健康長寿のためのライフスタイルについて考えるシリーズですが、今回は社会的活動への積極的参加と生きがいについて考えていきましょう。
長野県は全国でも男性、女性とも平均寿命トップの県です。 それでも寝たきりや認知症などの介護を必要とする高齢者は少なく、そして老人医療費も低く、健康優良高齢者が多いのも特徴です。 多くの方が、亡くなる直前まで比較的元気に暮らしています。
長野県佐久市が健康長寿の秘訣の一つとしてあげるのが、高齢者の社会的活動への積極的な参加です。 高齢者大学や公民館の活動による一人一芸生涯学習活動などの生きがいを求める活動のほか、老人クラブの積極的な活動、そしてゲートボールなどのスポーツ活動にも積極的に参加することが促されています。 一方では、高齢者の就業率も高く、現役として社会的貢献を続けている方々が多いようです。
長野県は「低い医療費で長寿」であることから、PPP(ピン・ピン・ポックリ)が多いといわれています。 確かに、生きている間は元気で、寝たきりなどにならずポックリ死ぬというのが、理想の健康長寿でしょう。
一方、「新老人」という概念を提唱している日野原重明先生は、財団法人ライフ・プランニング・センターを設立し、一人ひとりが全生涯にわたり、生活の質が豊かに保たれるように援助する活動を行っておられます。 その財団の理念の冒頭では、「生きることでなく、よく生きることをこそ、何よりも大切にしなければならない」というソクラテスの言葉を引用されています。 「新老人の会」では、生活習慣の改善によって「自分の健康は自分で守る」ことができるように一人ひとりを動機づけ、健康行動が実践できるさまざまな方策を提言しています。
今回はこの辺で、次回は健康の格差について考えていきましょう。