北陸路の夜は「加賀温泉郷山中温泉」で一宿一飯の恩義に預かった。
豊富な湯量と、華やかさとは少し距離を置いた、寂れた冬枯れの自然を眺める露天風呂は、冷たい小雨が旅情をかき立ててくれる。
ここにも、かつて隆盛を極めたバブルの一時期を遠く忍ばせるような足跡が見える。時代は移り変わっている。特に観光地は。
二日目の朝一番に人間国宝、三代目徳田八十吉の作品が置かれている九谷焼の里に立ち寄り。
それはそれは見事な九谷焼の歴史や、豪華作品にうっとり。手も足も出ない高価な作品に目の保養をさせてもらった。
そしていよいよ、この旅の二つ目の目的地「白川郷合掌造り集落」へ。
うっすら施した雪化粧の歓迎を受けた。白川郷荻町合掌造り集落
以前訪れたのは、新緑が萌えていて雪には縁のない季節であった。その時に思ったのは「今度来るときは雪の白川郷を見たい」であった。
だから、節分を前にした大寒の最も寒い時期を選んだ。ところが暖冬に次ぐ暖冬で、北陸といえども雪景色は期待できない今年の冬。
添乗員さんも、バスガイドさんも「期待して」という声を発しない。ひたすら「運がよければ」の天任せ。
それがどうだ!三日前に少し降った雪が、まさに「冬の白川郷の正装」とも言える雪化粧でのお迎え、有り難かった。
しかも、ケバケバしさと落雪の危険さえ伴う豪雪ではないのだ。山口弁で云う「よーおいでました」と微笑むようなうっすら雪化粧。
おまけに、散策するときは小雪がチ~ラチラ、邪魔をしない程度に降りかかる。実によかった。普段の行いがよかったの誰?そりゃもう・・・??
中国で発生して猛威を振るうコロナウイルスのせいで、観光客は激減。ごった返す白川郷も随分とゆったり。しかも傍若無人な大声のおしゃべりも奇声も少なくて、日本の観光地を散策しているという気分に浸れた。これはある意味とても大切な旅情であると思っている。
但し、私たちもマスクを片時も放せない。食べ物一つ口にしようとすれば、持参の消毒スプレーをシュッと一吹き。
これは、今までに経験したことのない厳しさを伴う旅でもあった。その分、思いでも大きなものになるのかも。
そして三つ目の目的地「金沢兼六園へ」
さすがに、前田利家率いる加賀100万石を誇った、金沢城の前庭である。「文化財指定庭園 特別名勝」に指定されているだけのことはある。
お見事というほかない。ただ、お土産物屋さんの専属ガイドさんが案内してくれるのは有り難いのだが、早く案内を終えてお店に戻らそうという意図が見え見えで、急いでシャッター切らなければならない不都合さはある。それを、差し引いてもやはり目の保養には十分である。
わずか2日間でこれほどの旅が出来るとは、観光バスのドライバーやガイドさんの努力と、プロ意識に感謝したい。
そしてなんといっても新幹線・特急サンダーバードなど、高速鉄道のお陰にも感謝する一泊二日の旅であった。
またいつか思い出したときに、言い忘れた話など振り返ってみたい。、先ずは北陸の旅2日間を振り返る一席。お後がよろしいようで。
兼六園は若い頃に行ったことがあります。
そそ、冬の風物詩のように木を守るツリー・・・あれも美しいものですよね・・・
こちらもまったく雪が無いのは季節を間違えそうです(苦笑)
でも、いい旅をなさっていますね~・・・
白川郷は他の季節ももちろんいいのですが、出来るなら雪の合掌造り集落は絵になります。
冬に訪ねられたら最高ですよ。
今回は、なかなか雪らしい雪が降らなくて、私たち訪問の3日前に降った雪が残っていてくれました。
冬の秋田に雪がない・・・珍しい現象ですよね~。