goo

オンライン講義 宇宙論22

今回のテーマは「バリオン音響振動」。この講義を聴き始めるまで全く聞いたことのなかったワードだが、講義を聞いてどういうものか何となく分かったような気がした。バリオン音響振動(BAO:Baryon Acoustic Oscillation)とは、宇宙の晴れ上がり前、即ち宇宙に水素原子などができる前(宇宙が高温のプラズマ宇宙だった頃)に、重力不安定性によって密度の濃いところが潰れたり広がったりしたその振動が音波として宇宙全体に響き渡っていたその残響。晴れ上がりによって一瞬で消えたのでその最後の響きが今でも聞ける。これまで講義で聞いてきたCMBも実は、温度ゆらぎ=密度ゆらぎ=音波もようのBAOを観測しているとのこと。1990年代にはCOBEによってCMBゆらぎの主成分がBAOであることが確認され、2003年にはWMADによってくっきり見られるようになった。宇宙の初期ゆらぎのパターンが刻まれたBAOを観測することによって当時の宇宙の大きさが確定されるなど、BAOによる宇宙論の進歩は計り知れないほど大きいらしい。今回の講義では、BAOというものの不思議さもさることながら、初期宇宙についてここまで分かっているのかということ、それによってビッグバンとかインフレーションという理論が補強されていることに驚きを感じた。次回は「宇宙の晴れ上がりのメカニズム」ということで今回の内容をさらに掘り下げるとのこと。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )