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ほぼ週二 横浜の山の中通信

人と異なる視点から見る

新聞の科学欄は昔の方が充実していた?

2013年07月25日 | 科学・技術

本棚の隅に放っておいた、1960年代の新聞の切り抜き(6割が科学関係)を整理しようと埃を払いながら、引っ張り出して来ました。

懐かしい切り抜きを読んでみると、近頃の新聞の科学記事よりもよっぽどレベルが高いと改めて感じました。この頃は、新聞に毎週1ページの科学欄がありました。このようなスペースが新聞にあったということは、昔の方が新聞にも余裕があったのでしょうか?

切り抜きから、面白そうな見出しを幾つか挙げると、

MHD発電

今も二三の大学で研究が継続されているようです。2年ほど前に、木々に囲まれた東工大のバラック小屋の中に研究設備があるのを偶然見つけました

・新しい素粒子の発見(いくつかの粒子の発見のニュースが掲載されています)

この時代は、新しい粒子が続々と発見されていた頃です。ただし、これらの粒子は、現在は素粒子ではありません。

・葉緑体で発電

現在も検討が行われていますが、まだまだ基礎研究段階です。

・海水から吸着剤でウランを分離

現在でも検討している研究機関がありますが、基礎研究段階です。

・応用広がるコラーゲン、振動板や手術糸

スピーカーの振動板や手術糸の一部で使われていましたが、現在は使われていないようです。

こうしてみると、現在では使われていない技術や未完成の技術が多いです。私の趣味が偏っていたのか、記事を書いた記者の好みが偏っていたのか、どちらでしょう。半世紀の間に素粒子の世界は、大きく変わりましたが、MHD発電・葉緑体で発電・海水からウランなどの技術は、完成するとしたらまた半世紀かかるのでしょうか?

2013.07.25

 


30分で作れた100円アンテナでTVが見られる-その2

2013年06月08日 | 科学・技術

平面アンテナ製作の詳細は下部に示していますが、自分は次のように作りました。

 

・ベニヤ板の代わりに、「百均」で発砲スチロール(写真で黄色に見える部分)を買って来ました。加工が楽です。

 

・接着は、百均で発砲スチロール用接着剤も売っていますが、両面テープにしました。

 

・同軸ケーブルは、捨てた古いTVのケーブルを再利用しました。同軸ケーブルからビニール線を繋いで、アルミ箔と接着しています。この方が接続し易いので、オリジナルから変更しました。

 

・裏側は全面にアルミ箔を貼るのですが、間違えて表側と同じ20cm角になっています。

 

この写真は、裏側から撮りました。

 

 

【平面アンテナの作り方】

 

(材料)

・ベニヤ板30cm角、510mmt  →百均で買った発砲スチロール10mmt 板を使用

・アルミ箔 →家庭用

・接着剤 →家にあった両面テープ

・同軸ケーブル →古いTVのケーブル

・導電性テープ →普通のセロテープ

 

(作り方)

1.アルミ箔を20cm角の正方形に切る

2.隙間の無いように、1.のアルミ箔をベニヤに板に貼る →表側

3.ベニヤ全面にアルミ箔を貼る →裏側

4.端から2.5cmの所に穴を開けて、裏側から同軸ケーブルを通す

5.同軸ケーブルの芯線を表側のアルミ箔と接着

6.同軸ケーブルの網線を裏側のアルミを接着

 

この平面アンテナは、次のビデオに載っていたものです。

国際科学技術財団 「やさしい科学技術セミナー」222回(2012713日)

「マイクロ波無線電力伝送」 三谷友彦 京都大学准教授

http://www.youtube.com/watch?v=eIAVcy1vPFQ&feature=youtu.be

このビデオの1時間0830秒~1時間1130秒の部分でアンテナの説明をしています。

 

2013.06.09

 

 

 

 

 

 


30分で作れた100円アンテナでTVが見られる-その1

2013年06月08日 | 科学・技術

横浜の山間部の谷間にある木造2階建ての我が家では、約10年前に出来た、近くの斜面に建つ実質9階建てマンションの屋上アンテナから共同受信方式で受信し、地デジを見ています。ところが、時々TV画面が真っ黒になって「受信感度が低下しています」という表示が出ます。数秒で復帰する時が多いのですが、数十分かかる時もあり、困っています。

 

そこで、「ダメモト」で、室内アンテナを自作しました。詳しい説明は「30分で作れる100円アンテナでTVが見られる-その2」に書いてあります。ホントに、百円で、30分で出来ました。ただし、作り易いように、オリジナルから勝手にアレンジしています。それでも、テレビが見られるのには驚きました。

 

こんなに簡単な設備で、かつ、いかにも電波状況の悪そうな我が家の2階の室内で、TVを見られるのには感動しました。実際は、PCに付いているTVで見ています。さすがに、東京MXテレビはダメでしたが、キー局は全て見られました。

この写真は、ガラス窓(ちょうどこの方向がスカイツリーのようです)のすぐ内側にぶら下げた平面アンテナです。

 

しかし、これでは居間のテレビが良くなるわけではないので、対策を思案中です。

 

 

2013.06.09

 

 

 

 

 

 


メタンハイドレート、南海地震の震源域で商業生産できる?

2013年04月21日 | 科学・技術

現在ほとんどの原発が停止しており、原発以外のエネルギー、太陽光・風力、LNG(液化天然ガス)、シェールオイル・ガスなどに関心が集まっています。

このような状況下で、先日、渥美半島~志摩半島沖の海底下の地層から、メタンハイドレートの海洋産出試験が行われ、メタンハイドレートのガス採取が大きく報道されました。

 

メタンハイドレードは、深海底のような「低温・高圧」では固体で、地上では-80℃以上になると、気体になります。その主成分は天然ガスと同じメタンです。

 

メタンハイドレートは、海底や海底下の地層に存在します。

 

海底表面に塊で露出、あるいは海底下の地層に塊で存在している。

 ⇒現時点で、コストに見合う採取法が無い

 

海底下の砂層中に固体で存在している。南海トラフ付近はこの形態。

⇒ガス化して取り出せるなら、扱いが比較的容易


②の砂層中からの採取には次のような方法が試みられています。

 

・(加熱法)温水注入によって、加熱しガス化する →エネルギーを食いすぎで実用的で無い

 

・(減圧法)圧力を低くしてガス化する →カナダの陸上部で採取実験済み

 

今回試験を行った渥美半島~志摩半島沖は、この減圧法でガス化して採取した。

ということで、当面は南海トラフ付近で減圧法を用いて試験採取することになります。メ
タンハイドレートの「産出試験」としては、これで良いと思います。

ところで南海トラフは、紀伊半島や四国の沖、100150Kmにあって、深さは4000m程度です。南海トラフ(あまり深くないので、「海溝」では無く「トラフ」と呼ぶ)では、陸側のユーラシアプレートの下に海側からフィリピン海プレートが潜り込んでいます。

タンハイドレートは、南海トラフと紀伊半島や四国などの陸地との間に分布し、ほぼ南海地震の想定震源域付近の海底です。

 

そうすると、疑問が浮かびます。メタンハイドレートを掘削し生産する海上施設を、陸地から数十Km沖に設置すると、南海地震が発生したらこの施設は地震動と津波の影響を大きく受けるはずです。そうすると、メタンハイドレートの生産施設の安全は確保できるのでしょうか?ほとんど震源域の真上ですよ。(メタンハイドレートの採取が南海地震を誘発しないと思いますが、そのうちきっと「誘発する」と主張する人も出てきます。)

 

タンハイドレートは、大地震が発生する可能性の低い海域で、採取可能な地層を探すしか無いと思います。南海トラフ付近でのタンハイドレートの商業生産はありえないです。

 

2013.04.21

 

下記の情報を追加しました。

lタンハイドレート(MH)の日本周辺の分布は、下記の「メタンハイドレート資源開発研究コンソーシアム(通称:MH21)」のサイトで見られます。

http://www.mh21japan.gr.jp/mh/03-2/

 

このページの一番下です。メタンハイドレートが一番多く分布しているのが、南海トラフ付近とは!

 

l        南海トラフ、および南海地震想定震源域は、地震調査研究本部のサイト

http://www.jishin.go.jp/main/yosokuchizu/kaiko/k25_nankai.htm

で見られます。

 

2013.05.08


国際線形加速器ILCの日本誘致より、原発対策を!

2013年04月21日 | 科学・技術

ILCInternational Linear Collider)を日本に誘致する話があります。

 

現在、ジュネーブ近郊の地下100mにある周長27Kmの円形加速器が、世界最高の性能を誇っています。この加速器は国際協力で出来たもので、最近ではヒッグス粒子が存在するという証拠を見つけたという発表がありました。

しかし、この加速器でも性能的に不十分なので、次は円形ではなく、直線で約30Kmの加速器を地下100mに作る計画があります。日本は、佐賀県の背振山地(福岡市中心部から南約20Kmの佐賀県側)と岩手県の北上山地(盛岡市と三陸海岸の間)が候補地として名乗りを上げています。誘致場所は、活断層が無く、固い岩盤があるという条件があり、いずれの場所も適地であるということです。他に手を挙げた国は、アメリカ、欧州などですが、アメリカ・欧州は手を下したそうです。

 

費用

このILC計画も国際協力で建設するので、各国は分担金を支出することになるわけですが、誘致国は多めに出すことになります。建設費は10年で8000億円を見込んでおり、誘致国がその約半分(と言うことは、4000億円)を負担するそうです。

 

活断層

産総研・地質調査総合センター(以前の地質調査所)の「地質Navi」を見ると、確かに、北上山地には活断層が一本も無いです。脊振山地は近くに1本ありますが、これを避けても30Kmは取れそう。

 

課題

しかし、私はこの国際線形加速器ILCの日本誘致には反対です。その理由は次の二点です

①今世界から日本に求められている第一は、福島の原発対策です。こちらに、お金と人材を掛けるのが、日本の責任です。

②地震活動が活発化している日本列島に、長期間30KmにわたってILCの精密さを保証できるのか?近くに活断層が無く、固い地盤に乗っていても、海溝型の地震の影響は出るのでは?

 

加速器を使った素粒子実験は、コスト的にも性能的にもそろそろ限界が来ており、もう終わりにして別の方法を考えた方が良いと思います。それほど実世界に役立つことは無いのですから。

 

2013.04.21