本棚の隅に放っておいた、1960年代の新聞の切り抜き(6割が科学関係)を整理しようと埃を払いながら、引っ張り出して来ました。
懐かしい切り抜きを読んでみると、近頃の新聞の科学記事よりもよっぽどレベルが高いと改めて感じました。この頃は、新聞に毎週1ページの科学欄がありました。このようなスペースが新聞にあったということは、昔の方が新聞にも余裕があったのでしょうか?
切り抜きから、面白そうな見出しを幾つか挙げると、
・MHD発電
今も二三の大学で研究が継続されているようです。2年ほど前に、木々に囲まれた東工大のバラック小屋の中に研究設備があるのを偶然見つけました
・新しい素粒子の発見(いくつかの粒子の発見のニュースが掲載されています)
この時代は、新しい粒子が続々と発見されていた頃です。ただし、これらの粒子は、現在は素粒子ではありません。
・葉緑体で発電
現在も検討が行われていますが、まだまだ基礎研究段階です。
・海水から吸着剤でウランを分離
現在でも検討している研究機関がありますが、基礎研究段階です。
・応用広がるコラーゲン、振動板や手術糸
スピーカーの振動板や手術糸の一部で使われていましたが、現在は使われていないようです。
こうしてみると、現在では使われていない技術や未完成の技術が多いです。私の趣味が偏っていたのか、記事を書いた記者の好みが偏っていたのか、どちらでしょう。半世紀の間に素粒子の世界は、大きく変わりましたが、MHD発電・葉緑体で発電・海水からウランなどの技術は、完成するとしたらまた半世紀かかるのでしょうか?
2013.07.25