25


先生方に感謝!



中三の担任は二年から引き続きS 田先生が受け持って下さいました。

そして、もう1 人の担任はS 渡先生。
由紀子にとってはお兄さんのような存在でした。
アーチェリーの選手でスポーツマン!

最初は由紀子のこだわりに戸惑われたのかもしれませんが、
すぐに由紀子の操縦法をマスターされて
最後には一緒にアンパンマンの歌を唄っていらっしゃいました。
(家族ですら一緒に唄わせてもらえないのに・・・)

S 田先生は今回も魔法の呪文で由紀子をうまく導いて
苦手な事をたくさん乗り越えさせて下さいました。

この写真は卒業式のお別れのときのものですが、
この時に先生は

「最初に受け持った時には感覚が過敏で、
何もしようとしない由紀子と
どう向きあって行けばいいのかと思ったけれど、
今振り返ってみたら
2年間、学校の行事に参加できなかったことは
一つもなかった。
きついこともあったのによく頑張りました。」

と、言葉をかけてくださいました。

そうでしたね~!
全部先生のおかげでした。
ありがとうございました。

私自身も先生と出会った頃は由紀子以上に臆病になっていて、
「無理はさせないで下さい」と、言うのが口癖でした。

そんな私にわからないように
内緒でいろんなことに挑戦させて、
成功した時に報告をしていたと言う話も
その日に聞きました。
そうだったんだぁ~!(笑)

そういえば、遠足の時に
事前に目的地の下見に連れて行ってもらったことがありました。

由紀子に見通しを持たせる為と言われていましたが、
あれは私を安心させて笑顔で送り出させる為の配慮だったのだと、
今頃になって気がつきました。
本当に世話の焼ける母子でした。
(@^_^)ゞ ポリポリ

何か新しいことに挑戦させる時には、
細かい手立てをたくさん考えて由紀子の背中を押しながら、
本番では由紀子を信じ黙ってじっと見守る先生方の姿を見て、
私も見習わなくてはいけないと反省して
由紀子との心の母子分離を本気で頑張ろうと決心をしました。

あれから、私も少しは成長したと思うのですが…どうでしょうか?(笑)

振り返ってみれば、
中学部の3 年間は大変な事もあったけれど
いい出会いをたくさん得ることができました。

S 渡先生やS 田先生だけではなく
中学部で関わってくださったみなさんに本当にお世話になりました。

由紀子のパニックで疲れている時に声をかけていただいて
どんなに勇気付けられたことか・・・。

保護者の気持ちまで大切にしてくださったみなさんに
心から感謝しています。

ありがとうございました。


春の嵐

卒業式が近づくにつれて、
由紀子の調子がどんどん悪くなっていきました。

いつもの月経前緊張症(PMS)のせいだと思っていたのですが、
その症状は卒業後の休みの間に最悪な状態に・・・。

パニックを起こして頭や壁を叩きまわり、
夜中にパニックの連続で5 日間ほとんど眠ることができない日が続きました。

まるで、中学部一年生のあの嵐の日の再来のようでした。

一度体験したことがあるから、
2 度目は大丈夫だと思っていた私ですが、
眠れない夜が5 日も続くと精神的にも体力的にもすっかり参ってしまいました。

人間はそう簡単には強くなれないものなんですね。

今まで使っていた薬では抑えられなくなって
新しい薬を処方してもらい、なんとか眠れるようになりました。

そんな状態で挑んだ入学式。

どうなることかと思いましたが、
本番に強い由紀子は頭を叩きながらも
最後まで式に参加することができました。

これから始まる高等部の生活がどうなるのか、
不安は募るばかりでしたが・・・。

意外にも、入学式を終えたら
嘘のように由紀子が落ち着いていきました。

何故?・・・私が思うに
由紀子は卒業という言葉で小学校の卒業を思い出したのだと思います。

小学校の卒業の後、引越しをして
友だちと別れてたった一人で養護学校へ入学しました。
あの寂しさや環境の変化がフラッシュバックのように甦って来たのかもしれません。

そして、入学式で学校が変わらないことを確認して安心したのでしょう。

私も休み中に何度も説明したんですけどねぇ・・・
私の言葉は由紀子には届いていなかったみたいです。

今振り返ってみて、
あの頃の学校選びの判断は間違っていなかったと思いますが、
由紀子にはつらい思いをさせてしまいました。

でも、こうして嵐を乗り越えてながら、
由紀子はたくましくなって行くと信じて
新しい春を進みたいと思います。



ところで、高等部から制服になりました。似合うでしょう?(笑)



編集後記

一年半も通信をサボってしまった為に書きたいことがいっぱいで、
まとまらなくて大変でした。

やっと出来上がった通信ですが、
やはり書ききれなかった思いがいっぱいです。

ホームページには毎日の由紀子の様子を日記に書いているので、
よかったら読んでみてください。

思春期に入った由紀子との生活は
以前のように楽しいことばかりではなくなりました。

日記にしても通信にしても
みなさんにつらい姿をお知らせしていいものかと、
いつも迷っている自分がいます。

でも、由紀子の記録として書き続けてきたこの通信の意味を思えば、
このつらい時期も由紀子の人生の一ページとして
書き続けていくべきなのだと思います。

由紀子もいつか私の手を離れて別の場所で生活する日が来ます。

確実にその日が近づいています。

その時にこの記録がきっと役に立つはず。

その日までもうひと頑張りです。

みなさまもよろしくお付き合いください。


=END=
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