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難問の多い料理店 結城真一郎

著者の本は2冊目。前作が面白かったので期待して読んだが、期待以上に面白かった。内容は、ネットで注文すると料理を届けてくれるサービスの配達員の目線で書かれたミステリーの連作短編集。舞台となる料理を提供する店がかなり変わっていて、注文する料理の組み合わせが暗号になっていて、注文者(依頼者)からの求めに応じて探偵業を請け負っているという設定で話が進む。最初の数編は、火災現場から発見された謎の死体、アパートの空き室に大量に届く宅配品の謎、死亡する数ヶ月前に既に指が切断された死体の謎等、謎解き中心のミステリー短編集かと思いきや、収録された6編のうちの4編目あたりから何だか様相が非常に不穏になってきて、最終話で店のオーナーが発する言葉に唖然とさせられる。なお、話の中でオーナーが発する「最近キャンセルが多い」という一言に秘められた謎解きは、宅配料理を自分で注文したことがないのでそういう仕組みなのかと驚くと同時にすごい推理だなぁと感心してしまった。(「難問の多い料理店」 結城真一郎、集英社)
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