ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

あれから10年、あれから半年

2011年09月11日 | 日々のつぶやき
9.11から今日で10年。
あるMLで知り合った大切な人が、その時ロサンゼルスに住んでいた。
テロに遭った飛行機は、ロサンゼルス発だったか、行きだったか・・・、ということだった。
あの映像を見た瞬間、もしやその飛行機に乗ってはいないか、巻き込まれてはいないか、
ひどく気持ちがざわついて、すぐにMLに投稿した。
幸いにも、彼女もそのご家族も、ご無事であることがわかった。

一度もお会いしたことはなかったのだけれど、彼女のおかげでわたしは、
それまで、自覚できないぐらい心の深いところに抱えていた足かせが取れた、と思っている。
それは、母親としても小児科医としても、その後のわたしの、文字通り「生き方」を、
根本から大きく変化させるものであり、新しい目標を定めてくれるものでもあった。

そして、3.11から半年になる。
この夏、思いもかけず、今は帰国しているその彼女からメールをいただいた。
 「訪ねてもよろしいですか? ただ、お会いしたいのです。」
・・・と。
わたしが、9.11の時にメールしたことを、覚えていて下さったのだそうだ。
そして、福島のことを、とても心配して下さっていた。
同年代ではあるけれども、わたしにとっては恩師のような存在の彼女からのメールに、
言葉にすることもできないぐらい、ただただ、嬉しかった。
初めてお会いする彼女は、立派な論文を書いたりさまざまな講演会をなさっているイメージではなく、
気さくで明るくて、いまだに少女のような雰囲気をお持ちだった。
ほんの半日足らずの福島滞在だったけれど、ずっとおしゃべりの種は尽きなかった。
弟子のようなつもりでいるわたしを、友人のひとりのように思っていただいていることも、
恐縮すると同時に、心から嬉しかった。


3.11から半年・・・。
岩手県も宮城県も、復興には相当の年月がかかりそうだ。
沿岸部の、街ごと被災した地域でも、福島県とは理由こそ異なるけれども、
もしかしたらもう住めないかもしれないという不安を抱えながら、仮設で暮らしている方々がいる。

これからも、戦いの日々は続く。
そう、・・・これは、きっと、戦いなのだ・・・。

 相手は、誰?
 国?
 政府?
 東電?
 行政?
 放射線?

たぶん、最も手強い相手は、人の心・・・。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
嬉しい出会いですね^^ (山田)
2011-09-11 21:24:41
運命の出会いかもしれませんね^^
ところで、MLとは、どういう意味(何の略)なのですか?
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Unknown (omizo)
2011-09-12 22:21:13
先生のブログは以前から読ませていただいております。先生の今後の診療が疲労でお倒れにならない事を危惧いたします。

人の心。もっとも手ごわいですね。自己の心の制御とも。

 感染症が伝染病と呼ばれていた時代、はやり病と呼ばれていた時代、感染症前文が書かれ。 それでもあの新型インフルエンザ騒動が起こった。 


そっれでも、パンドラの壷から最後に出てきた、希望を。


MLは、Mailing list:メーリングリスト です。 
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