ひまわりの種

毎日の診療や暮しの中で感じたことを、思いつくまま書いていきます。
不定期更新、ご容赦下さい。

赤ちゃん用の手作りマスク

2011年04月06日 | 東日本大震災
おととい、中くらいの段ボール箱がクリニックに届いた。
差出人は知らない方。

開けてみたら、2つの紙袋にそれぞれサイズの違うガーゼのマスクがびっしり。

外来小児科学学会というのがあるのだが、そこで知り合いになった小児科の先生を通して、
その先生のいらっしゃる街のお母さま方有志の、手作りのマスクだった。
差出人は、そのお母さまの(多分代表の方の)お名前だった。

 

写真の上は、普通の大人用マスク。
下の向かって右側が赤ちゃん用。 左側が少し大きい乳幼児用。
たしかに、マスクって、子供用はあるけど、ほとんどは幼児向けで、赤ちゃん用のはない。
赤ちゃんの場合は窒息の危険性もあるし、市販するには無理があるのかも知れない。
どうしても小さい赤ちゃん~乳児に必要なら、手作りするしかない。

その先生の知り合いのお母さまたちが、福島の子どもたちのために何かしてあげたい、
なら、売ってない赤ちゃん用のマスクを作ろう、
ということで、お母さま方が集まって手作りして、送って下さったのだそうだ。
心のこもったお手紙も添えてあった。涙が出た。

   

ひとつひとつ袋に入れてあって、それぞれに、ちゃんとこんなコメントが入っている。

放射線の影響は、強制避難区域ではない地域では、心配のないレベルだという。
今や、さまざまな「専門家」の方々がメディアを通していろんなコメントを下さる。
不安を煽るようなものもあれば、安心できる(おそらくは信頼できる)ものもある。
ある「専門家」は、外出の際にはマスクや濡れたタオルなどで口を覆って、とおっしゃる。
またある「専門家」は、この程度の放射線ならマスクなどは無意味とおっしゃる。
何を、どの程度信用するかは、ここまでくると、個人で判断するしかない。

でも、でも・・・。
将来ある子どものためなら、どんな予防でもしておきたいというのが、親心というもの。
無意味だろうが、ナンだろうが。
福島市の街中も、歩いている方々は、みんなマスクをしている。

だけど、小さい赤ちゃんたちには、マスクがない。
手作りキットやら、レシピはあるだろうが、今、この地の親たちに、そんな余裕はないだろう。
食料や水やらの調達でアタマはいっぱいだ。
ちょっと外出する時だけでも、マスクができれば、ママたちも少しは安心できる。

新聞やTVに載るような支援ではなくても、こんなさりげない心遣いは、本当にうれしい。
わたしたちはひとりじゃないんだな、頑張らなくちゃ、って思える。

恵那市のお母さま方、本当にありがとう

  (勝手ながら、ブログでご紹介させていただきました。)