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愚行録 貫井徳郎

これぞ「イヤミス」の典型という作品。最初にある新聞記事が提示され、その後、ある一家惨殺事件の関係者の証言と、それとどう関係するのか最後まで謎のある女性の語りが交互に示され、最後に両方が繋がる。その繋がりを解く鍵が最初に示された新聞記事ということだが、関係者の証言も女性の語りの部分も、何とも自分勝手な証言ばかりで、まさに「愚行録」そのものだ。著者の経歴をみると、被害者の1人の出身校、勤める会社の業種など、本書のストーリーとダブる部分が多いのは、この作品は著者にとって何か特別な作品なのだろうかと思わせる。(「愚行録」 貫井徳郎、創元推理文庫)

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