アムステルダム 新潮クレストブックス新潮社このアイテムの詳細を見る |
昨日だったか John Profumo が9日に91歳で亡くなったというニュースが流れた。有名なプロフューモ事件があったのは前世紀60年代前半のことなので子供だった私はさすがに記憶にはないが、その後政治家と女とスパイがからんだスキャンダルが起きると何かと彼の名前が出てきたように記憶している。
2週間前だったか久しぶりにイギリスに出張で行ったときヒースロー空港からうちの会社までタクシーに乗ったのだが、その途中に広大な敷地の中に建つ現在ではホテルとなっている邸宅の横を通るのだけど、まさにこの大邸宅Cliveden Houseがプロフューモ事件の舞台となったのだった。
当時ジョン・プロフューモはマクミラン政権下の陸軍大臣。コールガールのクリスティーヌ・キーラーは16歳で家出して以来ソーホーでショウガールをしている魅力的な女。この2人が1961年にアスター公の所有するクリヴデンハウスで行なわれたプールパーティで出会いプールからベッドへ直行したのだった。それだけなら単なる政治家の女遊びで終ったのだが、このコールガールは同時にソ連の外交官とも関係していたことが発覚して大騒ぎとなったのだった。60年代始めは東西冷戦の真っ只中で、西の情報がコールガールを通して東に流れたのではと一大スキャンダルへ発展し、プロフューモは政治生命を絶たれ、マクミラン首相も辞職するに至ったのだった。プロフューモはこの事件の後一生をチャリティ活動に捧げ健気に生きてきたらしく1975年には国家より勲章までもらっている。彼自身は家柄もよろしく政治生命は絶たれたとはいえ金には困っていなかったわけだ。で、9日に亡くなったのだけどちょっと前に事件の舞台となった邸宅の前を通ったところで何だか感慨深いものがある。あれから45年も経っていたのだね。
で、上の「アムステルダム」という本だけど、1人の女と彼女に関係したイギリスの政治家・音楽家・ジャーナリストの話なんだけど、プロフューモ事件にインスパイアされて書いたのではないかな~と読んだ当時思ったのだった。もしかしたら、そういう宣伝文句でこの本が紹介されていたかもしれないが、記憶は定かではない。1998年のイギリスはブッカー賞受賞作品。
今日は今日で旧ユーゴスラビアのミロシェビッチが獄中で死亡。裁判の途中でまだまだ永遠に決着がつかなさそうだったのに、これからどうなるのだろう・・。