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ふるさとへ廻る六部は 藤沢周平

著者のエッセイ集を読むのは初めて。好きな小説家のエッセイを読む理由は、その作家を色々な観点からもっと知りたいから、作家の小説の背景のようなものを知りたいから、単純に読んでいて面白いからなど、様々だと思うが、私の場合は主に2つ目の理由によることが多い。私自身は、著者のことをとことん知りたいというほど、熱心な読者ではないと思う。それでも面白いから色々読んでいて、文庫本に限って言えばほとんど読んでしまったような気がするが、どれを読んでいてどれを読んでいないかなどを調べたことはない。一方、本書に収められたエッセイは、もう20年近く前のものばかりで、さすがに内容はかなり古い。私としても今回に限って言えば、著者の小説の読み方の参考になることがもしかしたらあるかもしれないという期待もあった。しかし、すでに著者の小説はかなり読んでしまっているので、もう一度読み直すのでない限り、そうした知識もあまり役に立たないことになる。それでも結構面白く読めたのは、やはり著者の色々なものを見る目が面白いからなのだろうと思った。(「ふるさとへ廻る六部は」 藤沢周平、新潮文庫)

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