本日はJR福知山線脱線事故から一年の日です。お亡くなりになった方々のご冥福を心からお祈りいたします。
「安全は輸送業務の最大の使命である」
かつて国鉄のどの職場にも掲げてあった『安全確保の綱領』の第一項です。どうかこの上位に“稼ぐ”などという浅はかな綱領が据えられないことを望みたいと思います。
さて、わたしたちも公園の小鉄道とはいえ不特定多数の方の乗車に供する鉄道を運営する身として安全は最大の注意事項として肝に銘じています。
模型ですから脱線に限定して言えば“ああ恥ずかしい”といったレベルで済むことがほとんどですが、だからといって何もしないでよいわけではありません。
写真をご覧ください。これは行徳レイアウトの駅構内にあるポイントの「フログ」と言われる部分の拡大です。真ん中の三角形の先端のようになっているところがフログです。その左上の線路へと磨耗痕が続いているのがお分かりになるでしょうか。
鍛造の丈夫なレールでもこの上を鉄の車輪が通り続けるとこのような磨耗をもたらしてしまうのです。この部分で脱線が頻発したので調べてみたらこのような磨耗痕が見つかったというわけです。車輪径が大きいと難なく乗り越えますが、一般に普及している小径の車輪ですと力のかかり具合では脱線するのです。
駅構内ですからスピードも遅く、脱線してもよっこらしょ、と復線してやれば終わりですが、補修が必要なことには違いありません。ただちに溶接機で肉盛りし、グラインダで修正して直しました。
このほか、カーブでは内側のレールに磨耗が激しく肩のRが取れてしまいます。ふつうは遠心力で外側のレールが損耗しそうに思いますが、スピードが遅いうえ、機関車牽引列車では引っ張りによる力がカーブ内側にかかるので、内側線路が減ってしまうのです。そうなると軋み音がしたり走行抵抗が急激に増えたりして走りにくくなり、場合によっては脱線の原因にもなります。これも発生しだいディスクグラインダで肩の面取りをし、塗油してやります。
また、行徳は埋立地ですので地盤が沈下して路盤が上下に波打ったりしている箇所もあります。ここも発見次第モルタルを盛るなどしてレベルを確保します。
このように施設面での安全確保は常時行なわれ、安全な走行に心がけています。
しかし、ATSはもちろんエアブレーキもない軽列車ですから(ブレーキの効きすぎによる衝動も危ないのです)、最後は運転する機関士、軌道・列車監視者の努力にゆだねられています。
そういう意味で怖いのは「置石」と「飛び出し」です。
置石は始めから意図的に行なわれているわけですからそれなりに抑止できますが、怖いのは列車の直前にふっと飛び出されることです。
ボールを追って子どもが出てくるという場面を想像しますが、案外大人も多いのです。「たかが模型の汽車」という認識で、ぶつかっても大したことはないと思っておいでなのでしょうが、列車重量は容易に自動車一台分になります。力行中の汽車を大人が止めようと思っても決して止められません。それともろにぶつかったら「痛い」だけでは済みません。ぶつかった方も怪我をしますし、突然の衝突で衝撃をうける乗客(多くは小さいお子さんです)の怪我も発生します。
もうひとつ危ないのが「足下ろし」です。走行中地面に足を下ろすと下ろした足は必ず線路側に巻き込まれます。そうなると客車の床と線路の間に足を挟まれて足を損傷してしまいます。また近くの植え込みや建植物に手を出すのも危険であることは実物も模型も変わりありません。
「ミニSL」列車も「鉄道の列車」という認識が必要です。これはわたしたちが日ごろの姿勢で啓発し示していくしかないと思っています。
小鉄道でも安全運行に必要なのは可能な限りのフェイルセーフの確立と当事者の安全認識だと考えています。
「安全は輸送業務の最大の使命である」
かつて国鉄のどの職場にも掲げてあった『安全確保の綱領』の第一項です。どうかこの上位に“稼ぐ”などという浅はかな綱領が据えられないことを望みたいと思います。
さて、わたしたちも公園の小鉄道とはいえ不特定多数の方の乗車に供する鉄道を運営する身として安全は最大の注意事項として肝に銘じています。
模型ですから脱線に限定して言えば“ああ恥ずかしい”といったレベルで済むことがほとんどですが、だからといって何もしないでよいわけではありません。
写真をご覧ください。これは行徳レイアウトの駅構内にあるポイントの「フログ」と言われる部分の拡大です。真ん中の三角形の先端のようになっているところがフログです。その左上の線路へと磨耗痕が続いているのがお分かりになるでしょうか。
鍛造の丈夫なレールでもこの上を鉄の車輪が通り続けるとこのような磨耗をもたらしてしまうのです。この部分で脱線が頻発したので調べてみたらこのような磨耗痕が見つかったというわけです。車輪径が大きいと難なく乗り越えますが、一般に普及している小径の車輪ですと力のかかり具合では脱線するのです。
駅構内ですからスピードも遅く、脱線してもよっこらしょ、と復線してやれば終わりですが、補修が必要なことには違いありません。ただちに溶接機で肉盛りし、グラインダで修正して直しました。
このほか、カーブでは内側のレールに磨耗が激しく肩のRが取れてしまいます。ふつうは遠心力で外側のレールが損耗しそうに思いますが、スピードが遅いうえ、機関車牽引列車では引っ張りによる力がカーブ内側にかかるので、内側線路が減ってしまうのです。そうなると軋み音がしたり走行抵抗が急激に増えたりして走りにくくなり、場合によっては脱線の原因にもなります。これも発生しだいディスクグラインダで肩の面取りをし、塗油してやります。
また、行徳は埋立地ですので地盤が沈下して路盤が上下に波打ったりしている箇所もあります。ここも発見次第モルタルを盛るなどしてレベルを確保します。
このように施設面での安全確保は常時行なわれ、安全な走行に心がけています。
しかし、ATSはもちろんエアブレーキもない軽列車ですから(ブレーキの効きすぎによる衝動も危ないのです)、最後は運転する機関士、軌道・列車監視者の努力にゆだねられています。
そういう意味で怖いのは「置石」と「飛び出し」です。
置石は始めから意図的に行なわれているわけですからそれなりに抑止できますが、怖いのは列車の直前にふっと飛び出されることです。
ボールを追って子どもが出てくるという場面を想像しますが、案外大人も多いのです。「たかが模型の汽車」という認識で、ぶつかっても大したことはないと思っておいでなのでしょうが、列車重量は容易に自動車一台分になります。力行中の汽車を大人が止めようと思っても決して止められません。それともろにぶつかったら「痛い」だけでは済みません。ぶつかった方も怪我をしますし、突然の衝突で衝撃をうける乗客(多くは小さいお子さんです)の怪我も発生します。
もうひとつ危ないのが「足下ろし」です。走行中地面に足を下ろすと下ろした足は必ず線路側に巻き込まれます。そうなると客車の床と線路の間に足を挟まれて足を損傷してしまいます。また近くの植え込みや建植物に手を出すのも危険であることは実物も模型も変わりありません。
「ミニSL」列車も「鉄道の列車」という認識が必要です。これはわたしたちが日ごろの姿勢で啓発し示していくしかないと思っています。
小鉄道でも安全運行に必要なのは可能な限りのフェイルセーフの確立と当事者の安全認識だと考えています。
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