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ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

習近平主席は裸の王様

2023年09月07日 | 国際・政治(中国)

2023年9月6日の韓国・中央日報に「長老が国家危機に苦言…習氏『私のせいなのか』側近に激怒」という記事が出ていた。これは日本経済新聞の記事の引用なので、元の日本経済新聞を見るとこの記事は会員限定。それで韓国・中央日報の記事を参考にします。

 

<記事の簡単なまとめ>

・中国の長老や権力者が集まって毎年夏に開催される北戴河会議は今年も開催されたが、例年とは全く違った。

・長老たちは事前に集まり、習近平主席への諫言をまとめた。

・この諫言を長老の曽慶紅が代表として北戴河会議に赴き、習近平主席に強く説明した。

・諫言は、現在の中国の危機的状況を改善しないと共産党による統治が否定されかねないということ。

・習近平主席はこの諫言を聞き入れた。

・しかし、習近平主席は北戴河会議の後に行われた側近との会議で、「鄧小平、江沢民、胡錦濤が残した問題が私に降りかかってきた。(私は)10年も頑張ってきた。だが問題は片付かない。これは、私のせいだというのか?」と不満というか、愚痴を述べたそうです。

・こういうこともあり、習近平主席は9月9日からインドで開催されるG20サミットには欠席した。(8月下旬に開催されたBRICS首脳会議には出席した)

 

習近平への情報伝達は糞詰まり?

 

確かに、過去の指導者の政策が悪かったかもしれないけど、それで自分が指導者になれたし、自分の過去10年間の政策が拙かったので傷口を広げたとも言える。

 

しかし、私は別の問題を指摘したい。それは「習近平は裸の王様」ということ。日本でも中国の現状の問題点はいろいろ伝えられている。例えば、恒大集団や碧桂園の巨額負債、住宅購入者の住宅が引き渡されていない問題、地方政府の隠れた巨額債務、若年失業者の増加(統計の発表が中止された時点で約20%、実際は約50%という人もいる)などがある。

 

それに、他の人は指摘していないが、景気対策のためにやたらと作った中国の高速鉄道。僻地にも作ったので、採算は取れないと思う。2020年10月8日のブログ「中国国鉄の債務は巨大」参照。

 

他国民の私が中国の問題をこれだけ知っているのに、中国政府は今までに何らかの対策を取っていたとは思えない。対策と思われる対策は、インターネットから都合の悪い投稿を削除すること。

 

もしかしたら、習近平主席は中国のこれらの問題を軽く考えていたか、側近の誰かがやってくれると思って、自分は何もしてこなかったかもしれない。そして側近は何もしなかった。

 

中国の習近平主席のような独裁者の取り巻きは、習近平主席にこれらの問題を報告しない(報告すると怒られる)し、習近平主席からの指示を待っている(うかつに動くと責任をとらされる)。

 

追随した記事は出ていない

 

この記事の内容は他のメディアが追随していないので真偽のほどは分かりませんが、ありそうな話なので紹介しました。この記事の内容を日本経済新聞の論説委員に伝えた中国人は、特定できれば国家秘密法違反で刑務所送りですね。

 

2023年9月7日

 


処理水に理解不能の中国報道官と中国核実験による放射能汚染

2023年09月04日 | 国際・政治(中国)

中国報道官は理解不能

 

ネットを探していたら、8月31日付の中国語の記事の中に次のような文がありました。華春瑩は中国外務省の報道局長。元の文は中国語ですが、機械翻訳してあります。

 

「華春瑩は最初の投稿で、なぜ『トリチウムの希釈』だけを強調し、他の放射性核種がどのように扱われたかについて言及しなかったのか日本に尋ねた。」

 

この翻訳文は分かり難いので8月31日付のRecord Chinaから同じ部分を引用します。重複部分を一部カットして、下線部は私が付け加えた。

 

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東京電力福島第一原発にたまる処理水の海洋放出に関連し、中国外務省報道官の華春瑩(ホア・チュンイン)氏が30日、X(旧ツイッター)に英語で4連続投稿をし、「覆水盆に返らず。日本は手遅れになる前にやめるべきだ」と警告を発したと、中国共産党系の環球時報が伝えた。

 

華氏は「いくつかの簡単な質問」とし、まず「なぜ日本はトリチウムの希釈ばかりを強調するのか。福島の放射能汚染水には60種類以上の放射性核種が含まれているが、残りの放射性核種の処理はどうなるのか」と投稿した。

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下線部の表現から推測すると、彼女は排水からトリチウム以外の放射性核種を取り除いていることを知らないようです。報道局長であっても、「福島核汚染水」が何らの処理もされずに海洋に放出されていると思っている。ということは、他の中国政府の役人もこの報道局長と五十歩百歩で、日本政府が犬の遠吠えの様にブツブツ言っても、効果は無い。

 

一般中国人の知識はさらに乏しく、しかも中国政府がインターネットに上がる不利な情報は削除しているので、一般中国人に日本政府の考えを理解させるのは不可能。こんな人たちに、「正しい理解を!」と言っても無駄でしかない。

 

中国は砂漠地帯で50回以上の核実験

 

中国は放射能汚染について偉そうなことが言える立場か、と言いたい。中国の若い人は少し昔の中国の悪行を知らないかもしれない。これについて、日本メディアの記事は見たことがない。

(中国では、学校で教えられていないだろうし、中国人が知ろうとしても本にもネットにも出ていないかもしれない。出ていないのではなく、共産党によって削除されたかもしれない)

 

中国は1964年(前回の東京オリンピック開催中のさなか)に核実験を初めて成功させた。それから1980年まで中国の砂漠地帯で50回以上の大気圏内核実験を行い、放射性物質が広範囲に飛散している。また地下核実験を1996年まで行っていた。

 

こんな過去があるので、中国には「そんなことが良く言えるよな」とか、「お前が言うなよ!」と言いたい。日本の外務省もこれくらいの主張はしてほしいけど、その後ろにいる自民党が弱腰なのはどうしようもない。自民党の一部から時々威勢の良い声が聞こえて来るが、それはガス抜きか、おっさんの歯ぎしりでしか無く、実行されたことは一度も無い。おまけに日本の主要メディアも中国と北朝鮮には弱腰の内弁慶には困ったもんだ。

 

放射能測定器

 

ネットを見ていたら、中国で放射能測定器を購入する人が増えているという記事が出ていた。(実際に購入している人は少ないと思うけど)日本のアマゾンを見ると、数千円代や数万円代の放射能測定器が販売されている。しかし、放射能測定は結構難しく、正式に測定しようとするといろいろな取り決めがある。対象物に当てて出た数値をそのまま信用して良いかどうか? 

 

中国の人が実際に測定したら、福島より中国の数値が高いという声がネットに上がっているようです。もしかしたら、中国の砂漠での核実験の影響が残っているかもしれない。また放射能は通常の生活でもそこそこの数値が出るし、バラツキが出るので、中国の購入者が現実を知るには良いことかもしれない。

 

2023年9月4日

 


習主席の通訳と中国のサンマ漁船と雄安新区

2023年08月29日 | 国際・政治(中国)

習主席の通訳が入場を阻止される

 

確かに不思議な映像ですね。ロイターや韓国のメディアに画像が出ている。南アフリカ共和国ヨハネスブルクで8月23日に開催されたBRICS首脳会議の会場に中国の習近平主席が入場する時に起きた珍事。

 

習主席の後を追いかけてきた通訳が習主席に続いて会場に入ろうとした時、警備員が会場入り口のドア閉めて通訳は入場を阻止されてしまった。

 

警備上、各国のトップしか会場には入れないことになっていたのか、あるいは単なる連絡ミスなのか? 不思議?

 

福島原発の処理水の海洋放出について

 

福島原発の廃水からトリチウム以外の放射性物質を取り除いた処理水の放出を8月24日から開始した。

 

トリチウムは日本語では三重水素で、水素の原子核が陽子一個と中性子二個から構成されており、水素(原子核は陽子一個だけ)の放射性同位元素です。半減期は約12年。酸素原子と結合すると「三重水素水」になる。「三重水素水」と普通の水を選別することは難しく、トリチウムは「三重水素水」という形で普通の水と混合して存在する。

 

したがって、溜まりに溜まった福島原発の処理水は海洋に放出するしか他に方法がないのは理解できる。しかし、通常に稼働している原発からもトリチウムが混じった廃水が大量に出ていることは、今回の福島原発の処理水問題で初めて知った。政府や電力会社は、原発がトリチウムを放出していることは、今までこれぽっちも話していなかった。それが、処理水の海洋放出が問題になると、話を出してくるのは納得がいかない。

 

トリチウム放出の件は、もっと以前から国民に説明しておくべき懸案だったと思う。これは何も日本政府だけの話ではなく、韓国や中国政府も同じ。韓国や中国の政府もあまり公開したくなかったのは日本と同じ。

 

ところで、福島原発処理水の海洋放出を習近平氏は知っているのだろうか? 対外問題は中国トップとして知っているべきだと思うけど、日本のことまで知る余裕があるのだろうか? どちらにしても、中国はこの問題から引くに引けないだろうけど。

 

ネットを見ていて「そりゃそうだよね」と思ったのは、日本近海に来てごっそりとサンマを取っていく中国のトロール漁船のこと。日本からの魚を輸入禁止にしながら、日本沖で取ったサンマを中国に持っていくのは二重基準。今年も中国のサンマ漁船が来るのか見ていよう。多分、来ると思う。(8月末なので既に来ているのかな?)

 

雄安新区は元遊水地?

 

ネットニュースを見ていると、7月下旬から8月にかけて中国北京付近で大雨が降り、一部の地域で浸水したという記事があった。その中に、北京を浸水から守るために、わざと水を流入させた地域(河北省)があり、その地域の住民から不満が上がっているというニュースが出ていた。

 

これは日本にもある洪水対策の「遊水地」です。日本でも都市を守るために、低地や水田に水を引き入れて水を一時的に溜める洪水対策は昔から行われている。中国ではこのような遊水地だった低湿地に家を建てて暮らしている地域が増えているらしい。このような元低湿地に住む人が増えているので、北京の洪水対策の犠牲になると、不満の声も大きくなる。

 

ところで、その記事の中に習近平氏が主導して開発している北京近郊の新都市、雄安新区(近郊と言っても北京から100キロもある)も実は低地らしい。北京近郊で広い土地は低地しか残っていなかったのかな? もしそれが本当なら雄安新区はいずれ浸水の被害にあうだろうし、そんな土地に重要施設を作るのなら雄安新区は失敗する。

 

2023年8月29日

 


上海は安全と「中国の夢」と中国は戦前の日本

2023年07月15日 | 国際・政治(中国)

上海は安全になった? じゃあ刑務所は満員では?

 

6月15日の日刊ゲンダイ・デジタル版に、上海は監視カメラのおかげで東京より安全な街になったと出ていた。AI監視カメラで市民の行動を監視しており、法律に違反すると捕まってしまう。以前のニュースでは、監視カメラで指名手配犯を認識して捕まえたこともあったとか。

 

しかし、これでは上海の刑務所は直ぐに満杯になってしまうのでは? そして、囚人はそのうち上海に溢れ出て来るのでは?

 

「中国の夢」は「アメリカへの移民」

 

誰かが、習近平の「中国の夢」は「アメリカへの移民」じゃないのかと書いていたが、冗談ではなくそれが現実に起きているらしい。

 

7月4日の朝のNHKラジオを聞いていたら、米国とメキシコの国境に米国への不法移民を目指す中国人が1万人も集まっているらしい。(7月5日のNHK・TVでも紹介していた。このNHK・TVの国際放送は中国では視聴できないと思うが) ネットで調べると、この中国人の不法移民問題は、春ごろからいろいろなメディアに取り上げられている。

 

中国は戦前の日本かもしれない

 

今年のメディアの伝えるところによると、尖閣諸島で中国が強硬なのは、中国軍が強硬論を主張していたらしい。

 

中国軍の様に、長らく戦争が無い国の軍(特に中国海軍や空軍は実戦経験が無い)は目立とうとする意欲が強くなるだろうし、経験が無いので強気になりがちなのはそうだろうなと思う。そういうところは戦前の日本の軍のような気がする。

 

そういう軍に対して、共産党といえども抑えられないのだろうと推測する。中国軍といっても中国という国家の軍ではなく、中国共産党の軍ですねどね。

 

2023年7月15日

 


習近平を独裁者と言って何が悪い

2023年07月09日 | 国際・政治(中国)

ブリンケン国務長官は冷遇された

 

アメリカのブリンケン国務長官が6月に中国を訪問したけど、空港にレッドカーペットが敷かれていないとか、出迎えた中国側の人の順位が低いという理由で、冷遇されたとあるメディアは伝えている。

 

ブリンケン国務長官は19日に習近平と面会できたけど、習近平が中央に座り、片側にアメリカ、反対側に中国側が座るという奇妙な配列だった。習近平はトップなのに対し、ブリンケン国務長官は閣僚であり格下なので、直接会うのは避けたかもしれない。しかし、マイクロソフトのビル・ゲイツと会った時は、二人だけで隣り合った席に座っていた。

 

結局、習近平は国内向けに「おれはブリンケンより偉いんだぞ」と見せつけ、米国に対しては「ブリンケンと会ってやったぞ」という配慮を示したかったのかな?

 

ブリンケン国務長官の訪中は酷評された

 

ブリンケン国務長官がアメリカに帰った後、共和党から訪中について酷評されているらしい。それでバイデン大統領は、ブリンケン国務長官に対する中国側の扱いに腹を立てて、「習近平は独裁者」と発言したのかもしれない。

 

習近平は独裁者

 

「習近平は独裁者」発言に対して、中国外務省報道局の小役人が反発したのを報道した日本のメディアは「米中関係に悪影響を与えかねない」といつものように小学生のようなことを言っている。

 

中国外務省報道局の小役人は文句を言うのが役目なので、それにいちいち反応している日本のメディアはアホとしか思えない。(日本のメディアは他に記事にすることが無いのだろうけど) 習近平や王毅国務委員、秦剛外相が米国に文句を言えば報道する価値はあるが、中国外務省の小役人ではねえ。

 

それより、会議での習近平の座り方に対して、「米中関係に悪影響を与えかねない」と日本のメディアはなぜ書かないのだろうか? 

 

それに、中国は共産主義国ですよね。中国は共産党の「一党独裁」なので、共産党のトップが「独裁者」であってもおかしくはない。もっとも中国共産党は利権集団なのではと思うけど。

 

朝日新聞論説委員の書いた記事がチョロい

 

朝日新聞論説委員が「中国は『独裁』ではない? 毛沢東以来の用語をどう翻訳すればいいか」という記事を書いている。残念ながら、大部分は有料記事になっているが、ありがたいことに無料部分にこんな文がある。

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 バイデン米大統領が6月20日、集会での演説で中国の習近平(シーチンピン)国家主席を「独裁者」と呼んだのは、やはり問題だった。中国外務省の毛寧副報道局長は「でたらめ、いいかげんで基本的事実に反し、外交儀礼に反する」と非難した。

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朝日新聞は中国外務省の小役人の発言に頼っているのか?

 

これからすると、朝日新聞論説委員は中国外務省の副報道局長の発言から、バイデン米大統領の発言は「問題だった」と判断しているようです。一国の大統領の発言を中国の一介の小役人の発言で「問題あり」「問題なし」と朝日新聞は判断するのかねえ? それじゃ、論説委員も一般人と変わらないのでは? 朝日新聞はそんなに情報収集能力がないのかねえ? 論説委員がこれじゃヒドイし、チョロいね。

 

イエレン米財務長官の訪中

 

ところで、バイデン米大統領のこの発言の後、米国のイエレン米財務長官は7月初旬に中国を訪問している。「問題だった」という割に、中国側がイエレン米財務長官を受け入れたのはどうして? 中国側はブリンケン国務長官の時の様に冷遇するのか、しないのか? そのうち、報道が出て来ると思うけど。

 

2023年7月9日