燃えるフィジカルアセスメント

総合診療医Dr徳田安春の最新医学情報集

ヒューリスティック(heuristic) とは?

2020-06-22 | 闘魂症例検討会
みなさん、こんにちは。
 
 
以前のこのブログでDVTについて書きました内容で、ホーマン徴候Homan’s signと書きましたが、
正しくは、ホーマンズ徴候Homans’ sign です。
 
お詫びをして訂正いたします。
読者の方からのフィードバックで見つかりました。
御礼を申し上げます。
 
 
それでは、今回の内容です。
 
 
春:(追加の予診を終えてすぐに戻ってくる)先生!
 
「朝食後に台所で食器を洗っているとき」に「突然」頭痛が始まったとのことです。
 
それに、これまで経験したことのない痛みで、程度は10分の8。
 
持続しているとのことです。
 
 
徳:レッドフラッグですね。
 
(急いで診察しながら)フィジカルアセスメントでは歩行障害なし、構音障害なし、運動・感覚・協調運動の障害はなく、項部硬直もみられない。
 
 
春:(先生のフィジカルアセスメント……は、速い……!!
 
 
徳:問診でのレッドフラッグは重要です。
 
どういう病気が考えられますか。
 
 
春:(ドキッ!!)わ、私ですか?
 
う~ん……脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血のおそれがあると思います。
 
前回の表では、「やぶれる:脳動脈瘤破裂」とありましたし。
 
 
徳:すばらしい!
 
 今、春奈さんが行った診断プロセスは直観的推論(または直感的推論)とよばれるものですね。
 
禅には「直観」という教えがありますので、私は「直感」の代わりに「直観」という言葉を用いています。
 
 
 
 
春:(先生って相撲や野球だけじゃなくて禅にも興味あるんだ……)
 
 
徳:この患者さんでは、「頭痛」という症状に対する直観的推論の迅速性と正確性が示されている、
 
「高血圧症のある、中年以降の年齢で、突然発症の、これまで経験したことのないひどい痛みが、持続している場合、クモ膜下出血を考える」
 
というメンタルシミュレーションが迅速に作動した推論です。
 
非常に迅速な判断を可能とさせるパワフルな推論ですね。
 
ベテランほどこれを多用しています。
 
こういう簡単・迅速・正確なメンタルシミュレーションのことをヒューリスティック(heuristic)ともいいます。
 
 
写真:オンライン説明会のお知らせです

 

 

 

 

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