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ボビー・オア

数年前、あるスポーツ紙が行ったNHL史上最も偉大なプレーヤーは誰かという読者投票「オール・タイム・ベスト・プレーヤー」で、グレツキーに次いで2位となった伝説のプレーヤーである。ミスタ-・ホッケーことゴーディー・ハウを上回ったのだからすごい。また、こうした投票では、そのプレーを自分の目で見ている人が多いという点で、現役選手やs引退して間もない選手が有利と考えられるから、彼の第2位には単なる2位以上の価値があるという見方も可能だろう。さらに、重要なことは、彼が「ディフェンス」の選手だということである。ホッケーでは、人気選手は、ほとんどがセンターやウイングのいわゆる「オフェンス」の選手である。試合を決めるポイントを上げる選手に注目が集まるからだ。こうしたことを考えると、ほとんどのオフェンス関連のNHL記録を独占するグレツキーと対極にある選手がこのオア選手だ。彼は「攻撃的なディフェンス」というスタイルをNHLに持ち込んだと言われている。攻撃的ディフェンスと言えば、オゾリンチ選手などを思い浮かべるが、その元祖ということだろう。私には、ビデオなどに残された断片的なプレーと、様々な伝説でしか、彼を知る手がかりがないので、彼の人気が何によるものなのかはよく判らないが、その片鱗を伺わせるものはいくつもある。彼のすごさを端的に表す記録は、彼が、NHLの年間最多ポイント賞を取った唯一のディフェンス選手だということである。ディフェンスの選手が最多ポイント賞をとるというのは、通常考えられない。そのほか、彼は、ある試合で1分以上もパックを持ち続けたことがあるという。通常、ある選手がパックを受け取ってから他の選手にパスするかシュートをするまでの時間は、1秒もないだろう。長くても5、6秒ではないか。それを1分以上も持ち続け、しかもその記録がとぎれたのは彼がゴールを決めたからだという。このエピソードからは、誰も彼からパックを奪うことができず、完全にリンク全体を支配している様が思い浮かぶ。余談だが、私がNYで仕事をしていたとき、ワシントンのコンサルタントにオアという名前の人がいた。かなり珍しい名前だと思うので、彼との関係を一度聞きたいと思っていたが、聞くことなくこちらが帰国することになった。
サイン自体は、典型的な左利き選手の特徴である左上から右下に流れるもので、アルファベットを全く省略していない点が好ましい。
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