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2012年に読んだ本 ベスト10

今年読んだ本は209冊。2007年180冊、2008年136冊、2009年129冊と減少した後、2010年132冊、2011年183冊と盛り返してきて3年連続で増加、久し振りに200冊を超えた。自分でも強く感じているのだが、この冊数の増加は、「軽い本」ばかり読みすぎたことの反映だ。今まで読んできたシリーズものを惰性で読んでいるだけの読書が多く、新しい発見や新鮮な驚きが今年はとりわけ少なかったように思う。そのため、ベスト10を選ぼうと思って、今年読んだ本の記事を見てみたが、本当に印象に残った本は、限られた数しかなかった。もっと新しいものを積極的に読んでいくようにしなければいけないと強く反省している。

ともあれ、2012年の収穫は、大島真寿美と北中欧ミステリーの2つ。この2つだけは強く印象に残っている。

①「ピエタ」 大島真寿美:今年読んだ小説のベスト1。とにかく最後の1行に凝縮された作者の思いに痺れた。 

②「化石の分子生物学」 更科功:福岡伸一に匹敵する科学的な思考とリリカルな文章の融合が心地よかった。

③「湿地」 アーナルデュル・インドリダソン:北欧ミステリーと出会った本。がっかりすることの多かった海外ミステリーに対する見方を変えてくれた。

④「世界クッキー」 川上未映子:句読点の少ない独特の語り口、テンポで語られる「震災後」。震災後に読んで心を揺さぶられた数少ない本だった。

⑤「あんじゅう」 宮部みゆき:本当に本物のエンターテイメント小説。読後しばらく、他の本の大半(宮部みゆきの本も含めて)がつまらない本のように思えてしまって困った。

⑥「いのちなりけり」 葉室麟:直木賞受賞で、初めて存在を知った作者。まだまだ知らないことが多いのだなぁと痛感させられた1冊。

⑦「犯罪」「罪悪」フェルナンド・シーラッハ:流行の北中欧ミステリーの1冊だが、2冊目のあっとどろく仕掛けに度肝を抜かれた。

⑧「未知なるミャンマー」 春日孝之:毎年何となく気の重いミャンマー出張だが、今年はこれを読んだおかげで、何となくミャンマー出張が楽しくなるような気がする。

⑨「チョコレートの世界史」 武田尚子:日ごろ美味しく食べているだけのチョコレートにこれほどまでに深い歴史といわくがあったことに単純に感動。以来、チョコレートを食べるたびに思い出しては、感謝感謝とつぶやくようになった。

⑩「私を知らないで」 白川三兎:年末に読んだ本。おじさんも感動してしまう中学生青春小説。

 

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