「世の中、ちょっとやぶにらみ」

本音とたてまえ使い分け、視点をかえてにらんでみれば、違った世界が見えてくる・・・かな?    yattaro-

「エレベーターやっと」

2016年03月05日 | つれづれ噺

               
                   新岩国駅、運用開始したエレベーター。

今日は啓蟄(けいちつ)。地中の虫たちがうごめき始める季節。いよいよ春を身近に感じる頃ということか。
でも実際に虫たちが地中から顔を出すのは、もう少し先の話のようである。

     “ 啓蟄や 雲のあなたの 春の雲 ”       加藤 楸頓

いよいよ春を実感するようになり、世は行楽シーズンへと向かっていく。
そんな季節を先取りするとでも言おうか、先取りどころかいかにも時代遅れで恥ずかしいと言おうか、そんな話が新聞に載った。

「エレベーターやっと」という見出しで、次のように書かれている。
『全国の新幹線駅の中で唯一、エレベーターがなかった山陽新幹線新岩国駅で、4日(昨日)新設されたエレベーターの運用が始まった』
こんなこっぱずかしい話が今頃新聞ネタになること自体が、不名誉なことであり、我が住む街のど田舎ぶりを世間に公表するようなものだ。
と言っても、それが事実であり、現実なのだから何の申し開きようもない。

『以前からエレベーター設置を求める市民の声はあったが、市によると、1日の乗降客数が1800人と少ないことや費用負担の問題からJR側との協議が進んでいなかった』ということだそうな。
そんな背景からようやく重い腰を上げてバリアーフリー化を進めているJR西日本が、上下線のホームに1基ずつ設置した。
エレベーターのほか、多機能トイレやスロープの手すり改修など整備を始めた。事業費は2億4300万円で、JRのほか国と県市が一部を負担するのだという。

確かに1800人という乗降客数は、お話にならないほどの低さなのであろう。それはよくわかる。
それでもこのまま放置したら、東京行きは錦帯橋空港の空の便に全てを奪われてしまう。そんな危機感を察知したのだろうか。
それにしては動きが遅いねー。国有鉄道ではない、民間企業なのだから、もっと利用者に密着したサービスに素早く着手すべきあろうに。

もっとも、新幹線より遙かに歴史もあり乗降客数も多い、在来の岩国駅でさえエレベーターもエスカレーターもなかったのだ。
同窓会に千葉から来られた恩師が「幹事さん、岩国駅にエレベーター付けてもらってよ」と哀願されたのを思い出している。
そんな在来岩国駅も、やっとこさ建て替え工事が進められている。今度はエレベーターも設置されるに違いない。

なんとレベルの低い話をするものではある。でもこれが我が住む街の現状なのである。
嘆き節を吐露してはいても、何もかも我が住む街はダメだなどというのでは決してない。いいところも見つけないとね。
ただ言いたいことはもう少し、いやいっぱいある。ここでは黙ろう。どこかでちゃんと相手を定めて意見を述べる機会があるだろうから。

コメント (4)
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