書評、その他
Future Watch 書評、その他
セルジオ・ガルシア
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そして扉が閉ざされた 岡島二人
密室に閉じこめられた4人の男女。ここはどこなのか?何故ここにいるのか?ここから脱出するにはどうしたらよいのか? 手がかりを与えられないまま、読者は、4人の登場人物達の謎解きに参加する。これらの謎を登場人物の「会話」と「回想」と「若干の行動」だけで破綻無く進めていく作者の技巧は超絶である。但し、技巧といっても、難解で複雑なトリックがある訳ではなく、登場人物がそれぞれの知っている事実を披露し、それを積み重ねることで、論理的に謎が狭まっていく、そのプロセスが見事なのである。よく「4人のうち3人は正直村の住民、1人は嘘つき村の住人。さて嘘つき村の住人は?」といった類のクイズがある。途中でそれを想起させられるが、嘘つき村の住人だって嘘ばかりはつかないだろうし、4人とも正直村の住人だったら、等と考えている内に、全く意外な結末へ。
解説を読むと、本書は「99%の誘拐」「クラインの壺」と並んで、作者の岡島二人の後期傑作三部作と呼ばれているそうだ。これで3部作を読み終えたことになるが、「他の人には書けないだろうなぁ」という点では、本書がベストと思う。(「そして扉が閉ざされた」岡島二人、講談社文庫)
解説を読むと、本書は「99%の誘拐」「クラインの壺」と並んで、作者の岡島二人の後期傑作三部作と呼ばれているそうだ。これで3部作を読み終えたことになるが、「他の人には書けないだろうなぁ」という点では、本書がベストと思う。(「そして扉が閉ざされた」岡島二人、講談社文庫)
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