第三章 サルデス、ヒラデルヒヤ、ラオデキヤ教会への手紙

（参考　新約聖書　１９５４年改訳　日本聖書協会）
３・７～１３　ヒラデルヒヤ教会への手紙
７．ヒラデルヒヤにある教会の御使に、こう書き送りなさい。『聖なる者、まことなる者、ダビデのかぎを持つ者、開けばだれにも閉じられることがなく、閉じればだれにも開かれることのない者が、次のように言われる。
８．わたしは、あなたのわざを知っている。見よ、わたしは、あなたの前に、だれも閉じることのできない門を開いておいた。なぜなら、あなたには少ししか力がなかったにもかかわらず、私の言葉を守り、わたしの名を否まなかったからである。
９．見よ、サタンの会堂に属する者、すなわち、ユダヤ人と自称してはいるが、その実ユダヤ人でなくて、偽る者たちに、こうしよう。見よ、彼らがあなたの足もとにきて平伏するようにし、そして、わたしがあなたを愛していることを、彼らに知らせよう。
１０．忍耐についてのわたしの言葉をあなたが守ったから、わたしも、地上に住む者たちをためすために、全世界に臨もうとしている試練の時に、あなたを防ぎ守ろう。
１１．わたしは、すぐに来る。あなたの冠がだれにも奪われないように、自分の持っているものを堅く守っていなさい。
１２．勝利を得る者を、わたしの神の聖所における柱にしよう。彼は決して二度と外へ出ることはない。そして彼の上に、わたしの神の御名と、わたしの神の都、すなわち、天とわたしの神のみもとから下ってくる新しいエルサレムの名と、わたしの新しい名とを、書きつけよう。
１３．耳のある者は、御霊が諸教会に言うことを聞くがよい』。


（参考　増訂新版　新約聖書略解　日本基督教団出版局）
・ヒラデルヒヤの教会は、キリストから最高の賛辞をもらっている。
・《あなたには少ししか力がなかったにもかかわらず》この力というのは、経済的な力をさしている。貧しい会員が多かったのであろう。
・９　ユダヤ人がキリスト教徒の足もとに平伏するようになるとの意。《あなたを愛している》神がイスラエルを愛しているとの意。
・《全世界に臨もうとしている試練の時》終末の苦難の時。
・《聖所における柱》信仰の勝利者は神の聖所の柱となり、その柱の上に神の御名と新しいエルサレムの名とキリストの新しい名とが書かれるというのである。新天新地が始まるのである。
・《外へ出ることはない》神と共に存在する生活を永遠に続けるという意。

啓示者イエスの賛美

（参考　新約聖書　１９５４年改訳　日本聖書協会）
＜ヨハネによる福音書第三章
３・３１―３６　啓示者イエスの賛美
３１．上から来る者は、すべてのものの上にある。地から出る者は、地に属する者であって、地のことを語る。天から来る者は、すべてのものの上にある。
３２．彼はその見たところ、聞いたことをあかししているが、だれもそのあかしを受け入れない。
３３．しかし、そのあかしを受け入れる者は、神がまことであることを、たしかに認めたのである。
３４．神がおつかわしになったかたは、神の言葉を語る。神は聖霊を限りなく賜うからである。
３５．父は御子を愛して、万物をその手にお与えになった。
３６．御子を信じる者は、永遠の命をもつ。御子に従わない者は．命にあずかることがないばかりか、 神の怒りがその上にとどまるのである」。

（参考　新約聖書略解　日本基督教団出版局）
・ヨハネが衰え、イエスが栄えることは神の定めである。この思想に合わせて福音書の著者は、啓示者ロゴスをたたえて賛歌をうたう。
・《上から来る者》はロゴス・イエス、《地から出る者》はバプテスマのヨハネたちをさす。
・《来る者》にはメシヤの意がある。
・イエスは天において見たり、聞いたりしたところを、人がその故郷について語るように語るのに、なぜ人々はそのあかしを受けないのだろうか。
・しかし受ける者は、その受け入れることによって、《神がまことであることを、たしかに認めたのである》。イエスの派遣は、神が人間を救おうとする真実から出ており、またこのような神が真実に実在することを確認した。
・天から来られたロゴス・イエスは、まさしく《神の言葉を語る》。そして神は他の預言者たちにはるかにまさる賜物をくだされる。
・《父は御子を愛して、万物をその手にお与えになった》イエス・キリストは万物の主であり君である。
・《御子を信じる者は、永遠の命をもち、御子に従わない者は．命にあずかることがないばかりか、 神の怒りがその上にとどまる》《神の怒り》の本質は、不信者が自分で選びとった「神との分離」のことを言っている。