東大に不祥事が多いのを指摘して来ました。
・東大の不正はSTAP細胞より重い その1(2015.01.03)
・東大の不正はSTAP細胞より重い その2(2015.01.09)
で医学・生物関係の不正を6件列挙し、
・東大の不祥事が多過ぎる (2015.01.25)
で東京大学政策ビジョン研究センターの不正疑惑を2件列挙しました。
ところで、「東大の不正はSTAP細胞より重い その1とその2」に書いた教員9人のうち7人が東大卒なので、東大の人はこの6件を東大の事件と認識していると推測します。ところが東京大学政策ビジョン研究センターの2件に関わる教員は偶然か二人とも東大卒ではなく、他の医療機関をへて東大に来ているので、東大関係者は危機感が少ないかもしれません。
特に東京大学政策ビジョン研究センターのパワハラの当人は、特任助教という任期のある助教です。一見すると向上心のある人をスカウトしてきたら、変な人が混じっていたという感じもしますが、東大も東大出身者で固める時代ではなく、東大以外から人を集めてくるというのは、時代の流れでしょう。東大は、少々問題があっても業績を上げている人を受け入れているのか、それとも問題がある人を見抜けなかったのか、どちらでしょう。
ここで気になるのは、最近メディアに出てくる東大の教員に「特任」という名前が付く人が多いことです。例えば、iPS細胞の森口尚史氏、STAP細胞の件でTVに頻繁に出ていた上昌広特任教授、ロボットのロビの高橋智隆特任准教授など。
「特任」とは有期の教員で、給料は外部資金や寄付金から出ます。有期でも問題は無いのですが、気になるのは東大に有期雇用者が非常に多いことです。下記は以前にも出したことのあるデータですが、各大学のホームページに載っている大学の教員・職員・院生・学生の数です。
分かり易くするために、有期教員と普通の教員、院生と学部生の比を取ってみました。
これを見ると、東大の教員は、京大に比べ「有期」の教員が多いことがわかります。外部資金や寄付金(ほとんどが企業でしょう)が豊富なのでしょう。
このような方法で有期の教員を増やして成果が出ていれば良いのですが、実態はどうなのでしょう。それほど成果が出ているとは思えませんが。
また、東大は他大学に比べて、院生が学部生に対して異様に多いこともわかります。大学院の希望者は全入ですね。もちろん、試験もありますが。
東京の郊外の大学から東大の大学院に入ったヤツが、「難関の大学入試をパスして学部に入るより、大学院からの方が入り易い」と言っていましたが、上の数字を見るとそのようです。東大で院生が多いのは、研究所などの定員が多いためでしょうか? それとも前述したように外部資金や寄付講座(寄付金で運用される講座)などが多く、それに付属する院生も多いのでしょうか?
いずれにしても、有期教員や院生が多いということから、東大は他大学と比べて特異な存在のようで、他大学の見本にはならないでしょう。
2015.01.28