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私の嫌いな10人の人びと 中島義道
大好きなノンフィクション作家・高野秀行が「エンタメノンフの理事長(横綱よりも上)」と言い切る著者の本を初めて読んだ。高野氏が薦めるどころか大絶賛する著者の本とはどんな本なのか、期待度十分で読んだが、全く「最強」という名にふさわしい内容だった。この著者を薦めてくれたことで、私の高野氏に対する読書指南としての信頼感はますます強くなった。
さて、自分と周囲のいざこざまで全部さらけ出しながら、自分の頭で考えない人々を徹底的にこき下ろす本書を読んでいると、著者の講演を聴いた学生3人が精神に変調をきたしたという著者自身が語るエピソードが判るような気がする。何の思考もなくマジョリティーになることを選択してそれに安住している人びと、さらにはマジョリティーになることよりも「マジョリティーと見られること」に汲々としている人びととの戦いの記録のようなものだが、文章を書く際に重視したい「覚悟」という点では、まさに著者こそ「理事長」にふさわしいと思えてくる。著者が本書で指摘しているような人々は、著者の懸命な抵抗にも関わらず急速に増えているのではないか。私自身はどうかというと、10のうち2つ当てはまるような気がして、何だかもっと生き方を変えたいなぁと思ってしまった。また、巻末の解説をアナウンサー「麻木久仁子」さんが書いているがこれがスゴイ。これまで何百と読んできた文庫の巻末の中でも、1,2を争う名文だと感じた。下手なことを書くと「嫌いな人」に分類されてしまうだろうと思うと解説を書くのも大変だったろうと思うが、麻木さんの解説は、著者が読者に期待したことに100%応えているように思われた。(「私の嫌いな10人の人びと」中島義道、新潮文庫)
さて、自分と周囲のいざこざまで全部さらけ出しながら、自分の頭で考えない人々を徹底的にこき下ろす本書を読んでいると、著者の講演を聴いた学生3人が精神に変調をきたしたという著者自身が語るエピソードが判るような気がする。何の思考もなくマジョリティーになることを選択してそれに安住している人びと、さらにはマジョリティーになることよりも「マジョリティーと見られること」に汲々としている人びととの戦いの記録のようなものだが、文章を書く際に重視したい「覚悟」という点では、まさに著者こそ「理事長」にふさわしいと思えてくる。著者が本書で指摘しているような人々は、著者の懸命な抵抗にも関わらず急速に増えているのではないか。私自身はどうかというと、10のうち2つ当てはまるような気がして、何だかもっと生き方を変えたいなぁと思ってしまった。また、巻末の解説をアナウンサー「麻木久仁子」さんが書いているがこれがスゴイ。これまで何百と読んできた文庫の巻末の中でも、1,2を争う名文だと感じた。下手なことを書くと「嫌いな人」に分類されてしまうだろうと思うと解説を書くのも大変だったろうと思うが、麻木さんの解説は、著者が読者に期待したことに100%応えているように思われた。(「私の嫌いな10人の人びと」中島義道、新潮文庫)
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