中国の現在のニュースを読んでいると、昔の歴史小説の一場面を見るようで、「中国はちっとも変わらないなあ」と興味深いです。良く言われるように、習近平の汚職撲滅運動は権力闘争だということです。
下記サイトの記事や他のメディアの記事をまとめると、次のような出来事がありました。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/41999
1月3日に江沢民一家三代が海南島の景勝地の東山峰に登りました。中国の人は「東山」という言葉から「再登板」を連想するそうです。そこで江沢民元主席は「海南島のこの名山に来ていない人は残念だ。このような風光明媚な景勝地は、大々的に宣伝すべきだ。私は北京に戻ったら、君たちのために大宣伝してやろう」と述べた後、歩きながら次のように大声で叫んだという。「江沢民来たれり。この歩行はウソではないぞ!」
スゴイですね。88才になっても、この権力への執着心とそれを語った舞台背景。小説や演劇の見せ場になりそうですね。
続いてこんな記事がありました。
1月23日に「賈廷安(かていあん)上将が、習近平主席の指示で中国共産党中央規律検査委員会に身柄を拘束された」との噂が北京で広まったそうです。この賈廷安上将は、江沢民元主席の側近中の側近なので、1月3日の江沢民元主席の行動と発言も理解できます。
しかし習近平主席が汚職撲滅を旗印に江沢民元主席を退治しても、中国の権力システムは基本的に何も変わりません。習近平主席(胡錦濤元主席?)が江沢民元主席と入れ替わるだけですから。また習近平主席が政敵をやっつける隠れ蓑に汚職撲滅や不正摘発を進めているので、一時的に汚職や不正が減少することはあっても、直ぐに元に戻るでしょう。
2015.02.14