「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「10年、10冊の重み」

2016年01月22日 | 趣味・・エッセイ

            
              創刊号から第10号まで。かけがえのない10冊。

定年退職して5年がたったころ、ふと目に止まった小さな囲いの新聞記事。
「短いエッセイを書いて新聞に投稿する会」つまり「「岩国エッセイサロン」の同好の士を募る募集要項であった。
その時は鋭く反応するというより、「オヤッ、こんな人が岩国にもいるんだ」という程度の軽い反応であったと記憶する。

エッセイや随筆などと言われると、ホンの少しではあるが「腕におぼえアリ?」という自己チュー的感情が、私の中で芽生えた。
60歳定年まで勤めた岩国工場で、その半分以上の長い間、毎月1回発行される工場機関誌に随筆を投稿してきた。
そうは言いながらも、エッセイや随筆の書き方の勉強をしたわけでもなく、ただお気に入り作家の本を読んだり、高校時代の作文を褒められたという程度の実績しか持ち合わせない小生の随筆。その出来栄えたるやお粗末極まりないと思いつつも、機関紙発行責任者の温情に甘えて続けて来た。

そんな背景に背中を押され、募集に至るお話を訊きたくてエッセイサロン代表に電話を入れたのが、2007年1月下旬であった。
あれから丸9年という歳月が流れたことを、長かったような短かったような、複雑な心境で思い起こしている。

電話の向こうで「過去に新聞に投稿したことがありますか」との質問があった。「そうか、実績がないとダメなのか」と自己反省した。
取り敢えず中国新聞読者投稿欄「広場」に一筆啓上してみた。有難いことに初投稿、初掲載。手土産代わりに引っ提げて、その年の2月定例会に、おそるおそる顔を出した。なんとか仲間に入れてもらって、「岩国エッセイサロン同人」という名刺が出来上がった。
そんなこんなで、小生自身の在籍は丸9年、10年目を迎えている。

実績丸10年、11年目を迎えている岩国エッセイサロンの代表は、偶然にも同級生で、大企業OBという共通点があった。
もちろん、職責の大きさや責任の重さは比べようもないほど異なるが、同い年という点では、何かしら気楽さを感じさせてもらった。
そんな代表は技術畑出身であり、その緻密な計算や過去の辛酸と歓喜の体験を基に、立ち上げから今日に至る紆余曲折を一身に受け止め、見事な統率力を遺憾なく発揮。会員一同を引っ張ってきたその手腕と人間的魅力は、入会1年遅れの小生ではあるが、誰よりも認識していると自負する。

そんな男同士、同級生同士という境遇に甘えて、随分なご苦労を任せてきたという感謝の念を忘れたことはない。
その第一に上げるのがこの「花水木」という小冊子である。他にも彼にしかできない多くがある。しかし、彼の性格は、それらを披歴することを喜ばないこともよく知っている。ここでは、「花水木」だけにとどめ置きたい。

結成1年目から、その1年間に新聞各紙に掲載された、エッセイや意見提言などをまとめて、一冊の文集を作り上げる。
しかも最低限の値段で印刷屋と渡り合うには、それなりの努力が要る。装丁はもとより、目次・本文一切合財を自らの手で原稿作りをする。
まさに並大抵の努力ではできない苦労をこの目で確かめてきた。それを、冗談ぽく笑い飛ばして苦労に見せない優しさを持っている。

ちょっと褒め過ぎだ~と、本人から叱られるかもしれないが、そうして積み重ねてきた10年、そして「花水木第10号」。
我が作品も活字となって随所に納められており、珠玉の10冊が本棚に鎮座まします。孫たちにも自慢できる足跡であろうか。

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6 コメント

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ロードスター (yattaro-さん)
2016-01-23 20:53:47
いやいや、褒め方がまだ大分足りないような…気もしないことはありませんが、少し尻のあたりが痒くなってきました。
こんなことが出来るのも、いつも元気でにこにこして励ましてくれる皆さんの前、ではな気皆さんのおかげです。これからもどうかよろしくお願いいたします。こんな長いブログ、お疲れ様でした。ありがとうございました。
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ロードスター さん (yattaro-)
2016-01-23 22:30:07
やっぱり!!まだ褒め言葉が足りなかったような気がしないでもないでもないような。
この倍くらいの長さで褒めあげてもまだ足らないかもしれません。
お陰様で、楽しくも充実したエッセイと親しむ9年間、そして創刊号も含めて9冊の「花水木」。
あ感謝です。たとえ内容はイマイチ、いやもっと稚拙だとしても、その都度頭をひねったことを、孫たちにじまんできるのかな・・・と。
それもこれも、アシスタントを生き甲斐にしてきた私・・・ではなく、ひとえにロードスターさんのお蔭です。スリスリ。
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花水木・・・・ (takeko)
2016-01-24 01:06:56
まーまー二人ともすごい!爪の垢でもまねしたいけど、やーめた。これからも体に気をつけてがんばりーね。
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takeko さん (yattaro-)
2016-01-24 21:36:12
二人ともすごいんじゃなく、彼がすごいんよ。
こちらは、付いて行っているだけなんよ。
まあこれからも色んなことを楽しみながらね。
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花水木 (ピヨピヨ)
2016-01-25 09:59:51
私も家族も、花水木の大ファンです。
新聞投稿欄でお名前を見つけると、朝から嬉しい気持ちになるものです。
「類は友を呼ぶ」と言うお手本の様に感じます。
これからも、長く長く私たちを楽しまさせてくださいね。
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ピヨピヨ さん (yattaro-)
2016-01-25 11:46:44
花水木ファンがおられること、これは有難いです。
仲間に大きな声で伝えておきましょう。
それもこれもみんな、メンバーをまとめるリーダーのお蔭です。
個人的には、もう少し努力の余地があるように感じています。
今年度分がもうスタートしています。
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