ドイツ日記 Les plaisirs et les jours

ドイツに滞在して26年経過。2年後に日本へ本帰国予定。ゴルフを始めて4年半ですが相変わらず下手な初心者ゴルファーです。

バレエ学校更衣室事件のその後

2006年03月04日 | 日記


「ここではドイツ語で話すのが礼儀だ。」といった彼女に対して「そんなこと大きなお世話だ、関係ないもんね。」と言い返したのが癪に障ったのか、彼女は私との関係を冷戦状態に持ち込むつもりのようで挨拶ひとつしないで無視することにしたようだ。続けて説教してやろうというか100倍にして返してやろうと思っていたけど、しょうがないわけで、私は他のドイツ人たちとはにこやかにドイツ語でおしゃべりし、日本人とは日本語でしゃべっている。

くやしかったら、母国語と外国語を使い分けて見ろってなもんで。

今度何か文句言ったら、売り言葉に買い言葉になるけれど私らには最後の切り札、捨て台詞があるのよね。それは「あんたみたいに傲慢で非寛容で外国人嫌いのドイツ人が60年前にユダヤ人を虐殺したんだろう。あんたもヒットラーユーゲントだったの?」という台詞。 ナチスとかヒットラーの子かという文句をいうとたいていのドイツ人はしょげるかいきり立って怒るんだけどね。本当はあのくそ婆あにこれを言ってやりたいんだけど、今週のところは押さえている私。

会社の同僚であるポーランド人に事の一部始終を話したら、これはドイツ人のメンタリティの問題で、ドイツ人の集団に外人が紛れ込んで彼らが自分たちのわからない外国語で話し出すのを非常に嫌うのだと言っていた。それは理解できますよ。多分ドイツ人だけでなく他の言語集団でも違和感を持つだろう。でもね、時代は60年前ではなく、多国籍人種の住む現在の都会での話しですよ。外国語にアレルギーを持ち、非寛容になるのではなく関心を持つことから理解しあえるんじゃないの。

これまで8年近く一緒にバレエやってきて突然こんなこと言い出したところを見るとこの小学校の校長先生は今年65歳の定年退職を前にしてアルツハイマーの兆候を示しているのかもね・・。何しろそうでなくっても変わった人だから。



寒い夜はヴィデオ三昧

2006年03月04日 | 映画
アイリス

松竹

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先週末からまた寒波がやってきているドイツ。ここ西部ドイツには大した影響はないけれど、中部から南部にかけては昨日は大雪となりミュンヘンやフランクフルト空港ではほとんどの便がキャンセルとなった模様。ドイツといっても東西南北でかなり気候が異なるんだけど、ここライン河沿いの西部ドイツは比較的マイルドな気候で助かっている。ここから10kmくらい奥に入ったちょっと高地になるとすでに雪が降っていたりするんだけど。

本日土曜日は久しぶりに老人ホームにボランティアに行くことにしたので、そういえばアルツハイマーになった作家の映画があったよね・・と昨晩ヴィデオ店に行き「アイリス」を借りてきた。Iris Murdoch(アイリス・マードック)の小説を数冊読んだのは大学生時代のことで、それからずっと忘れていたが数年前に彼女がアルツハイマーに犯されたことを知り驚いた。彼女のように頭脳明晰で言葉を操るのが職業のような大作家でもこの病から逃れられないなんて・・。

彼女の夫の回顧録を元に映画化されているようだけど、アイリスは若い頃恋多き奔放な人だったんだ。小説の詳しい内容はもはや覚えてないけれど、読んだ印象ではもっと固い女性かと思っていたけど、私の母親と同世代にしては男関係もすごいもんで、あ~そう言えばSimone de Beauvoir(シモーヌ・ド・ボーヴォアール)だって同じ世代で奔放だったし、これが普通だったのか・・。そういう奔放なアイリスの男性関係をすべて知りながら尚且つ純粋に彼女を愛し最後まで一緒にいた夫のジョン。 こういう男性なら夫に持ってもいいかもねえ・・って人生そんなに上手くは行かないんだよね。

数日前のドイツのニュースチャンネルのネットに「社会的な付き合いをしなくなったり、他人に敵意を示したりし始めたら、それはアルツハイマーの兆候かもしれない。」と載っていた。むやみに他人から物を盗られたとかいじめられたとか言い出したらおかしくなっているってことですかね。記事によると70歳以下では30人に1人の割合なのが90歳になると3人に1人がアルツハイマーになっているそうだ。う~ん、明日は我が身だけど、そうなる前にさっさとこの世からおさらばできればいいのだけど。

こちらはアイリス・マードックについての詳しい記事です。