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消費者金融ずるずる日記 加原井末路

三五館シンシャの「ドキュメント日記シリーズ」は本書で8冊目。今回は、中堅の消費者金融会社の元社員が、在籍当時の日常業務の内容や色々な顧客とのやり取りなどを分かりやすく教えてくれる内容。銀行が一時的に傘下に収めた優良大手数社、悪辣な営業で世を騒がせた大手2社などについては現役中に仕事上の関わりがあったり事件の報道などを通じて少しは知識があったし、闇金のような違法会社については小説や漫画で内情を垣間見たりできたが、それらの中間的存在とも言える比較的穏健な中堅の消費者金融会社というものについてはほとんど知る機会もなく、本書を読んで色々なことが分かってとても面白かった。特に、受付時の勤務先在籍確認電話とか、審査ルール(大手は3社まで、中堅は7社くらいまで等)や取立てルールなどが実際はそうだったんだという感じで興味深かった。もう一つ面白かったのは、①貸出金利のグレーゾーンの禁止 ②取立て行為規制の厳格化 ③団信加入の禁止 ④貸出金額の総量規制(年収の1/3まで)という2010年代の改正貸金業法完全実施前後の変化についての記述。全体を通じて、これまで知ることができなかった業界の内情を色々知ることができ、面白くて為になる一冊だった。(「消費者金融ずるずる日記」 加原井末路、三五館シンシャ)
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