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となりのクレーマー

名古屋~東京の往復の新幹線の中で読もうと思った本だが、読みやすさと話の面白さで、行きのなかだけで読み終えてしまった。速読術の長けた人ならば1時間もかからずに読めてしまうのではないかと思う。企業のクレーマー対応を専門としてきた人ならではの、臨場感のある描写が興味を持続させて一気に読ませてしまうということだ。クレーマ-にどのような事に注意しながら、どのように対応したかということは判るし、お客様第1主義と不当な要求への毅然とした対応のバランスの取り方の難しさといったことは伝わってきたが、それだけに終始してしまっているのが残念だった。勝手な感想であるが、全体的に優等生すぎる。クレーマーが増加していることの社会的背景とか、クレーマー側の心理といったことでも、経験豊かな筆者でしか書けないこと、判らないことがあるに違いない。筆者の扱ったクレーム件数は数千件に及ぶとのことであり、この本で取り扱われているのが数件なので、まだまだ、筆者には本を書く素材がいくらでもあるだろう。あまり節度を意識せず、もっと大胆に現場で思ったことを書いて欲しい。
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