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百年法(上・下) 山田宗樹

不老不死の技術が開発された世界を描く歴史改変SF。かなりの長編にもかかわらず、決まった主人公というものがいない。その分、登場人物の造形がクリアではないし、登場人物の中の誰かに気持ちを寄せて読み進めることが出来ないのだが、そうした点があまり気にならないほど話の展開が面白い。最後に2つほど大きな謎の解明と全てをひっくり返すような新事実が提示されて、話は一気に思いもよらない結末を迎える。どうして話をこの時代にしたのか良く判らない点など、欠点はいくつかあるのだろうが、スケールの大きさと展開の面白さで十分傑作といえる気がした。(「百年法(上・下)」 山田宗樹、角川書店)

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