蒸気鉄道日記

5インチゲージ・ライブスチーム活動の日々を書き連ねます。

ロケットの失敗談

2006年04月18日 | Weblog
 コンプレッサが退院してくるまでロケットはやることがないので、この間を利用して失敗談をご披露いたしましょう。

 そもそもわたしは事前にかなり慎重に考えてから行動に移る(と自分では思っている)のですが、残念ながら考えた時間ほどには結果がついて来ないのがいつものことです。
 ロケットもご同様でいくつもの失敗を重ねて完成に到ったわけです。

 今回お目にかけるのはテンダの樽(水タンク)です。真ん中に丸くヘソのようなものがありますね。こここそが失敗の現場です。
 ここにはポンプへ行く水管、フィードポンプからバイパス弁を経てタンクに水を戻す「戻し管」、補助水槽への水管などの配管が付くのですが、真下に開けるべきポンプへの穴を間違って真横に近いところに開けてしまったのです。真下と真横では水の受ける圧力は全然違います。だいいち水が半分になったら役目を果たせませんから当然開け直しです。

 正しい位置に開けなおしたのは良いとして、問題はよけいなところに空いてしまった穴をどうするのか、ということです。
 この水タンク(樽)を作るに当たっては多大な時間と労力と精神的負担が費消されております。「作り直し」などという恐ろしい選択は絶対にありえません。
 凡人のわたしは、まず「どうやったら分からないように塞げるか」ということに頭を悩ませていたわけです。しかしニガテな木工ではろくなアイデアは浮かびません。

 ふと、「本物の樽に穴を開けてしまった場合はどうするんだろうか」ということが頭をよぎりました。わたしなら簡単に栓をしておしまいにするだろうなぁ--と考えた瞬間、解決法が決定しました。分からないように塞ぐより積極的に利用してディテールにしてしまおうという、われながら冴えた結論にほれぼれとしたことはいうまでもありません。

 さっそく檜の丸棒を購入、旋盤で穴径を中心としたテーパーの栓を製作。穴に打ち込んでエポキシで固め。さらにエポキシとガラス繊維で水漏れ防止を図ったのでありました。結果はまったく問題なく、タンクとしての機能は全然損なわれませんでした。

 誰かに「この栓は何ですか」と聞かれたら「どこかのオッチョコチョイが間違って穴を開けちゃったので栓をしたということにしたディテールです」と、樽にこめられたストーリィを語って聞かせることにしています。なにしろ実話ですからすばらしい説得力です。
 しかし、いまだに誰からも質問を受けないので、ちょっと拍子抜けです。もう公開しちゃったから今後もだれからも聞かれないでしょうね。
コメント
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