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ボロゴーヴィはミムジイ ルイス・バジェット他

古典的なSFの名作の復刻版。うたい文句が「よみがえる名作」とあり、SFファンには待ちに待った刊行らしい。書かれた時期は、SFマガジン創刊後ということなので、1950年代あたりのようだ。内容は「時間」を統一テーマにした短編集で、古典というだけあって話は最近のSFに比べて分かりやすい一方、思った以上にバラエティに富んだストーリーと各短編共通の深い思弁性に驚かされる。恐らくこうした思弁的な作品が編者の好みなのだろう。それからやはり何と言っても、全体を覆う暗さは、世界大戦後という時代を反映しているのだろう。特に表題作の「次世代への期待と恐れ」はまさしくその時代を感じさせる古典的な名作だと感じた。(「ボロゴーヴィはミムジイ」 ルイス・バジェット他、ハヤカワ文庫)

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