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アイネットラジオ529-5 ダブルスタンダードに置かれる米軍基地の日本人従業員

2021-06-16 | ラジオ放送の中身

みなさん、こんにちは。

 

アーサー ですよね。これに連動して、徳田さん、本日の新聞でしたか、コメントを出されていました。

 

徳田 はい、出しました。

 

アーサー 海外のほうでは一部、ワクチンの接種証明と引き換えに、行動制限の解除等も含めて、いくつか施策が打たれているということがあったと思いますが。

それに対してのコメントもありました。

 

徳田 これは、アメリカのCDC、つまり疾病対策予防センターが、ワクチンを打った人は、マスクは必ずしも100パーセントやらなくてもよいということを言ったわけですね。

ただこれは、まだアメリカでも議論があって、アメリカの専門家でも、これはまだ早いんじゃないかと、というのは、アメリカのワクチン接種対象者のまだ半分くらいしか完了していないわけですね。

確かにアメリカは早いです。

あれだけの人口がいるにもかかわらず、相当のスピードでワクチンを接種しましたけれど、ですけれどもまだ、半分くらいだということで、つまりまだ半分は免疫がないという状況ですから。

そこで、マスクという非常に重要な武器を、あえてやらないというと、これはワクチンを完了した人であっても、ブレークスルー感染というのがあるんですね。

結局、ワクチンの効果はたしかに、ファイザーとか95パーセント、モデルナが90パーセントとか、そしてアストラゼネカが80何パーセントとか、そういうのはありますが、ということは100パーセントではないということですね。

中には感染する人もいるわけです。

感染するということは、その人からまた感染伝播するということですから。

 

アーサー はい。

 

徳田 ということはワクチンを打った人から感染して、ブレークスルー。

そして、別の人にまた感染が伝播すると。

で、お互いマスクをしていても、していたら感染のリスクは下がるんですけど、していなかったら、感染のリスクは高くなるわけですから。

ですから、ちょっと早かったかなと。

それを、沖縄の米軍にまでそのまま当てはめたというのは、米軍としては早いんじゃないかと。

 

アーサー なるほど。。

 

徳田 私が申し上げたかったのは、米軍の、沖縄の基地の中には従業員が、沖縄の人々がいらっしゃるわけです。

その方々はほとんどワクチンを打ってないわけです。

一部、海軍病院なんかは打ってますけど。

海軍病院の日本人従業員は打っていますけど、それ以外の方々はまだ打っていない。

打っていない理由は、ワクチンでもし、副作用が出た場合の補償が、基地の従業員では日本の、日本人としての立場だから、アメリカのワクチンで、アメリカで米軍が打つというふうにはいかないと言ってますけれども、でも結果としてワクチン格差が生まれているわけですから。

で、アメリカ人はみんなワクチンを打ったということで、マスクをはずすと。

で、基地従業員はマスクをしている。

ですけれども基地従業員に対する感染のリスクというのが上がるわけで。

マスクをしているときよりもしていないときのほうが、感染が伝播するリスクが高くなるわけですから。

ということで、アメリカのCDCの、マスクはまあもういいでしょうと、ワクチンを打った人は。

と言っていますけれど、これはちょっと沖縄の基地の中に当てはまらないのではないかと、こういうふうに申し上げたいわけです。

 

アーサー このあたり、もちろん、沖縄県だけでなく、他府県にも基地は存在するわけなんですが、私、思ってしまうのが、本来基地に勤められる方々って、エッセンシャルワーカーと近い状態。

 

徳田 エッセンシャルワーカーですよ、ほとんど。

一番リスクの高い方々。

その一番リスクの高い方々にワクチンを接種せず、副作用の補償ができないからと言って。

だから補償ができるように、法体制、地位協定を変えればいいだけであって、

 

アーサー そこですよね。

 

徳田 ええ。

例えばこの番組でも申し上げましたけれど、ゲートを守っているガードマンの方がいらっしゃるじゃないですか、日本人。

日本人の方がいらっしゃって、銃をもってるんです。

銃を持つというのは、日本の法律では許されてないんですけれども、アメリカではガードマンは持っていいということになっているので持たされているんですけれども。

ですからダブルスタンダードなんです。

銃は持たせているのにワクチンは打たないという。

 

アーサー ここですよね。

 

徳田 危険なことはやらせて命は守らないという、こういうダブルスタンダードはいかがなものかという、まあ、そういうふうに私は思うわけです。

 

アーサー そうですね、ほんとうに。

命を守るために必要だから法整備をしますという考え方が前提だと思っているんですけど、ほんとうに、基地従業員の方に対しての捉え方、対応の仕方というのはなんかすごく理不尽な気がします。

 

徳田 例えばレストランのウエイター、ウエイトレスされてる方々とか、米軍の方々が飲食をされている、そこに食事を運んだり、飲み物を運んだりする、エッセンシャルワーカー。

多数のお客さんを相手にするわけですね。

その方々が、マスクをしないでどんどん入ってくる。

あるいは筋トレ、トレーニングジムのお掃除をされてる方とか。

マスクを外して筋トレやりながら、雄たけびを上げるといったら、掃除をされているエッセンシャルワーカーの方の感染のリスクは高くなるんじゃないかということですよね。

 

アーサー ちなみに現在、各都道府県でワクチンの接種が、医療従事者の方から高齢者向けにシフトしているというのがありますが、県内の、現時点でのワクチンの接種状況についての見解をうかがいたいと思います。

 

次回に続く。

 

 

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