goo blog サービス終了のお知らせ 

ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

水に落ちたソニー ゲーム機参入の頃

2014年06月10日 | 会社

経済誌を見ていたら、創業期のソニーに、社員をごっそり引き抜かれたという、名古屋の企業「興和」の元経営者へのインタビュー記事が載っていました。

http://toyokeizai.net/articles/-/16672

現在、「興和」は医薬品などを扱っていますが、戦後の一時期には電気製品も扱っていたようです。この記事だけでは、双方の事情が良くわからないので何とも言えませんが、ソニーが低迷しているので、このような話が出てくるのでしょう。

 

この話を読んで、私もソニーの昔のことを思い出しました。

ソニーがゲーム機を出す前、ソニーがまだ元気な頃、ゲーム機は任天堂が先行していました。その頃、新聞や雑誌は、任天堂のゲーム機の商売のやり方はあくどいと批判した記事を盛んに書いていました。何があくどいかの詳細は忘れましたが、ゲーム機本体とソフト、あるいは売れるソフトと売れないソフトの抱き合わせ販売的な話だったかと記憶しています。

なるほど、ひどい話だなと思っていたら、ソニーがゲーム機を出した後、任天堂と同じことをやっていたと後で知りました。

 

 その後、日経新聞の「私の履歴書」に、ソニー・コンピューター・エンターテインメントの社長だったか会長だったかが、ゲーム機を出した頃の話を書いていました。その中にゲーム機を販売する前に、いろいろ画策(販売活動)した話が書かれていました。その一環としてマスコミ対策も行ったのかな?と言うのが私の推測です。確か「私の履歴書」の人は、ソニー・ミュージック・エンターテインメント出身で、マスコミ操作はお手の物という感じでしょう。技術屋だったら、そんなことはしないはず。

 

 この件から、マスコミも意図を持って企業のヨイショ記事を書く場合があることを実感した次第です。マスコミが企業を褒めたり、貶したりする場合は、眉に唾をたっぷりつけて、マスコミの意図、あるいはその裏の企業の意図を考えるようにしています。

 ソニーは有名企業なので、技術、経営の裏話など、いろいろな情報がメディアを通して外に出ており、絶好のサンプルとして使わせていただきます。

 

2014.06.10


こんなトップで大丈夫? 決定をしないトップ

2014年06月04日 | 会社

結論を引き延ばし、追加データを要求し、いちゃもんつけて、結論は先送り。

 

 トップと言っても、社長では無く、ある部門の責任者と言う意味です。それでも、れっきとした儲け頭の一部門の責任者なので、そのトップは持ち込まれる問題を次から次へと処理したり、指示したりするものと思っていました。実際にそういう人がいて、会議でいろいろな指示を出すのを傍で感心して見ていました。

 

 しかし、その後継者の一人は、結論をギリギリまで先延ばしをする秀才でした。部下の出してきたデータの細部までいちゃもんをつけて、データを追加で出させて、可能な限り結論を先送りする。このような性格の人がトップを続けられたのは、事業も軌道に乗って、それほど先走りする必要が無くなった頃でした。

 

(新しい事業を他社に先駆けて行う時は、全てのデータが出揃ってから決断していては遅い。ある事業の先行きが混とんとして見えない時に、リスクを覚悟して打って出ないと、他社に決定的に遅れます。)

 

 このようなトップがいると、要求されるデータを出すために、無駄に人と時間を割かれるので、周りは大迷惑です。(このトップ本人は無駄とは思っていない。そのくせ、周囲には「無駄を無くせ」と言う)

 

おまけに、社長の人を見る目を疑います。事実、この先延ばしの上手い人は、さらに出世しました。

出世するための教訓は「自分に不利になるようなことはしない」。これが日本の成熟した産業における鉄則のようです。

 こういう人が出世するようでは、日本のデフレも仕方が無いように思います。

 

2014.06.04


茹でガエルのフジテレビは報道がボロボロ

2014年04月22日 | 会社

万年5位(つまり、最下位)のテレ東に抜かれたとか、抜かれそうということで、落ち目と叩かれているフジテレビの話です。

 

 フジテレビの朝の番組を見ていると、芸能関係に関してはヤケに詳しくキャスターも元気ですが、時事ニュースとなると役立たずですね。取り上げるニュースの視点がおかしい、突込みが足らない、ニュースを紹介するキャスターが毎日1回は原稿を読み間違える、出てくる専門家が変なヤツ、メインキャスターがニュースに関心が無い(そっけない態度でわかる)など、ネジが緩んでます。

 

 報道番組だけで、また朝の番組だけで視聴率が決まるわけではないが、「一事が万事」ですから。朝の番組を見ていると、ともかく人材不足と能力不足という印象ですね。

 

 組織はその絶頂期から内部に病巣が広がり始め、茹でガエルの喩のように気づかないうちに徐々に崩壊していくと言いますが、まさに今のフジテレビがそうですね。内部でも気づいている人もいるのでしょうが、多勢に無勢で自ら組織を変えることは非常に困難でしょう。

 

 フジテレビが今後どのようになっていくのか、組織論の一つのサンプルとして、興味深い対象です。

2014.04.22

 

上の文を書いてから約3か月、フジテレビの朝の番組はさらに悪くなっています。午前8時代の前半だけ、テレビ朝日とフジテレビをメインに見ています。テレビ朝日もどうかと思うところはありますが、まだ安心して見ていられます。それに比べてフジテレビの時事ニュースの扱い方は、ほとんど素人並のレベルです。ひどい! 司会者も悪いでしょうが、サポートするスタッフのレベルも低いのでしょう。

 

フジテレビが絶頂期の頃、「娯楽番組だけでは無く、報道番組もNHK並に力を入れよう」と言ったフジテレビ関係者の記事が載っていましたが、実行されなかったようです。費用対効果が悪かったのでしょう。

2014.07.18

 


日産の業績見通し下方修正とゴーン社長と買いたい車が無い

2013年11月04日 | 会社

日産が、20143月期決算の業績見通しを下方修正しました。減益ではないのですが、富士重工が最高益を更新しており、マツダも決算見通しを上方修正した中での下方修正でした。

 

ところで、私は日産の5ナンバーに乗っていますが、くたびれて来たので、そろそろ乗り換えようと思っています。ところが困ったことに、今の日産の車の中には、欲しい車が無いです。ちょうど良いサイズが無かったり、デザインが気に入らなかったり。車種が格段に多いトヨタ、かなり気に入った車種のあるホンダ、車に特徴のあるスバル、車種の少ない割にちょうど良い車のあるマツダの方が、良いかな?とも思っています。

 

日産は規模の割に、車種を絞りすぎてはいませんか?

ゴーン社長は就任してから約14年、長くなり過ぎたように思います。

2013.11.04


事業の終焉、ああ無情!~炭鉱、写真フィルム、プラズマディスプレイ~

2013年10月22日 | 会社

事業が終焉を迎えようとする時、人々の胸には様々な思いが交錯します。

 

その事業を何とか続けたいと思うのは人情でしょう。しかし、それに固執していると、痛い痛いしっぺ返しが待っていて、骨の髄からその判断が間違っていたことを思い知らされます。今回は、そのいくつかの例を挙げてみました。

 

①北炭の夕張新炭鉱

日本の石炭産業が海外の炭鉱に負けて、北海道や九州の炭鉱が次々と閉山していた頃です。最後の切り札として、北炭(北海道炭鉱汽船)が、夕張新炭鉱を開坑しました。安い海外炭に負けないよう、大幅な機械化でコストを下げる目論見でした。

 

私も日本から炭鉱が無くなるという事実を受け入れ難く、大いに期待していました。ところが、この夕張新炭鉱はガスの突出が多く、1975年に5名の死者を出す事故、1981年には爆発・火災事故が発生し、93名の生命が失われ、ついに力尽きて1982年に閉鉱してしまいました。

 

1984年に三井三池炭鉱有明鉱で死者83人、1985年に三菱南大夕張炭鉱で死者62人の大きな事故が発生し、日本の石炭産業存続への淡い期待は、木端無残に粉砕されてしまいました。一つの事業が終焉を迎える時、これでもか、これでもか、と容赦のない嵐が吹きつけて来るようです。

 

②コダック、富士写真フィルムの写真フィルム

これは、比較的最近の、説明する必要の無い有名な話です。

 

この教訓は、消耗品ビジネスの勝ち組であったコダックや富士写真フィルムであっても、元のカメラに技術革新が起きると、消耗品の方に影響が強く出て、ひとたまりも無かったということです。むしろ、消耗品ビジネスを羨んでいたカメラ会社が、デジカメで残ったのは皮肉です。そのカメラ会社も、今はケータイやスマホに押されていますが。

 

③プラズマ・ディスプレイ

プラズマ・ディスプレイの出現した頃を知っている古い者として、何で液晶に負けたのかという思いが強くします。最近の報道によると、最後に残っていたパナソニックも製造を止めることにしたようです。

 

初期のプラズマ・ディスプレイは、微かに光っているだけでした。次いでオレンジ色1色の時代がしばらく続きました。この時代、今は無き晴海の国際展示場に行くと、プラズマ・ディスプレイが毎年改良されているのが良くわかり、大いに期待していました。その後突如として、フルカラーのプラズマ・ディスプレイが出現し、ビックリしました。

 

私は、プラズマ・ディスプレイが何とか生きる道は無いものかと思っていましたが、現実はそんな感傷を踏み倒し、技術革新というブルドーザーは容赦なく周囲をなぎ倒して進んでいったようです。

 

ついでですが、私は有機ELディスプレイの画像を見て、液晶よりも画質が良く、液晶にとって変わると思っていますが、また液晶の進歩に負けてしまうのでしょうか?

 

液晶は、生まれは欠点だらけでしたが、苦労して大きくなり、立派になりました、と言うしかないですね。

2018.10.22